大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

友愛労働歴史館

2015年07月10日 | 労働者福祉
昨日は千葉県で「労福協東部ブロック幹事会&代表者会議」が開催されました。
会議では参加者による「労働者自主福祉運動」についての思いをそれぞれ自由に語ってもらう時間があって、非常に有意義な時間を持てました。
夜の懇親の場でも耳寄りな情報をもらい、その情報を元にして、東京都港区にある「友愛労働歴史館」を訪ねることとしました。

新装なる友愛会館へは初めて入ります。
ここには「日本労働運動発祥の地」石碑と「ユニテリアン協会・惟一館」煉瓦跡があります。
まさしく日本の労働運動発祥の地です。
この友愛会館の8階に「友愛労働歴史館」があります。

残念ながらこの資料館ではあまり協同組合の歴史資料は残されていませんでしたが、高野房太郎や片山潜らにより結成された「労働組合期成会」以降の労働運動の歴史資料が整理されわかりやすく紹介されていました。
興味あるかたはぜひ見学されるとよいでしょう。

労働者自主福祉運動のすすめ(2)

2015年07月09日 | 労働者福祉
Q1 労働者自主福祉運動とは何ですか?



戦後、最初に「労働者福祉」を定義したのは、1960年に労働団体と労働者自主福祉団体により編集された『労働運動と福祉活動』であるとされています。
その中で「労働者福祉」とは「企業の枠を超え、労働者の組織と資金で運営を行っている自主的な事業運動」と規定しています。
これは、労働組合等によりに設立されてきた生活協同組合、労働金庫、全労済など、共助組織である事業団体およびその活動を意味するもので、「労働者福祉」と「労働者自主福祉」は同じ意味で使っています。

一方、運動団体である中央労福協(当時は「労働福祉中央協議会)」は、1962年、労働者自主福祉事業を労働運動の一環として統一して位置づけるため「労働者福祉の概念」を提起しました。
ここでは、「労働者福祉運動」を(1)政府に対する社会保障充実の取り組み、(2)企業内福祉要求、そして(3)労働者自主福祉団体による事業を含むものとして定義しました。
いわば、「労働者福祉運動」は、すべての労働者を対象とした年金等の社会保障制度要求行動とともに、労働者自主福祉事業の取り組みを含む広い概念としてとらえています。
この提起は、12年の議論を経て1974年に確認された、「労働者福祉運動の基本理念と労福協のあり方」に引き継がれました。

日本女子大学名誉教授の高木郁郎氏は、「労働者福祉」を人々の「幸福追求権」(憲法第13条)から言及し、「福祉の対象者としての労働者と、福祉の主体としての労働者の両面を兼ね備えなくてはならない。この両面を備えてこそ、個々の労働者が幸福を追求するための社会的な支援システムとしての実態を形成する」としています。
つまり、「労働者福祉運動」とは、個々の労働者が日常的に幸福を追求することができるような福祉の体制(労働者のための福祉)を労働者自身が関与して(労働者による福祉)つくり上げていく運動でなくてはならないとしています。


私たちは、「労働者福祉運動」と「労働者自主福祉運動」を同義とし、働く者の「安心・共生の福祉社会」にむけて取り組む「労働者による」「労働者のため」の運動ととらえます。
しかし、これらの多様な諸課題を労働組合、労働者自主福祉団体だけで担うことはできません。
課題によっては、制度の充実を政府、自治体に求めるもの、労働組合が使用者に求めるもの、労働者自主福祉事業がそのニーズに対応すること、協同組合間の協同、NPOなど連帯組織と連携して行うこと、民間企業およびそのCSRに期待するもの、など複線型の手法で解決をめざさなくてはなりません。

そのためには、多様な団体とネットワークを作り、労働者の主体的取り組みの中で、労働者の「福祉」イコール幸せの実現に取り組んでいくことが労働者自主福祉運動と考えます。
このため、私たちは労働組合と労働者自主福祉事業団体の連携を強化し、それぞれの持つ特性、役割を発揮するとともに、多様な市民団体とのネットワークを進め、労働者自主福祉運動を進めています。


労働者自主福祉運動のすすめ(1)

2015年07月08日 | 労働者福祉
中央労福協は、結成60周年にあたる2009年、「労福協の理念と2020年ビジョン」を採択し、10年後の私たちのめざす社会像として「連帯・協同でつくる安心・共生の福祉社会」を提示しました。

この「2020年ビジョン」は、これまでの労働者自主福祉運動の歴史を踏まえ、労働組合、労働者自主福祉事業団体(協同組合)が共にその役割を発揮し、新自由主義政策のもと、地域、職場で分断されてきた人と人との関係をつなぎ、持続可能な社会をめざそうとするものです。


下記の小冊子は、このような問題意識のもとに中央労福協が作成したものです。

この小冊子をもとにして、ひとりでも多くの方々に「労働者自主福祉運動」を理解していただくため、根が続く限り「語り部育成ゼミ」で学んだことも織り込みながら、副教材としても使えるようブログ記事でまとめていきたいと思います。

語り部卒塾生の個人的悩み

2015年07月07日 | 労働者福祉
6月11日の特別講座をもってすべての「語り部育成ゼミ」が終了しました。
7月6日にはこれまでのゼミ風景を撮影したビデオの編集会議。
近いうちに「語り部1000人PJ」のプレゼンができるようにと有志3人で頑張っています。

個人的にはこれまでの高橋メモを参考にしながら、なんとか2期生以降にも役立つような参考書をつくろうと考えましたが、これが半端ないほどの難問です。
振り返れば振り返るほど、あらためてそのボリュームに圧倒されています。
そこであまり欲張ることは考えずに、個人的ファイルという軽いノリで進めていこうと考えました。

中心軸に中央労福協が作成した学習資料「労働者自主福祉運動のすすめ」を置き、そこから派生した「静岡県の労働者自主福祉運動の実践」を書きとめようと思います。

日本女子大学名誉教授の高木郁郎氏は、「労働者福祉」を人々の「幸福追求権」(憲法第13条)から言及しています。
(憲法第13条:すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする)
「労働者福祉」について高木氏は、福祉の対象者としての労働者と、福祉の主体としての労働者の両面を兼ね備えていなくてはならないとしています。
「福祉」と聞くとどこか受身の感覚で受け止める人がいますが、決してそうではありません。
「労働者福祉運動」とは「労働者のための福祉」を労働者自身が関与して「労働者による福祉」としてつくりあげていく運動でなくてはなりません。
それこそ個々の労働者が、日常的に幸福を追求することができるような福祉の体制です。
簡単にわかりやすく言えば「庶民の助け合いの制度」ですね。

ギリシャ国民の選択

2015年07月06日 | 経済
ギリシャがEUの金融支援を受けるためには財政再建策に応じなければなりません。
その選択をギリシャのチプラス首相は7月5日の国民投票に委ねました。
その結果は反対多数(応じない61%)でしたから、事態はますます混沌としてきました。

ひとつの区切りとして、この5年間ほどの流れを過去ブログから追ってみました。

2010年6月7日:「BRIC'SとPIIG'S」…BRIC'Sは成長国家、PIIGS(ポルトガル・アイルランド・イタリア・ギリシャ・スペイン)は財政悪化国家
2011年9月24日:「歴史の教訓
2012年1月18日:「EUの夢はどこへ向かうのか
2012年5月8日:「民主制の危うさ
2013年2月26日:「嫌われた政治の結末
2013年3月21日:「信じられない預金課税
2014年4月9日:「アウトサイダー・ブロック
2014年6月3日:「EUの憂鬱
2015年1月27日:「どこへ向かうのか

こうしてロングランに事態を眺めてみると、マスコミだけの情報では見えないところがよく見えてきます。
時間がある方はざっと眺めておいても損はないと思いますよ。