佐和隆光 『成熟化社会の経済倫理』

2016-05-24 15:50:57 | 日本経済

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日本は70年代から80年代にかけて異様な経済成長を達成し、世界の注目を集めました。

しかし91年の終盤にバブルがはじけてそのまま70年代から80年代のような成長軌道に戻すことはなく今にきています。

これはもうそのバブルがあってもなくても必然的に起こる現象であるという経済学者もいるくらいです。 そのことの是非はこの際に問いません。

しかし、前々から指摘されているように、日本人はもうすでに満ち足りてしまっていて、具体的にもう買いたいものがないのであって、これから先高度成長のような景気は戻ってこないのである、ということは心に留めておいていいでしょう。

先日、私はタイに行って帰ってきましたが、タイには「これから伸びていくぞう!」っていうようなエナジーが街から感じられました。

しかし、日本に帰ってきたときは停滞感が漂っているような感じがしました。

『資本主義の終わり』と題した本もありましたが、そうなるかどうかはわかりません。

景気が停滞すると、その処方箋として取られていたのは公共事業投資ですね。

公共事業は建設会社に発注され、建設会社は事業に執行に鉄、セメント、建設機械、労働力を購入します。 鉄鋼会社、セメント会社にまわったカネは、原材料費、労働賃金、償却費、金利、配当、税金として支払われ、残余は内部留保に回され、設備投資の原資となる。

労働者が受け取るカネから所得税を差し引いた可処分所得の過半は消費に回り、残余は住宅ローンの返済を含めての貯蓄となります。

こうしてカネは、次々と需要を誘発しながら市場を駆け巡りGNPの追加的な増加を誘うのです。

いろいろな理由がありますが、もう買いたいものがないがために、消費に回されるよりも貯蓄に回されるようになったこと。

建設の材料が海外に頼るようになったがために海外に漏出してしまうようになったこと。

モノづくりよりも、サービス、情報、ソフトウェアの生産の総額のほうが上回っている、
ということですね。

これまでの処方箋ではいけない、ということです。

この処方箋を創造したのは間違いなくケインズですね。

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ケインズ

失業や不況といった資本主義の病いを、政府の適切な財政金融政策によって治癒するということを考えたのです。

その思想の影響を受けたルーズヴェルト大統領は、30年代の初頭のアメリカで有名なニューディール政策を打ち出し、アメリカ経済を奈落の不況の底から救ったのです。

しかし、オイルショックに起因する経済成長の鈍化という予期せぬ事態にみまわれたがために国は「効率」へ基準を移さざるを得なかったのです。

その際に登場したのが、ネタリズム、供給重視の経済学、合理的期待形成学派であったのです。

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反ケインズの経済学に真っ先に飛びついたのが日本銀行金融研究所のエコノミストだったようですね。

マネタリストは、財政政策の有効性を認めない。

潜在的な生産力は、所与の労働力、資本、技術などによって決まるのであって労働市場の不均衡を解消するためのケインズの言う公共投資や金融緩和による需要誘発効果は需要超過を招きインフレを加速するだけである。

政策当局のやるべきことは、マネーサプライ(現金、要求払い預金、定期性預金、譲渡性預金の総和)の伸び率を一定の水準に保つことに尽きる。

マネーサプライをコントロールするための政策手段は公定歩合の引き上げと引き下げ、すなわち中央銀行にゆだねられた金利操作だけである、
というのがマネタリズムの言い分であるようです。

しかし、マネーサプライは資金需要と資金供給の変動に応じて決まるべき筋合いのものであり、そういう意図とは裏腹に、実際にはマネタアリストの言うようにはならなかったのです。

ニューディール政策70年代にほころびが出たのです。

すると、「大きな政府」(=政府が財政出動すること)がやり玉にあげられ、これこそがアメリカ経済の生産性低下の元凶とみなされたのです。 そして、問題の焦点が「失業と雇用」から「インフレ」に変わったのです。

そこで喧伝されたのが、ミルトンフリードマン「価格と賃金が変化すれば自動的に失業は解消される」という論でした。 しかしインフレになったにもかかわらず、ニクソン時代に貧困率が12%だったにも関わらず、レーガン時代には15%も上がってしまったのです。

では、 ケインズの理念は?」という論が出てもおかしくはなかったですが、遡上にのることはなかったのです。

ケインズによれば、 「政府は今こそ道路や鉄道などの輸送システムの整備、住宅整備、それに田園風景のアメニティの確保といったインフラストラクチャの整備をおこなうべきである」ということです。

何も建設業などの公共投資だけに投資しろなどとは言っていないのです。

これからわかることは、政策当局がすべきことは、何が今日本にとって必要かをリサーチし、それに投資をしていくことではないかということですね。

少子高齢化を迎えるに際し、やはりお年寄りが必要なこと買いそうなことに投資していく、というスタンスが必要でしょう。

そういったスタンスを今の政府に感じることはできません。

これまでのやり方を踏襲しているだけです。

これまで公共投資をしてきた、だからまた公共投資をする、というのではいけないでしょう。

これまでにやった事を踏襲するだけである、それが問題なのです。

不必要な公共工事に金がつかわれ、それが大きな原因となって国の借金は今や1000兆円以上になりました。

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前例主義でいることが日本の官僚の問題点なのです。

またこれにピンと来た人は、そのような事業を起こす、という気になってそれを具体的な行動に移すことも私は期待しているのです。

経済が良くなる、そのために期待を寄せるのは政策当局だけではないはずです。

この先、日本は苦難の道に行くでしょう。

やはり満ち足りた社会=成熟社会になってしまったのですから。

先行きはやはり70年代や80年代に比べて不透明なのは明白です。

ですから、このようなご時世で、マイホームの35年ローンを組むなんていうのはもってのほかです(笑)。

こういった規範の理論を本を読んで学ぶ必要があるのでしょう。

周りの人間がしているから自分もする、ではいけませんね。

人間は22世紀になっても23世紀になっても、ものを食べていかないと生きていけないのであるから、食物はいつの時代になっても売れるでしょう。

これから先は、物を売るのが中心ではなく、付加価値を売るのが中心になる時代であることは間違いないでしょう。

これも規範として覚えておいていいでしょう。

そういったことを学べる本として、この本も紹介しておきたいです。

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成熟化社会の経済倫理 (シリーズ現代の経済)

 

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