栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

「有田(焼)ブランドをどうするのか」と題して講演

2009-09-12 22:53:51 | 視点
 10日、有田窯業技術センターで「伝統産業企業の現状と挑戦 ~ 有田(焼)ブランドをどうするのか ~」と題して講演した。
 主催は有田ニューセラミック研究会で、会員企業向けのセミナーだ。
第1回目「伝統産業企業の現状と挑戦 ~ 有田(焼)ブランドをどうするのか ~」
第2回目「有田(焼)ブランドを再構築する経営戦略とは」
第3回目「有田陶磁器産業の進むべき道」
 9月、11月、2月と年度内に3回行う計画。

 有田ニューセラミック研究会では2年前に一度話をさせてもらったことがあり、今回は2度目。
しかも、一度だけの講演という形ではなく、3回通して参加者全員とディスカッションできるような形のものにして欲しいということであり、過去、いろんな講師が講演した中で、この大役に私が選ばれたのは光栄である。

 会場について最初にお願いしたのは、机の配置をスクール形式ではなくロの字型に並べて欲しいということだった。
 スクール形式の配置だと講師が一方的に喋り、質疑応答の時間があるにしても、参加者は黙って聞くという形になり、問題意識を参加者全員が共有するという方向にはなりにくいのが欠点。
 その点、ロの字型の配置だと上下がなく、また発言者の顔を皆が見ながら聴くことができるので議論も活発になる。

 会場に着くや否や机の配置のことをお願いすると、「机はロの字にしています」という返答が返ってきた。
 有田ニューセラミック研究会の会長、共立エレックス(株)の西山社長の提案ですでにその配置にしてあったのだ。
 このやり取りで、今回のセミナーはうまく行くなという予感がした。
以心伝心ではないが、セミナーの趣旨、方向性に対し、会のトップと講師の私が考えを共有していると分かったからだ。
ここまで一致することは数少ないが、こういう時はどこでもセミナーが盛り上がる。

 さて、いずこでも伝統産業といわれるものは非常に苦戦している。
そこで1回目は伝統産業の地盤沈下をブランド戦略という角度から見てみようと、他地域の例も話しながら、「有田」という地域と、「有田焼」という商品の2つのブランドについて、皆さんに考えてもらった。

 そもそも有田焼とは何なのか。
昔は伊万里焼といわれた。
域外では波佐見焼も有田焼として売られていることもある。
有田焼にブランド力はあるのかないのか。
有田に人を惹き付ける魅力がないのが問題ではないか。
春の陶器市の功罪
もう少し有田という地域魅力をPRする必要があるのではないか。
その中で有田焼に触れてもらうということが必要ではないか。

 そんな問題提起をしながら2時間はあっという間に過ぎ、時間をすでに超過しているのでこれ以降の質問、発言は懇親会場でして欲しいと、主催者が閉めたほどだった。



 懇親会は有田ポーセリンパーク内の居酒屋(?)。
ここでも話はさらに深まり、2回目以降の方向性も議論されるなど、かつてないほど有意義なセミナーになった。

 この後、西山会長ほかに誘われ2次会に。
私の宿泊ホテルが武雄駅前のビジネスホテルと知ると、「じゃあ武雄で飲もう」とホテルに近い場所を2次会会場にするなど色々便宜を図っていただいた。
 2次会まで参加したのは5人だったが、その場でも有田の将来のこと、次回はもっとこんな連中にも参加させようと熱い議論が大いに交わされた。

 いままでいろんな所に講師で呼ばれたが今回ほど皆さんが真面目で、最後まで熱い議論を交わしたのは有田が初めてだ。
 当初は日帰りする予定だったが、せっかくの機会だから、翌日、窯元を含め何社か訪問しようと思い、宿泊することに変えたのは正解だった。


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