曲学阿世:真実を追求し、虚実の世間に迎合するようなことはしたくない。

真実を曲解し不正な情報によって世間の人々にこびへつらい、世間にとり入れられるような、ことはしたくない。

田中角栄ブームについて 忍苦と努力を見落とすな

2016年09月16日 11時47分26秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

田中角栄ブームについて 忍苦と努力を見落とすな

 月刊誌「文芸春秋」8月臨時増刊号を読んで考えさせられた。同誌は冒頭で、「時ならぬ『角栄ブーム』が到来している。…いま彼をもてはやす書物は負の側面をあまりに見落としていないでしょうか」と続いている。言葉を返すなら、「文芸春秋は田中の負の面をとりあげ、強調しすぎてはいないか」と言いたい。
 私は高校を卒業したころから、「コンピューター付きブルドーザー」などと表現された田中角栄という人に関心を寄せた。その人に関する書物を十数冊買い込んで読んだ。石原慎太郎氏は「田中角栄」氏を「天才」と言ったが、私は「悟りを開いた人」または明治維新の偉人「西郷隆盛」のように苦難に苦難を乗り越え忍耐し克己した人と思うがどうだろうか。
 大正7(1918)年5月4日、雪国新潟県刈羽郡二田村に生まれ、言語不自由(どもり)でありながら、学業優秀で高等小学校を卒業し、15歳で向学心に燃えて上京したが、時には門前払いを食らい、転々と職業も変え、18歳にしてアルバイトをしながら得た製図の技能を生かして会社を設立し社長になった。たった1人の社員とはいえ、一国一城の主となったのだ。さらに昭和18年には個人企業「田中土建工業株式会社」に組織替えした。
 第2次世界大戦の敗戦は朝鮮で迎え、命からがら帰国した。再び上京して旧友・先達たちに会い元の会社を立て直した。幸い元の会社はほとんど戦災を免れ無事であったので復旧は順調に進んだ。戦後のどさくさの中であり、建設業は年齢不相応な高収入を得たと言われる。
 27歳にして国政に志し、「若き血の叫び」を掲げて戦ったが頼りにしていた人の裏切りもあり落選した。昭和22年4月25日第2回衆議院議員選挙で初当選した。29歳であった。
 翌年吉田内閣では30歳で法務政務次官を務め、39歳で第1次岸内閣では郵政大臣を務めた。そのほかに33本の議員立法を成立させた。
 議員立法と言っても戦後の日本が発展していく段階で人々の生活の最も基本の務めを果たしているのだ。たとえば、住宅金融公庫法・公営住宅法等である。どれだけ多くの国民が家を持つことができるようになったか。また住宅団地の出現によってどれだけ多くの新婚さんが助かったか。
 さらに道路法・道路整備費の財源に関する臨時措置法等で全国の津々浦々まで道路を張り巡らし舗装をし、現在の国民の交通需要に応えている。これらの議員立法をするにあたってその提案者は数人または十数人いたようであるが、衆議院での答弁は田中角栄がほとんど1人でしたと伝えられている。そのための記憶力と勉学は常人が真似(まね)ることのできないほどであったと言われている。
 それから自民党幹事長として長年にわたって、「選挙の神様」として敏腕を振るい、遂(つい)に一国の最高指導者、総理大臣を務めた。

皮相的な立花氏の評価

 かかる人物を、立花隆氏は「田中角栄研究」という論文の中で、田中角栄氏には四つの側面があるとして、①政治家田中角栄②事業家田中角栄③資産家田中角栄④虚業家田中角栄、と分類している。
 1番目から3番目までは誰もが望むことであり別に悪いことではない。これにしてもこの分類法は、形の上からの分類で皮相的と言わなければならない。もっと深くその人間性、意欲の有無、努力の有無、忍苦・先見の明、人の面倒見等の精神面を加味しなければ、人物評にはならないと言えよう。
 ここまで来ると田中の10代・20代・30代・40代の真剣な生きざまは、あの明治維新の英雄、西郷隆盛の若い時代の生きざまに重なって見える。第2次世界大戦敗戦後の日本の現実・暗黒・混乱の時代にあって、かく逞(たくま)しく、堂々と、我れここにありと力強く生き抜いたのだと思えるのだ。
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民進党代表戦と日本政治刷新の戦術

2016年09月16日 10時01分16秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                  

 

「植草一秀の『知られざる真実』」

                             2016/09/15

 民進党代表戦と日本政治刷新の戦術

           第1540号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016091516154735080
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-35686.epub
────────────────────────────────────
9月15日、民進党が代表選を実施して蓮舫氏を新代表に選出した。

開票結果は以下のとおり。

【党員・サポーター票(231ポイント)】

蓮舫氏=167ポイント
前原氏=52ポイント
玉木氏=12ポイント

【地方議員票(206ポイント)】

蓮舫氏=126ポイント
前原氏=50ポイント
玉木氏30ポイント。

【国会議員・国政選挙公認内定者票(412ポイント)】

蓮舫氏=210ポイント
前原氏=128ポイント
玉木氏=74ポイント

【合計(849ポイント)】

蓮舫氏=503ポイント
前原氏=230ポイント
玉木氏=116ポイント

蓮舫氏が【党員・サポーター票】、【地方議員票】、【国会議員・国政選挙公
認内定者票】のすべてのカテゴリーで単独過半数を獲得し、合計ポイントでも
単独過半数425ポイントを大幅に上回る503ポイントを獲得して新代表に
選出された。

今回の選挙は任期満了に伴うもので、新たな任期は2019年9月までにな
る。

現在の衆院任期は2018年12月であるから、この任期中に衆院総選挙が実
施される可能性が極めて高い。



民進党の前身である民主党は2010年6月に菅直人氏が代表に就任した瞬間
から絶望の渕に転落した。

小沢-鳩山ラインが敷いた日本政治刷新の方針を根底から覆したためである。

米国が支配する日本
官僚が支配する日本
大資本が支配する日本

を刷新しようとしたのが小沢-鳩山ラインの新政権だった。

普天間基地の県外・国外移設
天下りの根絶=消費税増税の封印
企業団体献金の全面禁止

の方針が明示された。

この

「日本政治刷新の基本路線」

を明示したがために、鳩山政権は既得権勢力の総攻撃を受けた。

その結果として、8ヵ月半の時間で政権が破壊されてしまったのである。

このとき、権力を強奪したのが菅直人氏だった。

菅直人氏は「日本政治刷新の基本路線」を全面的に覆した。

辺野古米軍基地建設推進
官僚天下り根絶の封印=消費税増税の推進
企業団体献金全面禁止の封印

と基本政策路線を全面的に転覆したのである。

この路線を野田佳彦氏が踏襲し、民主党は自滅したのである。



民主党が崩落し、新たに結成された民進党はこの流れを明確に断ち切っていな
い。

そのために、安倍政権に代わる新政権を担う存在として民進党が認知されてい
ないのである。

主権者の多数は安倍政権に批判的である。

原発推進、戦争推進、TPP推進、辺野古基地建設推進、格差拡大推進

の安倍政権基本路線に反対している。

ところが、選挙において、この政策を明示する議員の数が伸び悩んでいる。

逆に、安倍政権与党および補完勢力が衆参両院で3分の2以上の議席を占有す
る危険な状況が生じている。

重要なことは安倍政権に対峙する勢力が選挙に際して連帯して対応することで
ある。

その重要な手がかりを成立させたのが、7月10日に実施された参院選だっ
た。

議席数では安倍政権与党および補完勢力の参院3分の2議席占有を阻止できな
かったが、1人区における野党共闘によって大きな成果を上げることができ
た。

焦点は次の衆院総選挙である。

野党共闘の骨組みを維持したうえで、

政策を基軸に

反安倍陣営候補の一本化

を実現しなければならない。

蓮舫氏は代表選立候補者のなかでは、野党共闘に対して肯定的な姿勢を示して
いた人物である。

この意味で、日本政治刷新に向けての戦略、戦術を構築する上で、この選挙結
果は最悪のものではないと認定するべきだろう。

だが、大きな問題は残存する。

現在の民進党の基本政策はあいまいであり、今後は衆院選立候補予定者の政策
公約を個別精査する必要がある。

そのうえで、民進党候補者をも排除しないかたちで、政策を基軸に、各選挙区
での候補者一本化を進めてゆかなくてはならない。

共産党候補者をも含めた各選挙区での候補者一本化が実現するかどうかが、次
の総選挙で日本政治刷新の新たな方向を得られるかどうかのカギを握る。

この意味での主権者が主導する政治活動が極めて重要な意味を有することにな
る。



民進党は基本政策課題について、内部での議論を深める必要がある。

原発、憲法、TPP、基地、格差

についての基本路線が明確でなければ、主権者の負託を受けることは不可能
だ。

代表選では、原発について、2030年代の原発ゼロの方針が、3人の候補者
から示されたが、これは、

「現時点での原発稼働容認」

を意味する。

主権者の多数が原発の再稼働に反対している。

原発稼働ゼロでも、日本の電力需要は十分に賄われることが現実によって証明
された。

危険な原発が鹿児島県や愛媛県だ稼働され、さらに全国に広がる様相を示して
いる。

福島の事故が収束もせず、いまだに多数の市民が避難生活を余儀なく強いられ
ているなかで、避難経路も確保しないまま、原発再稼働が強硬に推進されてい
るのだ。

原発再稼働容認の民進党を容認するのか。

主権者はこの点を吟味しなければならない。



安倍政権は憲法解釈を勝手に変更し、その解釈に基づく安保法制=戦争法制を
強行制定した。

米国が創作する戦争に、日本が全面加担する態勢が整えられた。

この現実に対してどう対峙するのか。

政権交代を実現して、現在の安保法制を廃止することを明示することが求めら
れている。

そして、秋の臨時国会での最重要議案であるTPP批准問題。

民進党は「現在のTPP合意案に反対」の姿勢を示しているが、内容が修正さ
れればTPPに賛成するということなのか。

あいまいな点が多すぎる。



辺野古米軍基地建設を推進したのは菅直人政権と野田佳彦政権である。

民進党は辺野古米軍基地建設を容認するのか。

沖縄県民が総意として米軍基地建設反対を示しているなかで、民進党は沖縄県
民の意思を踏みにじる姿勢を明示するのか。

消費税増税にしても、岡田克也氏は消費税増税の反対ではなく、消費税増税の
2017年度実施に反対しただけである。

官僚天下り根絶が完全に封印されているなかで、民進党は消費税増税の路線を
容認するのか。

安倍政権は「働き方の改革」と銘打って、外国人労働力の活用促進の方針を示
しているが、企業が外国人労働力活用を求める最大の理由は、労働コストの削
減にある。

外国人労働力が活用されると、日本人労働者の賃金に強い下方圧力がかかる。

これが格差拡大を推進することは明白だ。

格差拡大を推進する新自由主義経済政策を民進党は容認するのか。



つまり、

「安倍政治を許さない!」

と考える主権者が新しい政権を委ねる受け皿に、現在の民進党はなり得ないの
である。

したがって、主権者は民進党とは一定の距離を保ちつつ、次の衆議院総選挙に
向けて、各選挙区での候補者一本化に向けての取り組みを進めてゆかねばなら
ないのである。

民進党候補者が統一候補になり得るのかどうかは、その候補者の政策公約にか
かる。

原発、憲法、TPP、基地、格差

の各問題について、主権者の意思を正面から受け止める人物を衆院選の統一候
補者にしなければならない。

民進党候補者は排除されないが、自動的に統一候補者には選任されない。

民進党候補者が主権者の意思に沿う公約を明示せず、共産党候補者が主権者の
意思に沿う公約を明示するなら、共産党候補者を主権者が推す統一候補者に押
し立てることになる。

信頼できる野党第一党が存在しないことが、この国の政治刷新を妨げる最大の
原因になっているが、私たちは現実のなかからしか活路を見いだせない。

現実の問題点を認知したうえで、この問題点を克服する手法、戦術を駆使して
進んでゆかねばならない。


 
 
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〇 フジテレビ『小池都知事追跡番組』でのコメント顛末!

2016年09月16日 10時00分34秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

 

◎「日本一新運動」の原点―335

            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

〇 フジテレビ『小池都知事追跡番組』でのコメント顛末!

 9月6日(火)午前11時頃突然フジテレビから電話があった。
日本一新の会事務局経由の出演依頼で、私の連絡先が不明だった
とのこと。マスメディアからのお呼びは何年ぶりか。ここ5年く
らいは「危険な直言」をするので体制側のブラックリストに掲載
されていると聞いてはいたが、連絡先まで抹消されるとは〝世捨
て人〟となった証拠なのだろう。

 要件は「小池都知事の政治能力や、国会でのエピソードをコメ
ントして貰えないか」、翌7日の午後の放映なので6日中に録画
したいとのこと。丁度東京での用向きが午後にあったので、久し
ぶりにお台場のフジテレビに出かけ、約1時間ほど質問に答えて
コメントしてきた。翌7日放映の報道バラエティー番組「直撃
 LIVE グッディ」は端から関心がなく観る気はなかった。ところ
が、担当ディレクターからお礼の電話があった。「お陰さまで盛
り上がった。これからもよろしく!」と、何のことだか理解でき
なかった。
 それが理解できたのは、翌8日の朝。5人の友人から立て続け
の電話で「元気そうで何よりだ」までは良かったが、3人が「相
変わらず誤解される発言で小沢さんが気の毒だ。気をつけてくれ」
との苦言だった。「何のことだ」と問うと、自由党時代の話で、
「小沢一郎ぐらいの政治家になると多くの女性が面倒を見たがり、
競争になっていた。その中で群を抜いて小池女史が頑張るので、
他の女性から嫌われていた」と発言したとのこと。
 その部分を、フジテレビの〝お局さま〟こと、安藤優子女史が
わざわざ採り上げ「平野さんの証言で小沢さんの面倒を見たい女
性議員はたくさんいたって、そういう世界なんですか」と、田崎
時事通信特別解説委員に話を振ったところ、田崎氏は「面倒を見
たいという言葉が誤解を与えがちだけど、女性議員は誰かに尽く
すのはいいんですが、今度は女性同士のケンカが始まるんですね。
私が一番っという。その中で小池さんは一番目立って活躍もされ
た。でも、他の女性議員からは恨まれたという形だったのです。
当時は・・・・」と解説してくれたようだ。

 2人の友人は「面白かったよ。築地の移転などの固い話より、
女性権力者が出来上がる裏話を知る必要があるよ。平野の話が誤
解を与えがちというが、誤解されてもいいよ。80歳になったん
だから。この話がないとつまらん番組だった。それにしても田崎
といい、安藤といい、わざわざ採り上げるなんて、彼らと何かあ
ったのか」と詰めてくる。
「田崎氏は30年前の衆議院事務局時代に衆議院議運委員会の担
当の頃、毎日のように取材に来ていた。小沢番が長く、小沢取り
巻きの一人だった。政治改革を巡って、小沢VS梶山の争いが起
こったとき、梶山側につき小沢批判の著書などを出版したり小沢
の足を引っ張ったりしていた。梶山の晩年は『小沢改革』を理解
し、竹下・野中と対決した。今の田崎氏は自民党守旧派側で解説
する御用評論家として、『官邸のスポークスマン』を任じテレビ
報道を劣化させている代表者の一人として活躍しているが、その
昔、私に世話になったとの思いが多少は残っていて、彼の善意で
誤解を解いてくれたんだろう。

 安藤女史は今でも私のことを憎んでいると思う。陸山会事件が
クライマックスの時期に、安藤女史の番組に呼ばれて容疑者扱い
を受けた。彼女が『小沢逮捕確実』とまで発言するのでその番組
か、他のメディアかは忘れたが、『安藤は欲求不満があるんじゃ
ないか?』と口を滑らせたことがある。怒った安藤から強い抗議
を受けたよ。安藤は都知事になりたがっていたとの情報もあり、
小池知事とは微妙なスタンスをもっている」。そんな昔話をして、
友人からの立て続けの電話を終えた。
 ところで、私は久しぶりのフジテレビの録画で〝つまらん話〟
だけをしたわけではない。徳川家康の江戸幕府体制は「戦争をし
ない―憲法9条」、「天皇を非政治化する―憲法1条」の先行形
態といわれている。家康は苦労した武将であったが、「狸親父」
といわれる謀略家でもあった。「狸」を「立派な政治家」に変え
たのは側室の「お万の方」で、法華・妙見信仰による「生命の尊
厳と人間の平等」を命がけで家康に教えた歴史がある。小池知事
だけでなく日本の政治家は「お万の方」の思想を学ぶべきだ、と
の話は放映されなかった。日本人は自分たちの歴史から、真実の
デモクラシーの理念を知るべきと思う。?


〇 私の「共産党物語」 20
(非自民八党派連立政権と共産党)

 平成4年(1992年)7月26日、第16回参議院通常選挙
で、私は高知地方区で当選できた。得票数は15万余票で、すべ
ての地方区で最少得票だった。人口の自然減が始まっていた高知
県ではあったが、私の得票数はあまりにも少なく斯界の話題とな
った。理由は現職の科学技術長官・谷川寛三参議院議員を、高齢
などを理由に自民党本部が強引に引退させて、私を推薦したこと
に原因があった。
 そのため、自民党高知県連では事実上の保守分裂選挙となる。
谷川国務大臣系の無所属候補が出馬し私に入った自民票は5万票
程度であった。残りの10万余票はどんな票だったのかというと、
公明・創価学会関係約3万票、宗教関係では立正佼成会・生長の
家・真光・神道系、選挙活動を行わない天理教・キリスト教・仏
教関係などが不思議なくらいに支援を申し入れてくれたことが有
り難かった。
 驚いたのは、社会党の解放同盟が「お前には世話になっていな
いが、大正時代から父親(寛・開業医)に仲間が世話になった」
と組織的に支援してくれた。民社党は県連レベルで非公式に応援
態勢をつくってくれた。前号で述べた共産党の動きはなんとも読
めないが、選挙が終わった後、親族・知人・友人などの共産党支
援者から「平野と書いたぞ」と喜んでくれた。状況から見ると、
前号の北岡共産党候補の私への話が本当だった可能性が高い。

 第16回参議院通常選挙の結果は、自民党が68名を当選させ
るという好成績であった。しかし、与野党逆転できるものではな
かった。社会党は前回の半分にも及ばない24名の惨敗であった。
理由は、直前のPKO法案に対する参議院での過激な物理的抵抗
にあった。公明と民社は、社会党と距離を置く姿勢で議席を伸ば
した。共産党は足踏み状態であった。話題となったのは、細川元
熊本県知事が結成した「日本新党」が比例区で四名を当選させ、
新しい政治の流れをつくった。
 無所属で当選した私は、手続からいえば自民・公明の推薦とい
うことだが事実上は各党から票を頂いたわけだ。マスコミは「政
界再編要員」と冷やかした。自民党に入党することについては公
明党との調整もあり時間を置くことになる。投票日の翌日、小沢
一郎氏から直ちに上京しろとの指示。話は「社会党の若手から、
このままでは社会党は壊滅する。離党とか、新しいグループをつ
くると相談に来ている。政界再編のシミュレーションをつくって
欲しい」とのこと。
 情報を集め、手順などの作業を進めている平成4年8月中旬、
金丸信自民党副総裁の「佐川急便事件」が発覚する。社会党分裂
の手伝いどころではなく自民党竹下派(経世会)の分裂となる。
経世会から離れた羽田・小沢グループは、「改革フォーラム」を
結成する。この時に私は自民党入党を申請するが梶山幹事長が政
治改革の真犯人として「入党届」を机の引き出しに入れ放置する。
翌5年3月28日、私は無所属で自民党高知県連会長に就任した
為、3月1日に参議院自民党会派の所属を認めるという笑い話が
ある。
 それからの政局の動きは政治改革を巡り、宮沢内閣不信任案の
可決、衆議院解散総選挙となる。8月6日には8党派による「非
自民細川連立政権」が成立する。自民党政権が破綻したのは昭和
30年に自民党が結成されて初めてであった。(これらの経過に
ついては、拙著『平成政治20年史』(幻冬新書)に整理してお
いたので、参考にされたい)
 非自民連立細川政権に参加したのは社会党・公明党・日本新党・
民社党・新党さきがけ・社会民主連合・民主改革連合の8党派で
あった。野党は自由民主党と共産党という政党構成となった。
この非自民連立細川政権樹立の政策協定の調整役であった私は、
この政権はまったくのガラス細工で、一ヶ年継続できるかどうか、
不安感を残していた。
 永久政権の夢に破れた自民党は初めての挫折に混乱していたが、
いかなる手段を使っても政権を取り戻すと謀略を展開するように
なる。もうひとつの野党、共産党の対応が注目された。細川非自
民連立政権の成立直後の共産党幹部の人たちの発言には驚いた。
「細川非自民連立政権は、自民党政権より質が悪い」という主旨
の見解である。確かに問題の多い細川連立政権ではあったが、わ
が国の政治史で画期的なものという発想が何故にできないのか。
政権交代という議会民主政治の根本を理解しないようでは、共産
党のこれまでの議会政党化の後退となるときわめて深刻に思った。
                          (続く)


TPP批准審議は米情勢判明まで先送りすべき

2016年09月16日 09時59分55秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

                           

 

                     「植草一秀の『知られざる真実』」                            

                            2016/09/14

TPP批准審議は米情勢判明まで先送りすべき

           第1539号

   ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2016091417145235063
   EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-35668.epub
────────────────────────────────────
秋の臨時国会が9月26日に召集される。

最重要議案はTPP批准である。

ウソと利権にまみれたTPPを安倍政権は強硬に批准しようと目論む。

しかし、TPp最終合意の内容は自民党が2012年に明示した6項目の公約
に完全に反するものである。

日本の国益を売り渡し、強欲巨大資本の利益だけを追求するものである。

これを安倍政権に指令しているのは言うまでもなく強欲巨大資本である。

このTPPは、あろうことか指令の発信源である米国においても批准が危ぶま
れている。

11月8日に投票日を迎える米大統領選。

民主党はヒラリー・クリントン氏、共和党はドナルド・トランプ氏を大統領候
補に指名した。

直近の世論調査ではクリントン支持とトランプ支持がほぼ互角である。

投票日まで2ヵ月を切った。

大統領選は最終局面を迎える。

TPPについて、トランプ氏は断固阻止、クリントン氏は表向きは反対を唱え
るが、内実は条件付き賛成であると推察される。

クリントンの支持母体が強欲巨大資本であるからだ。

ただし、選挙に勝つために、TPP推進の本音が隠されていると見られる。

大統領に選出されれば、TPPの内容を修正して批准に突き進む可能性が高
い。



このことから、強欲巨大資本に支配されるマスメディアは、全面的にクリント
ン支持の情報誘導を展開している。

これは、日本のマスメディアも同じである。

情報空間を支配し、クリントン当選を確保するために躍起になっている。

しかし、この大統領選に重大な問題が浮上している。

クリントン氏の健康問題である。

クリントン氏は9月11日の9.11犠牲者追悼式典を途中退席した。

極めて重要な行事を途中退席せざるを得ないほど、深刻な状況であったという
ことになる。

クリントン陣営はリサ・バーダック医師からの診断書を発表し、クリントン氏
は9日に肺炎と診断されていたことを公表。

診断書には

「今朝は(式典の)最中に、暑さで脱水症状を起こしたものだ。私は(クリン
トン氏を)診察したが、いまは脱水症状も治り、順調に回復している」

と記述されている。

ツイッターには、追悼式典を途中退席し、クリントン氏が選挙運動用の黒いバ
ンに乗る様子を撮影した動画映像が投稿された。

その動画では膝から沈み込むクリントン氏が側近や警備担当者らが抱えるよう
に黒いバンに乗車させる様子が映氏出されている。

https://www.youtube.com/watch?v=8xezBbim1Ec

クリントン氏は2012年に脳震盪を起こして倒れている。



Wikipediaには、

「2012年12月、ウイルス性の胃腸炎に伴う脱水症状で倒れた際に脳振盪を起こ
し検査で頭部の静脈に血栓が見つかり、30日から入院して治療し、2013年1月2
日、ニューヨーク市内の病院を退院した。」

また、ネット上には

「妻は酷い脳震盪を起こし、それを克服するのに非常に深刻な治療を6ヶ月間
必要とした」

との、夫であるビル・クリントン元大統領の言葉も紹介されている。

https://goo.gl/tT7yH9

そして、クリントン女史の言動に異変があることが広く伝えられている。

https://www.youtube.com/watch?v=xXlHfA-y6Gs

これらの言動に関して、クリントン氏がパーキンソン病に罹患しているのでは
ないかという疑念がささやかれている。

パーキンソン病の症状は、主に手足がふるえる(振戦)、動きが遅くなる(無
動)、筋肉が硬くなる(固縮)、体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)な
どで、徐々に症状が進行し、寝たきりに移行する場合もある。

また、嚥(えん)下障害による誤嚥性肺炎を発症することも多い。

日本では難病(特定疾患)に指定されている。

現時点ではネット上でささやかれる憶測の段階を超えないが、大統領候補の健
康問題であるだけに影響は極めて重大である。

クリントン氏陣営は、当然のことながら健康不安説を否定するが、パーキンソ
ン病の懸念がささやかれていることは事実であり、クリントン氏陣営はこの問
題に対する明確な解答を明示する必要に迫られている。

米国の二大政党制は、どちらに転んでも、強欲巨大資本の支配下に政治を置く
ための装置であるが、トランプ氏はこの支配下に完全に組み込まれていない例
外的な大統領候補者である。

そのために、強欲巨大資本はクリントン氏を確実に大統領に就任させることを
目論んでいると思われるが、クリントン氏の健康問題が拡大すると大きな誤算
が生じることになる。

クリントン氏が健康不安説を効果的に否定できない場合、大統領選形成は一気
にトランプ氏有利に傾く可能性がある。



政治家にとって健康問題は最重要機密事項であるが、表に出る症状を隠すこと
はできない。

まして、重要行事中の途中退席は事の重大さを象徴する出来事として印象付け
られる。

SNSの発達で、具体的な映像が瞬時に全世界に配信されてしまうから、情報
の隠ぺい、廃棄も困難さが増している。

クリントン氏には専属の医者が常に付き添っており、医師は

「ジアゼパム」(Diazepam)という薬剤カートリッジを常時保持していると見
られている。

「ジアゼパム」は主に抗不安薬、抗けいれん薬、催眠鎮静薬として用いられ、
筋弛緩作用もある。

また、てんかんや興奮の治療、有痛性筋痙攣(いわゆる“こむらがえり”)な
どの筋痙攣の治療にも用いられる。(Wikipedia)

大統領選が最終局面に移行した時点での健康問題拡大はクリントン氏陣営に
とっての極めて重大な事態である。

しかし、全米の有権者の関心は急激に高まっており、選挙情勢が一変する可能
性がある。



トランプ氏とクリントン氏とによる大統領選は「究極の選択」とも言える。

しかし、日本の視点からすれば、米大統領選が日本に与える影響のうち、最
大、最重要の事項はTPPである。

このTPPについて、現時点ではクリントン氏とトランプ氏との間に決定的な
差異がある。

それは、トランプ氏がTPP反対を明確にしているのに対して、クリントン氏
の反対姿勢が曖昧であることだ。

クリントン氏を支配する勢力はTPP推進である。

これは間違いない。

これに対してトランプ氏は自前資金で選挙運動を展開しており、巨大資本の支
配下には組み込まれていない。

クリントン氏の当選が困難になると判断すれば、強欲資本はトランプ氏にアプ
ローチすることも考えられる。

その「交渉」によってトランプ氏が「転向」する可能性がゼロではないと考え
られるが、現時点ではトランプ氏はTPP反対を明示している。



メキシコからの不法入国問題の背景にはNAFTAがある。

1994年に発効したNAFTA(北米自由貿易協定)に際して、米政府は

「カナダ、メキシコの関税が撤廃され、米国からの輸出が増えて雇用が拡大す
る。

食料品の輸入価格が下がり、国民生活が豊かになる」

と説明した。

しかし、現実には米国の輸出農業に巨大な補助金が投下されて米国の穀物輸出
が増大し、メキシコの農業が崩壊した。

その結果として、失業したメキシコ人が米国内に大量に流れ込んだ。

米国企業は不法入国者を低賃金で雇用し、その結果として多数の米国人労働者
が失業に追い込まれた。

米国人が職に就こうとすれば、大幅に低下した賃金水準を受け入れるしかな
い。

結果として、米国の貧富の格差は急拡大したのである。

トランプ氏の反TPPの考え方の背景には、NAFTAがもたらした事態への
批判がある。



トランプ氏は日本が駐留米軍の費用を全額負担しないなら、日本から米軍を撤
退させることも仄めかしている。

日本にとってはまさに「渡りに船」である。

敗戦後、71年間も続いている米軍による日本占領状態を解消する千載一遇の
機会になる。

反民主党で親共和党の日本のマスメディアが、反クリントンで親トランプにな
らないのは、トランプが強欲巨大資本の支配下にいないからである。

これに対して、クリントン氏はしっかりと強欲巨大資本の支配下に組み込まれ
ている。

クリントン氏を新大統領に選出する巨大なキャンペーンが展開されているが、
健康問題の急浮上で情勢が急変しつつある。

秋の臨時国会の最重要争点はTPPである。

安倍政権が共謀罪法案を臨時国会に提出する姿勢を示しているのは、TPPを
強行批准するための陽動作戦の可能性がある。

共謀罪に関心を引き付けておいて、TPP批准を強行する。

こんな戦術も透けて見える。

秋の臨時国会でのTPP批准は絶対に阻止する。

主権者とTPP阻止の政治勢力が連帯してTPP批准を必ず阻止しなければな
らない。

 
 
 
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