栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

合併でサービスが落ちた西日本シティ銀

2004-11-13 10:11:41 | 視点
 西日本銀行と福岡シティ銀行が合併し、どうなるのか注目していた点がある。
それは窓口サービスの問題だ。
私が住んでいる福岡市南区の町内には福岡シティ銀行と西日本銀行の2つがあり、福岡シティ銀は機械による番号札制を導入しているが、西銀は導入してなかった。
規模は良好ともほぼ同じ。客数も同じか西銀の方がわずかに多い程度である。
ところが、両行の窓口サービス(この場合は事務処理スピード)を比べると明らかに西銀の方が速かった。

 本来、番号札機の導入は窓口業務の煩雑さを避け、顧客サービスを充実させるために行ったものである。
ところがそれ程忙しくない支店窓口では番号機の導入が逆効果を招いていることがよくある。
同じ町内の福岡シティ銀がそうだった。
客はいないにもかかわらず「番号札をお取り下さい」と窓口の行員が言うし、閉店間際で多くの客が待っているにもかかわらず、窓口行員は事務処理スピードを上げようとしないばかりか、バックヤードの男性行員もノンビリと自分の仕事をしていて手伝おうとしない。
こんな銀行こそリストラをどんどんやって欲しいものだ。

 結局、目の前に客がいないから、急がなければという緊迫感がないのだ。
その点、西銀は支店の顧客数に応じて番号札機を導入しているようで、さほど忙しくないというか、暇な我が町内の支店には番号機を導入していなかった。
 それが、両行合併後に窓口に行くと、驚いたことに番号機が導入されていたのだ。
もちろん、同じ町内の旧福岡シティ銀の支店もまだ開いたままだから、合併で西銀に客が増えたということは考えられない。

 さて、番号札機導入の結果である。
窓口の処理スピードは明らかに落ちていた。
これほど見事にスローダウンするのかと思った程だ。
なぜ、いままで番号札機がないところに新規に導入したのか、その理由が分からない。いずれ支店の統廃合で番号札機が余るのは分かり切っているのに。
合理化ならぬ不合理化。
合併は本来の目的を達するまでにこの種の不合理化や、様々な無駄遣い、サービスの低下を起こしていくのだろう。
そして内部ではお決まりの派閥争いの激化・・・。
彼らの目が顧客たる預金者の方に向くことは果たしてこれから先あるのだろうか。