「植草一秀の『知られざる真実』」
2017/03/11
日本の世直し出発点は安倍政権の退場
第1687号
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テレビメディアは籠池泰典氏の広報活動のために公共電波を提供する一方で、
肝心の質疑応答部分を放映しなかった。
安倍晋三氏は籠池氏の記者会見の質疑応答場面に合わせて南スーダンからの自
衛隊撤回の緊急会見を行った。
ここから浮かび上がることは、籠池氏に対する質疑応答を安倍晋三氏が心底恐
れているという事実だ。
安倍晋三氏は
「学校認可と土地取引に私や妻が関与していたなら、総理も議員も辞める」
と明言している。
したがって、今後、
安倍晋三氏や安倍昭恵氏が学校認可や土地取引に関与している事実が明らかに
なれば、安倍氏は総理を辞任し、国会議員を辞任しなければならないことにな
る。
このことを恐れて、安倍晋三氏は、籠池泰典氏の国会招致を頑なに拒んでいる
のだと推察される。
このことに気付けば、何をやればよいのかが明白になる。
とにかく、関係者を国会に招致することだ。
国会は国政調査権を活用して、証人喚問を行うべきである。
第一の問題は、国有地の不正廉売疑惑である。
鑑定評価を9億5600万円とした国有地を1億3400万円で売却した。
この売却が
「適正な対価による売却」
であったのかどうかを明らかにしなければならない。
客観事実は、8億1974万円の値引きが適正でないことを示している。
国が不正に国有財産を譲渡したのなら、国に損害を与える「背任」になる。
当時の関係者を国会に参考人として招致して事実を明らかにする必要がある。
また、財務省文書管理規則
https://goo.gl/MYTJ5F
は
「国有財産の管理及び処分の実施に関する事項」
「国有財産の管理(取得、維持、保存及び運用 をいう。)及び処分の実施に
関する重要な経緯」
「③国有財産の管理及び処分(①及び②に掲げるものを除く。)に関する決裁
文書又は管理及び処分に関する重要な実績が記録された文書」
について、10年の保存期間を定めている。
森友学園が地下の廃棄物を発見して近畿財務局に通知したのが、ちょうど1年
前の今日、2016年3月11日である。
この後、森友学園の籠池泰典氏が財務省本省や近畿財務局と折衝して、3月2
4日に当該国有地を購入する意向を通知。
6月20日に移転登記が完了した。
しかし、土地代金の1億3400万円は支払われていない。
2778万円の頭金だけが支払われたのである。
他方、国は地下埋設物処理費用として1億3176万円を支払っている。
森友学園は1億398万円と8770平米の国有地を国からもらったことにな
る。
1年未満の、国有財産の処分に関する重要な実績が記録された文書を廃棄して
いるとすれば、これは財務省文書管理規則違反に該当するだろう。
それを佐川宣寿理財局長は廃棄したと供述している。
激安払い下げを実行したときの理財局長は迫田英典氏である。
当時の近畿理財局長、近畿理財局の担当者、大阪航空局の担当者、迫田氏、佐
川氏を参考人として国会に招致し、事実を質す必要がある。
安倍昭恵氏も参考人として招致するべきである。
今回の事案は、
森友学園の歪んだ教育に関する問題の側面と
国が森友学園に異常な利益供与、便宜供与を行った疑いがあるという問題の側
面
の両面がある。
いま、国会が明かにするべき問題は後者の問題である。
政治家が関与している
金銭による工作が行われている
ことに関心が注がれているが、それよりも前に、
国有財産が適正な対価によって譲渡されたのかどうかの事実解明が必要であ
る。
会計検査院が検査しても、形式的な審査しかしない。
重要なことは8億1974万円の値引きが適正であったのかどうかの検証であ
る。
このようにして8億1974万円を算出したのかを調べることが重要なのでは
ない。
そのような算出を行ったという判断が適正であったのかどうかを客観的に検証
することだ。
会計検査院にその能力はない。
関係者、当事者から事実関係を詳細に聞き出すことによって、真相は必ず明ら
かになる。
2015年の埋設物処理を請け負ったのは
株式会社中道組
2016年以降の小学校建設を請け負っているのは
藤原工業株式会社
である。
さらに、工事契約契約書に記載した工事代金については、設計管理を担当した
キアラ建築研究機関
が事実をよく知っているはずだ。
財政法第9条違反という、法令違反が疑われる事案であり、参考人の国会招致
は必須である。
そして、何よりも重要なことは、
安倍晋三氏が、この参考人招致を心底恐れていると見えることだ。
本当にやましい部分がないなら、洗いざらい、国会で明らかにしてもらうこと
が本人のためでもある。
この国会では、
共謀罪創設法案
主要農作物種子法廃止法案
水道法改定案
家庭教育支援法案
などの極めて重大な意味を持つ法律案が審議される予定である。
野党は財政法第9条違反が強く疑われる、今回の事案について、国会でも徹底
した真相解明を求め、与党がこれに応じなければ、すべての審議を拒絶する程
度の強い態度で臨むべきである。
また、当該国有地が更地の状態で国に返還されることについての、確約も取り
付ける必要がある。
その場を取り繕って、ゾンビのように、国民に損害を与える行為が復活する可
能性を完全に遮断する必要がある。
そして、より重大性を帯びているのが
国による加計学園への利益供与、便宜供与の疑いである。
LITERA
https://lite-ra.com/2017/03/post-2975.html
は次のように伝えている。
「“第二の森友学園”といわれるのは、岡山県に本拠を置く加計学園グルー
プ。
複数の大学、幼稚園、保育園、小中高、専門学校など様々な教育事業を配下に
収める一大教育グループで、現理事長の加計孝太郎氏は、安倍首相の30年来の
親友だ。
実際、安倍首相は昨年だけでも5回以上、加計氏と食事をしたり、ゴルフを楽
しんでいるし、加計学園が運営する大学の記念式典に出席した際は、祝辞で加
計氏のことを「どんな時も心の奥でつながっている友人、腹心の友だ」と評し
ていた。
また、この加計学園には、森友学園同様、昭恵夫人も関わっていた。
神戸市東灘区に加計学園が運営する「御影インターナショナルこども園」とい
う認可外保育施設があるのだが、昭恵夫人はそこの「名誉園長」を務めてい
た。
同じくグループである「英数学館小学校」(広島県福山市)の説明会パンフ
レットには、安倍首相の腹心である下村博文元文科相夫人とともに、昭恵夫人
が「英数学館イマジネーション教育への功労者」として挨拶文を寄せてい
た。」
この加計学園と安倍政権との間に何があったのか。
国会で真相を明らかにする必要がある。
これこそ、ロッキード事件に匹敵する内容を持つ疑惑である。
政治が私物化されている疑いが存在するのだ。
LITERAは次の事実を提示している。
「加計学園グループは、来年4月、傘下の岡山理科大が獣医学部を新設、愛媛
県今治市に新キャンパスを開校するのだが、その認可と土地取得の経緯が非常
に不可解なのだ。
加計学園はもともと、10年前から今治市に岡山理科大獣医学部キャンパスの新
設を申請していたのだが、文科省は獣医師の質の確保を理由に獣医師養成学部
・学科の入学定員を制限しており、今治市による獣医学部誘致のための構造改
革特区申請を15回もはねつけてきた。
ところが、第二次安倍政権が発足すると一転、安倍首相は2015年12月、今治市
を全国10番目の国家戦略特区にすると決め、16年11月には獣医学部の新設に向
けた制度見直しを表明するなど、開校に向けた制度設計を急激に進めていっ
た。
そして、今年1月4日、国が今治市と広島県の国家戦略特区で獣医師養成学部の
新設を認める特例措置を告示、公募を開始した。
募集期間はたったの1週間。
案の定、応募したのは加計学園だけ。
安倍首相を議長とする国家戦略特区諮問会議は、1月20日、同学園を事業者と
して認可し、今治市はこれを受けて、今治新都市第2地区(同市いこいの丘)
の市が所有する約17万平方メートルを加計学園に無償譲渡することを決定し
た。」
疑惑の余地満載である。
国会は真実を明らかにし、不正があればその事実を徹底究明しなければならな
い。
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