ふわふわ気分で

舞台、シネマ、藤原竜也くん、長谷川博己くん、成河くんのことなど気ままに・・・

「THE BEE」ロンドンバージョン千秋楽

2007-07-31 | 演劇

「THE BEE」ロンドンバージョン千秋楽観ました。
感激ものでした。
あ~観てよかった・・・

原作:筒井康隆「毟りあい」より
共同脚本:野田秀樹&コリン・ティーバン
演出:野田秀樹
美術:ミリアム・ブータ
出演:キャサリン・ハンター、野田秀樹、グリン・プリチャード、トニー・ベル
三軒茶屋 シアタートラム 29日千秋楽観劇

あらすじ
会社員、井戸(ハンター)が帰宅しようとすると、
脱獄囚、小古呂が井戸の妻子を人質に立てこもっているという。
井戸は、小古呂の妻(野田)に小古呂の説得を頼みにいくが、小古呂の妻子を人質に立てこもることに・・・
井戸の暴力はエスカレートしていく。


ロンドンバージョン観ました。
ロンドンバージョンの方が圧倒的によかったですねぇ。

表現の幅が広いというのかな。
こまかな感情の機微が感じられました。
一度日本版を観て、筋とかわかってるから、
こまかなところまでが、よく理解できるせいかもしれないけど。

いやぁそれにしても、キャサリンハンターさんスゴいです。
身体能力がスゴイ。
感情表現の幅がぶあつい、って感じしました。
さすが、ロンドンの役者です。
ロンドンって、みんなあのレベルなのかね~
あれから比べたら、日本の演劇ほとんど学芸会・・・

今日のは絶対観てない人が損してるよね。
ん?演劇は損得じゃないって・・・
はいはい。

野田さんも女役の方がよかった。
「贋作・罪と罰」の時みたいに、わざと作ってるって感じしなかったです。
男を女性が、女を男性が取り違えて演じる方が、演劇的に深くなるのかと思いましたね。
終わりの方で、残虐行為と日常生活がパターン化していくところ、
小古呂の妻が井戸の手をとって、ベッドにさそうあたり、ぞくっとしましたね。
野田さん目がイッちゃってるし・・・
濡れ場も、男と女が役を取り替えて演じているせいか、
妙な生々しさがないし・・・野田さんのお祈りしているみたいな手がちょっと怖かった。

舞台装置は日本バージョンでは、紙を使ったけど、
ロンドンバージョンでは、ミラーとゴム。
マジックミラーの向こうの百百山警部の動きが、透けて見えるのもおもしろいアイデアだった。
ミラー越しの、百百山が別の場に座っているというのは、
「ロープ」のユダヤ人の社長を連想しましたね。
そうか、裏にいる人かと思ったら、なんか、コワくなりました。

残虐行為が続くところでは、封筒の配達人にすぎない百百山警部。
ミラーを通して、百百山の感情のない動きが見通せて、
指入りの封筒を運ぶ律儀さが、哀れで悲しい。

ラストでは、井戸の絶望感がビンビン伝わってきて、涙が出てきました。
あ、この絶望感って、戦争が続く世界に対するものと同じかなって・・・

野田さんもハンターさんも風邪かな。ちょっと声が辛そうでした。
スゴイ舞台、お疲れさまでした
カテコは何度あったんだろう。
熱い拍手がいつまでも続きました。

野田さんの死体って「ロープ」と同じように片手挙げスタイルなんですね。
発見しましたよ~
ふふ・・・