セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「愛人/ラマン」

2015-10-12 23:57:40 | 映画感想
 「愛人/ラマン」(「L'Amant」、1992年、仏・英)
   監督 ジャン・ジャック・アノー
   原作 マルグリット・デュラス
   脚本 ジェラール・ブラッシュ  ジャン・ジャック・アノー
   撮影 ロベール・フレス
   美術 タン・アット・ホアン
   音楽 ガブリエル・ヤレド
   出演 ジェーン・マーチ
       レオン・カーフェイ
       フレデリック・マイニンガー
       ジャンヌ・モロー(ナレーション)

 1930年頃の仏領インドシナ(ヴェトナム)。
 リセ(学校)の寄宿舎暮らしの15歳のフランス人少女が、留学帰りの裕福な華僑の息子(32)と出会う。
 少女の家は投資に失敗し家族は崩壊寸前、フランスへ帰る金も無い。
 男は家の財産を守る為の政略結婚を控えていた。
 少女は富と好奇心から男の誘いを受け入れる。
 逃げ場の無い二人は快楽の刹那に堕ちていった・・・。

 まぁ、「禁断の愛」ってヤツです。
 クラブ仲間が「娘が出来ると10代の娘見ても欲望を感じなくなるんだよね」
 彼は一番早く結婚し子供も最初に出来たのだけど、僕は10年後、彼の後を追って同じ感覚に嵌ってます。
 なのでロリ顔の娘が生々しいシーン演じてても「大人の女」みたいに話に没入出来ない。(笑)
 フランス人が仏領アジア辺りの話を作ると「エマニエル夫人」みたいな、信じられないアジア蔑視の作品を作るけど、これはそれ程酷くはなかった。 
 虚実入り乱れた二人の微妙な関係は描けてたと思います。

 終盤近く、ベット上で二人の会話、
 「もう一度言って欲しい、お金をくれるからここに来たと」
 「お金をくれるから、ここに来たのよ」
 「繰り返して・・・初めて会った時から私はお金の事しか考えていない」
 「初めて会った時から、お金のことしか考えてないわ」
 男が女に頬を寄せて
 「君は淫売だ・・娼婦だ」
 「そう言われても不愉快じゃないわ」
 女が誘う、しかし男が顔を背ける
 「もう君を抱けない・・・(僕を)愛してないから」
 この台詞は始めの方、高級車の中での会話、
 「僕が貧しい中国人だったら?」
 「お金持ちの貴方がいいわ」
 と対になってると思うのだけど、残念ながら、この映画の肝とも言えるシーンが他シーンと同テンションで浮彫りになってない。
 この時の二人が表現すべき台詞裏の複雑で微妙な感情は「それなり」に出来てるのだけど、それが強い印象とならず埋没してしまってる。
 解らないコトはないけど、サラッとやり過ぎた気がします。
 そこが残念かも。

 美術、撮影は良かったです。

※ちょっと倒錯LOVEに興味が沸いてたのですが、ここら辺で打ち止めかな。(笑)
 「セクレタリー」はまあまあ。
 「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」は最後の10分で全てぶち壊し(そこ迄は良かった、ヒロインも魅力有った)。
 「愛人/ラマン」悪くは無いけど微妙。(笑)
 そんな意図は全然無かったけど、(話作りの)色々なヒントは貰えたので無駄な時間にはならなかったような・・・。
※更新が途絶えてたのでチト無理矢理、記事を書きました。
 他にも「夏の遊び」、「さらば友よ」、「太陽はひとりぼっち」とか観てるのですが、どうも記事を書く気が起きなくて。

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 あの日より 時は止まりし 我がいのち 交わる汗に 真(まこと)あるとは

 2015.10.12
 DVD

 10.14 追記
 ※そう言えば我が国には、こんな戯れ歌があったっけ
 傾城に 真ありとは 誰言うた 恋はこいでも 金持ってこい
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