森友学園の籠池理事長が、東京都内の我が家を突如訪れたのは、3月15日。
当日私は大阪で、塚本幼稚園を自主的あるいは強制的に退園した保護者たちが行う、大阪府への申入れと記者会見を取材していた。
外国特派員協会での記者会見がキャンセルになったことを前日夜に知った瞬間、「じゃあ、空いた時間、僕にください」と打診したところ、籠池氏はすぐに「じゃ、自宅で」と応諾してくれた。
しかしこの「自宅」の認識が違っていた。私は「大阪府豊中市の籠池氏の自宅でのインタビュー」と認識していたが、籠池氏は「東京の菅野の自宅でインタビュー」と認識していたのだ。
「なんや、菅野さん、大阪におるんか」との電話を受けたのが、11時過ぎ。仕方ない、大阪での取材を切り上げて東京に戻るしかない。
急遽羽田に戻って、タクシーで自宅まで飛ぶようにして帰って驚いた。メディアが殺到しており私自身が自分のマンションには入れない。これは異常だ。この異常なメディアスクラムを解除するために行ったのが、この囲みの取材だ。FNN が全編ノーカットで公開している。最後まで見てもらえばわかるように、この会見の趣旨は「メディアスクラムを解いてくれ。そうでないと取材ができない」と言うものだ。ほとんどのメディアは、同業者としてこの申し入れを理解してくれ、メディアスクラムを解除してくれた。
そこから始まった、籠池氏へのインタビューは、約三時間にわたった。
その詳細を今、文章にすることはまだ、できない。
しかしこのインタビューで籠池氏が語った最重要証言「安倍首相から100万円の寄付をもらった」とのエピソードは、翌日、籠池氏の口から語られてしまった。「ネタ元」にとくダネを抜かれた。。。。こんな経験、おそらくこの先もすることはないだろう。
籠池氏によると、この100万の寄付金が安倍昭恵夫人から手渡されたのは、2015年9月5日土曜日。
メディアに何度も登場した「安倍昭恵氏が瑞穂の国記念小学院」の名誉校長に就任した、あの講演会が行われた日だ。
「昭恵さんから、封筒に入った札束を、『これ、主人から』と言われた。」
「領収書は?と聞いたら『いや、まあ、それは』とおっしゃった。」
「土曜日やし、もっとくの怖いし、我慢せなしゃない。月曜日に自分らで入金した」
「ようわからんようになるから、安倍晋三名義で入金しようとしたけど、会計の人に止められたんで、森友学園の名義で入金した」
こう証言する籠池氏の顔は苦渋に満ちていた。ようやく、重い口を開いたのだ。私と一緒にこの証言を聞いていた扶桑社の編集者も、なぜか、泣きそうな顔をしている。
しかしこの段階では、まだ「証言」に過ぎない。何か物証はないのか?
「あるんちゃうかな。寄付者名簿、その日付のあるしね」
「振込票、残っとるんちゃうか?」
それ、それが欲しいんですよ、理事長。
と言うことで、今日、たった今、その物証の現物を入手した。
確かに「安倍晋三」の名前は出てこないが、「100万円」「森友学園名義の振込」「土曜日に受け取った現金を次の月曜日に入金した」を裏付ける寄付者名簿は存在した。振込票の現物も、ある。
取り急ぎ、この物証を、みなと共有し、読者諸賢の判断を仰ぎたい。
寄付者名簿
画像加工の素人のため、黒塗りがいびつで恐縮だが、平成27年=2015年の9月7日月曜日、つまり、土曜日だった9月5日の安倍昭恵講演会直後の平日に、100万円の入金があることが確認できる
振込表の現物
これが上記入金の元となった、振替払込用紙の現物。「森友学園」が名義欄にボールペン書きされているが、よく見ると、その上部に修正液で何か消されているのがわかる。
この修正液部分に、裏からライトを当ててみると。。。。。
修正液部分のライトアップ
やはりこれは、「安倍晋三」としか、読みようがない。