南町の独り言

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嫌われた政治の結末

2013-02-26 18:11:57 | 政治
イタリアの総選挙結果で混乱が生じています。
債務危機で国債価格が急落し金融危機に陥ったイタリアの財政再建を果たすためには、どうしても雇用不安や失業増などの痛みを伴う緊縮策が求められます。
しかしその実行には民主主義の社会にあっては有権者の選択が必要です。

26日開票結果は、米国や日本と同様の“ねじれ”現象を産みだしてしまいました。
下院は緊縮財政派が385、反緊縮派が232でした。
上院では逆に反緊縮派が170で、緊縮派が131です。
イタリアでは上院・下院に同等の権限が与えられていますので、大連立を組む以外に安定政権は成り立ちません。
しかしこの大連立成立には相当の無理があります。

大躍進を遂げた「五つ星運動」は、日本でいう「維新の会」に似た新しい政党で、既存政党批判で得票を伸ばしました。
反緊縮派ですが、同様に反緊縮派の「中道派右派連合」のベルルスコーニ前首相のスキャンダルを餌にして、国民の政治家不信や不満も吸収しました。
同じ反緊縮派ながら連立は考えられませんし、仮に連立しても下院では過半数を得られません。
もちろん緊縮派(中道左派連合)と反緊縮派(中道右派連合)の連立もあり得ません。
この選挙結果を受けて再びユーロ不安が増大しています。

米国の“ねじれ”現象も再び「財政の崖」問題を表面化させようとしています。
日本の円安を批判したくても米ドルを買ってくれることを非難できませんし、本音を言えば世界中でもっと米ドルを買ってもらわないと国がつぶれてしまう米国の実態。
ここでもどうしようもない政治ジレンマが起こっています。

アベノミクスもこの世界の動きには対処しようもありません。
政治(家)がどんなに嫌われようとも、私たちは決して本質を見失ってはなりません。

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