南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

民主制の危うさ

2012-05-08 17:17:04 | 経済
フランス大統領にオランド氏が選ばれ、ギリシャ総選挙では与党が過半数割れを起こし、世界中に激震が走っています。
欧州全体に広がる債務危機に対応すべく、財政緊縮政策を重視したフランスとギリシャ政府の政策選択に、両国民がNOを突きつけたからです。
これによって限りなくギリシャ国債デフォルトの危険性が高まったともいえます。
それがユーロの崩壊につながる可能性も出てきます。

本日の日経新聞「経済教室」に興味ある記事が掲載されていました。
それは「民主制は国債に流れる」というものです。
民主制ではどうしても国民に不人気な政策は採りづらい性格があります。
増税などはその典型的なものでありますから、増税する代わりに政府は「借り入れ」という形で資金を調達します。
これが「国債」ですが、そもそも「国債」とは主に戦費調達の手段として表舞台に登場しました。
戦費を長期国債で賄ってきたイギリスでは18世紀半ばとナポレオン戦争終焉期と比較すると名目国債残高は10倍に膨れ上がり、米国では第1次世界大戦前と終戦後を比較すると25倍以上に膨れ上がりました。
もっとも戦争の場合、戦勝国はその返済を敗戦国に押し付けたり、植民地化して回収しましたから、自国民へのツケには回りませんでした。

記事本文のなかで「国債の累積が進むと公信用が崩壊する可能性がある」と指摘されています。
そして公信用の崩壊には3つのシナリオがあるとこう述べています。
ひとつは「医者がもとで死亡するケース」、すなわち国債の買い手がつかなくなり死亡するというケースです。
ふたつめは「自然死」、政府がデフォルトし国債が単なる紙切れになるケースです。
みっつめが「暴力死」、国が債務累積で身動きが取れなくなり、国も国債保有者も征服者のなすがままになり滅亡するケースです。
選択の責任は国民にあることは間違いありません。
欧州の行く末を他人事でなく見つめていくことが大切だと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿