ふわふわ気分で

舞台、シネマ、藤原竜也くん、長谷川博己くん、成河くんのことなど気ままに・・・

「研辰の討たれ」おもしろい~

2007-11-02 | 演劇

野田版「研辰の討たれ」DVDを観ました。
おもしろかった~

あらすじ
研屋(とぎや)から武士になった守山辰次(中村勘九郎・現勘三郎)は、
家老の平井市郎右衛門(坂東三津五郎)に恥をかかされる。
その仕返しにからくり人形を仕掛けると、市郎右衛門は脳卒中を起こし、死去。
その息子たち九市郎(市川染五郎)と才次郎(中村勘太郎)は、
敵討ちのために辰次を追い、道後温泉で見つけるのだが・・・


2001年8月歌舞伎座で収録されたものです。
勘三郎さんは襲名前の勘九郎さん。
ちょっと若くて、動きもすばやい感じ。

歌舞伎というより、野田秀樹さんの舞台そのものです。
芝居の流れがいいし、話もおもしろい。
退屈しませんね。

大勢の人が動いて芝居をしたり、声を合わせてせりふを言ったり、めずらしいです。
歌舞伎にはない感じ。
みなさん、動きがすごくきれいです。
動きに無駄なところがないからでしょうか。
さすがに、長年歌舞伎を演じている方って、ちがいます。

第3場の道後温泉蔦屋の場のダンスシーンが、最高でした。
歌舞伎役者のみなさんも楽しそう。
暗闇で、勘太郎さんだったかな刀を抜いて、染五郎さんと勘九郎さんが、
すんでのところで身をかわす、ってのも、
スピード感あって、ドキドキでした。

染五郎さんが戸を開けて、勘九郎さんの首をはさんでしまうってのも、
よくあるギャグだけど、面白かった。
タイミングがすごくお上手です。

第4場の峠の場も、見せ場がいろいろありました。
辰次の赤いしごき(幅のあるひも風)が長くなり、
ロープになって、頭上の高さで、上手から下手まで伸びます。
花道からは白い布も伸びて。
二本の布を使って、追いかけっこです。おもしろ~い。

画面字幕の解説によると、
「畚(ふいご)渡し」の場面だそうです。
これは「仇討ち物」には欠かせないんですって。
畚とは、谷に綱を張り、竹や藁を編んで運ぶ、かごのような道具だそうです。

この場では、片手を布にかけて、人間ロープウエイみたい。
辰次を追いかけて、平井兄弟がゆらゆらした動きで進みました。
追いつめられた辰次がロープを切ったので、ふたりは落ちてゆき、
くるくる回って、松の木にひっかかるんです。
松の柄の扇子と迷彩色の黒子さんで、松の木。
こういうセンス、野田さん、ステキですよ~

敵討ちの場でも、大勢の人が仇討ちに肯定したり、否定したり。
その場の流れで変化する、無責任な民衆のありさまも描かれています。
根底には野田さんの世間に対する批判も感じられ、
楽しいだけの舞台には、なってないです。

シネマ歌舞伎になって、来年1月から東京、大阪、京都で上映されるそう。
大きな画面で見たほうが、迫力ありそう。
はい、楽しみですね