大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

静岡労済第60回通常総代会

2015年07月30日 | 労働者福祉
静岡労済(全労済)の総代会がありました。
今年も昨年と同様のご挨拶をさせていただきました。

「…全労済の原点とは何か?
保険と共済の違いは何か?
昨年からずっとそのことを考えてきました。
みなさんも一緒に考えて欲しい、「共済の心」とは何ですか?その「心」を具現化している「モノ」は何ですか?

保険会社もなかった明治初期から「助け合い」としての「講」が我が国にはありました。
二宮尊徳の「五常講」はお金を貸し借りする「講」ですから、今の「労金」のルーツです。
同様に生命保険や火災保険に似た「講」も存在していました。
その数や4千を超えたとも言いますから、なかには悪質なものもあった模様です。
例えば、新潟や長野で流行した「死ね死ね講」。
500人または1000人の「講」をつくり、会員が亡くなると10銭か15銭集めます。
3分の2を遺族に渡し、3分の1は「親(講元)」が取る仕組みで、大流行したそうです。
暴利にも驚きますが、会員同士の「信頼」があればこその仕組みですから、信頼が裏切られて多くの被害者が生まれました。

明治33年に「保険業法」が制定されて、このような「講」は違法保険として取り締まられますが、正規の「保険」は保険料が高くて庶民には手が出ませんでした。
そのため結局、安易にできるシンプルな「違法保険」は無くなりませんでした。
戦後、先人たちの運動によって「農業協同組合法」と「消費生活協同組合法」が制定され、現在の「共済制度」が誕生します。
ようやく労働者にも「万一の場合の備え」ができるようになりました。

保険事業の第一目的は「利潤の追求」にあります。
儲からない保険会社はいとも簡単に破綻していきます。
1997年、日産生命が戦後初めて破綻しました。
その後、わずか4年間で7つの生保会社が破綻し、そのすべてが「外資」に飲み込まれました。
経営破綻の原因は過当な低コストでの「地獄への競争」と、それを可とする「資産運用」の失敗です。
日本の生保会社もバブル経済に加担していたのであります。

共済事業の第一目的は「社会的支え合い」にあります。
私たちの戦いは、「助け合い・支え合い」の原点の戦いであり、そこは組合員との「相互信頼」がなければ成り立ちません。
「助け合い・支え合い」そして「相互信頼」こそが、協同組合の原点でもあり、「労働者自主福祉運動」の原点でもあります。
「共済の心」をしっかりと掴んで、自信を持ってこの道を邁進しましょう」