がちょうのうたがきこえてくるよ

最初に言っておく。私は、今、仮面ライダー沼にハマっている!!

墓参ツーリング

2009-07-13 | Wheels & Engines
雨が降らなきゃ、バイクで熱海に行く。
と、決めていたのですよ。
ずっとずっと行きたかった、友人の墓参りです。
たぶん、この先、年に一度の恒例行事になるであろう、それの第一回目。
共通の友人と二人で、今年に入ってから、いつ行くかをずっと話し合っていたのですが、命日が2月なのに、今頃となってしまったのでした。日本GPが春になったことがあって、私の方が時間を取れなかったのです。

去年、30歳の若さで急な病に倒れてなくなってしまった友人は、プログレとヤマハSRを愛する、仏様のように優しい女の子でした。本当に、笑った顔と驚いた顔しか思い出せないくらい、温厚で素直で、皆に愛されていました。
私とは、まったく性質の違う子だったのですが、不思議と話が合うのは、音楽の趣味が近かったことやバイク乗りであるという共通点だけではなかったと思います。
とにかく、大切な友人で、大好きな友人で、亡くなってしまったことが、いまだに半分くらい受け入れられてない気がします。
だから、墓参りに行くのです。
もう、いないんだってことを自分に分からせるために熱海に行くのです。

幸い雨の様子はなく、午後5時、日曜日の勤務終了後、グースで熱海へ向かいました。
時間優先で有料道路を使いまくって、3時間弱で到着。でも、厚木ICを通り過ぎ、大井松田ICまで突っ走ったのは内緒です。
真っ暗な海岸線(西湘バイパス+真鶴道路+R135)は、けっこうスリリングで、前を行く車をペースメーカーにして、ぴったりくっついて熱海まで引っ張ってもらいました。
連れの友人(彼女は電車利用。)とは予約していたホテルで現地集合。
夜の海を堪能し、飯を食い、ビールを飲み、温泉に入り、他愛のないことを喋り、午前2時就寝。
まぁ、副次的な目的として「温泉」というのが外せない熱海。源泉掛け流しのお湯はとろんしていてしょっぱくて、至福でありました。もちろん、朝風呂にも入りました。
翌朝は、秘宝館のあるあたりまで歩いて散歩。
熱海の似非南国っぷりと哀愁たっぷりの寂れた町並み、そして、まだ茜に染まる前のトンボの群れを堪能しました。
梅雨明け間近の海岸は、けだるくどんよりとした雲に覆われ、それでも、もう太陽は夏のそれでしかなく、中途半端な熱気にボーッと意識が遠くなるような気がしました。白昼夢でも見ているような感覚で、秘宝館の入り口ロープウェイでドンチャックの看板を見たときは、そのユルい空気にクラッとしました。その後、さらに、ダイドーの自販機で「アメリカンコーヒー」という350mlの缶コーヒーや1000mlペットボトルのMIUを見て、もう、トリップ寸前、ダウナー系脳内麻薬が大量放出でした。



そして、お昼を回り、墓参りへ。
事前にかの友人の実家には連絡を取ってあり、熱海駅まで迎えにきて下さるということだったので、電話をかけたところ、お昼を一緒に、という話になり、ご両親といっしょに海鮮料理の店で海鮮ミックスフライ定食を食べました。お昼を食べてから行く予定だったのですが、地元の人に連れて行ってもらうお店というのは、確実ですね。あんなに美味しい魚介のフライは久々でした。
本当なら、月に一度とか、娘さんとこうして外食してるはずなんだよなぁ...と思うと複雑で、特に親子仲が良かったのは知っているので、ひとしおにグッとくるものが。
食事の後は、自宅にバイクを置かせてもらって、お墓へ。
海の見えるステキなお墓なのですが、やっぱりね、お墓を見ると、彼女が亡くなってしまったことが本当なんだって、思いしらされるような気がして、ちょっと泣きそうになりました。やっぱり、まだ辛いです。でも、そんな自分に比して、ご両親の心中はいかばかりかとも思いました。とてもニコニコと明るく迎えてくれて、でも、きっと、辛くて悲しいというのは一生消えないくらい大きいのかもしれない、そう思ったら、それも辛かったです。
とはいえ、お話をしていると、私たちが知っていた彼女とご両親が知っていらっしゃった彼女には、少しギャップがあって、なんというか、お互いに「ああ、そうだったのか」と。家族の一人が亡くなると、友人だった人から、意外なことを聞くことが多々あります。それは、なんというか、一人の人間が一個の物語になる過程というか、思い出にする作業というか、やっぱり、そうゆう積み重ねでしか、故人の死を昇華できないのだと思います。これは、ノリックが亡くなった時にも思ったことなんですが。

自宅で仏壇にお線香をあげさせてもらって、お茶をいただいてから、5時前においとましました。
おうちが犬伏峠のそばにあるため、そこから伊豆スカ~箱根ターンパイク経由で小田原厚木道路へ。
...ターンパイク、濃霧でした。おまけに風も強くて、ね。(汗)
でも、そうゆう逆境でバイクに乗るのも、また楽しいものです。クネクネした道は好きなんですが、基本、飛ばすタイプではないし、それはそれで楽しい、と。しかし、VTR250の時は楽に乗れてた峠ですが、グースは安定性に欠けるせいか、扱いにくい...でも、うまく曲がれたときは気持ちよかったし、なんとかなめらかに乗ろうと努力するのが楽しかったですね。
考えてみたら、グースでは初峠。もっと連れてきてあげなきゃな!と思いました。
今度は天気のいい時に!

無事帰宅しました。
家族や友人は、亡くなると天使になってくれるのだと思っています。
それは、常に見守ってくれている存在で、時にふと現れ、なにかを耳元でささやいてくれることがあります。
困っているときや迷っているときに助けてくれるのです。
そう思っています。
それは、攻殻機動隊のような話ですが、残されたものは、そんな気がして救われるのです。

本当は、これからも一緒に伊豆・箱根の峠を走るはずでした。本当はもっとたくさん音楽やバイクの話をするはずでした。もっともっと楽しいこといっぱいあるはずでした。
思い出を思い出せなくなる日が来るかもしれませんが、思い出は大切にして、ときどき彼女を思い出して泣いたりしたいと思います。そして、また来年も熱海に行くのです。

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