栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

高速道路無料化は必要ない。

2009-09-02 23:58:06 | 視点
 いよいよ民主党政権が誕生することになった。

民主も自民も選挙目当てのばらまき政策を打ち出していたが、いざ政権を取ってみると財源問題が現実のものとして民主党にのし掛かってくる。

マニフェストも精査すれば矛盾する政策が結構書かれている。そういう意味では選挙目当てのバラ色政策と批判されても仕方ない分がある。

高速道路の無料化と二酸化炭素の排出削減もその一つだ。

民主党はマニフェストで高速道路の段階的な無料化を挙げているが、その一方で二酸化炭素排出量を2020年までに25%削減(1990年比)する方針を掲げている。

自民党の15%を大幅に上回る削減である。

かなり思い切ったやり方をやらないとこの数字は達成できないだろう。

その一方で高速道路を段階的とはいえ無料化し、さらにガソリン税の暫定税率廃止も打ち出している。

これらは自動車利用促進政策、すなわち二酸化炭素排出促進につながるもので、両者は相矛盾する政策である。

高速道路は現行の土日祝日1,000円でいい。

最低限の財源確保も必要だ。

被災地からのレポート(4)--心のケアが必要

2009-09-02 17:49:49 | 視点
 美作市・佐用町豪雨水害で、佐用町に住む70代の女性が被災数日後、自ら命を絶った。将来を不安視しての自殺と思われる。こうした悲劇が起きる度に「心のケアが重要」という言葉がいわれる。では、本当に必要な心のケアとは何なのか。どのようにすればいいのだろうか。

◆話すことで不安解消に

 あまりにも悲しい出来事だった。とても他人事とは思えなかった。
家を新築して1年ぐらいだったらしい。4人家族と新聞に載っていたから、同居かどうかは別にして、家族はいたと思われる。それなのになぜ。なにも死ななくても、と思うが、軽々しくそんな言葉はいえない。もしかすると母もそうなったかもしれないし、被災者誰もにその危険性があったからだ。
 地方の町はいずこも過疎化、高齢化が進み、残っているのは高齢者ばかり。その上、独居か2人住まいだ。家族はいても多くが離れた都会に住んでいる。被災直後は帰ってきても、いずれそれぞれの居住地に帰る。後に残るのは寂寥感と、なにもかも失った絶望感。誰がこの気持ちを共有してくれるのか・・・。それで将来に絶望するなとはいえない。それでもなおかつ命を絶つのは待って、といいたい。

 「被災者の心のケア」とはよくいわれる。
しかし、それがなぜ必要なのか、心のケアとは何なのかは、実のところよく分かっていなかった。今回、母が被災者になるまでは。
そして、この言葉がいわれるほどには実施されていない
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◆あなたの気持ちが欲しい

「わたしゃ、あなたの心が欲しい、というのは恋人同士の台詞だよ」

「皇后陛下が被災地を見舞われて、よく言っているだろうが。手を取って『頑張って、頑張って』と。あれでいいのよ。モノじゃないの。気持ち。気持ちを表してもらえばいいのよ」



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