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大杉正明先生講演会

2007年03月09日 01時01分37秒 | weblog
 
 2月23日、四谷の弘済会館で大杉正明先生による「英会話の礼儀作法」という講演会が行われました。 この講演の案内を見るやいなや、内容はともかく「絶対に行こうっ!!」と思いました。 だって、大杉先生ってステキなんだもぉ~ん(*´д`*) NHKのテレビ英会話番組などで拝見する限り、ダンディーで、知的で、それでいて気取ってなくて。 もう、絶対にタイプ(*ノノ) それなのにあまり講演会をやるという話に出会ったことがない。 今回はほんとうれしかったわん。 

 とまぁ、そんな話はさておいて。 
 
 大杉先生のNHKラジオ英会話「ものしり英語塾」の冒頭はこんな挨拶から始まります。
 「私は案内人の大杉正明です。肩の力を抜いていただきましょう。ご一緒にしばらくの間ものしりの世界、英語の世界をお楽しみ下さい。」 今回の講演会もまさにそんな雰囲気で、大杉先生の経験談やジョークを交えたお話の中、楽しい時間が過ぎてゆきました。

 今回の講演会の内容は「英会話の礼儀作法」ということで、「英語でのコミュニケーション能力」として考えられる要素、

1) 言語的要素
2) 非言語的要素
3) コミュニケーションのための方略

のうち、2)、3)の内容に焦点を当ててお話をされました。 特に「相手にとっての politeness」、相手にとって、どういう行動や働きかけが丁寧で、礼儀正しいとされるのか、というお話です。

 例えば、3)コミュニケーションのための方略として、日本人はいちいち相手に聞くことなく、相手との状況や関係、その場面を理解したうえで行動をとる、大杉先生言うところの「わきまえ方式」で動いたり物事を話したりすることが多い。 「みなまでいうな。」という態度。
 それに対し欧米人は積極的に相手をほめたり、述べたり、いろいろ聞いたりすることでコミュニケーションをとろうとする、「働きかけ方式」で物事が進む。  
 したがって英語で欧米人と理解しあえるような会話、関係を持ちたいのなら、積極的に「働きかけ方式」をとってゆくよう努力しなければ、理解をしてもらえない。

 と言うような話の中で大杉先生は、「そうは言っても日本人だから、歯の浮くようなほめ言葉は言えないよねぇ。 日本人だって最近の若者はどこにわきまえがあるのか、とも思うし。 もぅ最近の若者はさぁ~~~」とどんどん違う話になっちゃったりして。w

 2)非言語的要素では
①ジェスチャー:相手に向かって「オッケーだよー」と手で丸印を送っても通じない。 国によってジェスチャーはいろいろ。
人前で口を隠して笑う日本人。隠すという行為が欧米人には否定的な印象を与える。

②不快な音:おそば、うどん、スパゲティー。 音を出して食べるか?
 上記を日本で食べるときは? 海外で食べるときは? 
 おそば、うどん、スパゲッティーで違いはあるか?
 おそばやうどんを音を出して食べるのは日本の文化、習慣でしょ。いいんじゃないの?
 じゃ、スパゲティーは? もともとイタリアでは音を出して食べないので、その国の習慣を重んじて、音を出さない? それはいい考え? それでも「べらんめぇ、こちとら日本人だ」と音を出す? 相手にとっての礼儀正しさを考えるとどちらがいい? 日本の習慣はこうだよ、と教えてあげることも親切では? 

 ここでは大学で一緒に仕事をするカナダ人の先生がハンカチでブーンと鼻を平気でかむ。しかも何回も同じハンカチでかむ。 「その面はさっき使ったでしょ。。。」と言いたくなってとか。w
 欧米人にとって、鼻をかむ音はそれほど不快ではなく、むしろ鼻をすする音が嫌われる。日本人は結構やるので気をつけて。 と言うお話もありました。

④身体的接触 : ハグ、キス、握手
 日本人:接触しない行為が礼儀正しさを表す。・
 欧米人:接触することが親愛、親密をあらわす。
 
 大杉先生ご夫妻と外国人のお友達が久しぶりに出会ったときのこと。 両方の奥さんが両方の相手方のご主人に握手とハグ、キス(ほほ)を行った。その後奥さん同士が行っているとき、大杉先生は「ぼくはこのご主人とハグ、キスするの?」と。 結局できなかった、というお話。 これも笑えたなぁ。


 このほかにもいろいろあったんですが、このくらいで。
 
 上記お話の中で大杉先生から、「こうしたほうがいいだろう」というお話はいくつかありましたが、「日本人だからこれがダメ。こうしなくてはダメ。」というお話はなさいませんでした。 
 むしろ、全体的に「そうは言っても日本人だからねぇ。」と言う部分を常に言っていらっしゃいました。 最後に結ばれた言葉も、結局は上記のような知識を持っていながら、自分のパーソナリティーと衝突しない程度に、融合させてゆくことが大切。 自分の個性だから、自国の文化だから、と主張してよいところもあるはず。 無理やり相手の文化、習慣に合わせるより、そうしないことを説明できる自分になることが大切、とおっしゃっていたのが印象的でした。 

 それにしても、ちょっと三枚目でダンディーな大杉先生、やっぱりステキだったわぁ。 外国人からは "Masaaki!" と呼ばれるより "Mr. Osugi." と呼ばれるほうが落ち着く歳になった、とおっしゃっていました。 「ミスターオースギ!」はいいけど「おすぎ、はやめてね。」だって。 あ~、どこまでもお茶目な先生。w