酒造り日記

佐賀県の天吹(あまぶき)酒造の酒造り日記

ごろごろ。

2007-01-22 11:19:45 | ぶちょ~


今日はとてもいい天気です。
日向でごろごろしたいです。

今日の作業は、出麹、22号添仕込、21号仲仕込、洗米、酵母培養などです。
基本的に酒蔵の仕事は、言葉で書くと同じような事の繰り返しなのですが、お米の品種が変わったり、精米歩合が変わったり、酵母が変わったり、同じようで毎日違う作業なのです。

今日の画像は、蔵猫ちゃんの写真です。
この蔵猫ちゃん、私が蔵に帰ってきた年に、蔵のタンクの上で生まれたのです!
この蔵猫ちゃんの何処が素晴らしいかと申しますと、甘え上手な所と、造り中に蔵の中には入ってこない事なのです!
造り中は撫でてあげられないのが残念です。
うちの、ウイスキーキャットならぬ、日本酒キャットです。




試験

2007-01-21 09:05:56 | ぶちょ~


おはようございます。

今日の作業は、盛り、26号酒母仕込、20号留仕込、洗米、濾過などです。
朝一番に盛りを行い、今ブログを書いています。
 
昨日から麹室には大吟醸の酒母麹が引込まれています。
やっぱり、大吟醸を造り始めると気合が入ります
感動するような、大吟醸を造ります!

今日の写真は、麹の糖化試験です。
麹を造った後、その麹の出来、不出来はどのようにして判断するのでしょうか?
見た目?味?香り?
麹の酵素の強さ(酵素力価)は見た目だけではわかりません。
そこで、うちでは糖化試験を行います。
麹50gを量り、温水150mlを加え、55℃で、6時間糖化させます。
糖化後濾過し、濾過された液量糖度を計ります。
液量と糖度の数値から麹の水分などを差引き、計算式に当てはめ、酵素力価を計算により求めます。
液化と糖化力がわかるのです。
また、この方法の良いところは、実際に使用するお米を糖化する事で、お米の性質までわかり、一石二鳥です


醪(もろみ)

2007-01-20 07:46:48 | ぶちょ~

おはようございます。
今日の作業は21号添仕込、20号仲仕込、引込み、洗米、などです。

今日の画像は留後3日目の醪(モロミ)です。
濃度が濃いために泡に粘度があります。まだまだ、お米の形がはっきりと確認できます。
これから30日の間に、お米は麹の酵素により糖化されブドウ糖になり、酵母はこのブドウ糖発酵アルコールを造ります。
この糖化と発酵のバランスをとることが、美味しいお酒を造る秘訣です。

この醪がどのように変化していくのか、画像付きで報告いたします。

勘!

2007-01-19 09:25:19 | ぶちょ~


麹のお泊りで眠い・・・
今日の作業は、出麹、25号酒母仕込、19号留仕込、洗米などです。

画像は昨夜の手入れです。

いつもいつも思うのですが、人間の感覚素晴らしいと思います
例えば、麹を造る場合で言えば、
味覚:麹の味を舌で感じる。
視覚:麹の菌糸の状態を見分ける。
嗅覚:麹を造る間の香りの変化を感じる。
聴覚:仕事中の麹の音により、麹の水分含量を耳で聞き分ける。
触覚:麹の温度、水分含量などを、手で感じ、部屋の状況を肌で感じる。
そしてこれらを総合した上での、勘!

この勘は、感覚を研ぎ澄まし、経験し、観察し、悩み真剣に考える事で初めて身に付くものだと思います。




酒粕

2007-01-18 08:46:30 | ぶちょ~


今日も寒いです。

今日の作業は、麹の盛り、20号添仕込、19号仲仕込、洗米、粕剥、濾過などです。
頑張っていきましょう!

今日の画像は、酒袋の中の酒粕です。

うちでは、普通酒以外は自動圧搾機ではなく昔ながらの槽を使用しお酒を搾ります。
酒袋に醪を7L位ずつ入れ、積み重ねます。
お酒は搾られ、袋の中に残った物が酒粕です

うちではこの酒粕は吟醸粕取焼酎にします。


酒蔵でワイン?

2007-01-17 14:18:37 | もとやん
皆の衆、元気かな?わしのところの蔵は酒造りの最盛期を迎えておるぞ。今日は朝から酛水麹~酛管理~搾り~酛立ての作業なのじゃ。
この絵は”ケ-15号”の搾りたてのお酒なのじゃ。黒米を使用した赤い日本酒の誕生なのじゃ。ワインと同じ”アントシアニン”が含まれており、体にも大変よいのじゃ。
祝いごとには、ワイングラスに注いだ”赤い日本酒”で乾杯もどうかな!
さて、1月末には純米吟醸”山廃仕込み”の酛立てを行うのじゃ。搾りまでの2か月間報告させてもらうのでよろしく頼むのう!

ぽんぽんぽん。

2007-01-17 11:36:06 | ぶちょ~

今日の作業は、15号の搾り、引込み、24号酒母仕込、18号留仕込、洗米などがあります。

画像は、引込みで「こうじやん」が種麹を散布している所です。
種麹をシルクで作った袋に入れ、タイミングよく「ぽんぽんぽん」と散布します。
慣れるまでは少し難しいかも?

何故シルクかと言いますと、菌糸は通さず、種麹の胞子だけを散布できるからです。

昨夜の雨が楓の木に滴となって付いていて、綺麗に輝いていたので写真を撮ってみました。


なでなで。

2007-01-16 11:34:39 | ぶちょ~


今日の作業は、出麹、19号添仕込、18号仲仕込、洗米、粕剥ぎ、粕取焼酎仕込みなど、盛りだくさんです。

今日の写真は、昨晩の仕舞仕事です。
麹菌が蒸米に繁殖すると発熱します。
この熱を水分の蒸発によって除去することにより、麹の品温をコントロールします。

麹を「まぜまぜ」して「なでなで」して、いい麹に育つようにお世話します。

明日は15号の「赤いお酒」の搾りの予定です。




14号搾りました。

2007-01-15 10:01:19 | ぶちょ~


今日は一段と冷え込んでいます。
寒い!

今日は、麹の盛り、洗米、14号の上槽などがあります。

14号の「純米吟醸 美山錦」の、上槽前の成分は日本酒度+5.2、アルコール度数17.3%、総酸1.4、アミノ酸度1.0となりました。
遠心分離して、きき酒して上槽することとしました。
お米の旨みがしっかりと出ていて、香りもあり「旨い酒」になりました

麹造りでは、先日から愛山の酒母の麹が引込まれています。
希少で高価で良い酒米ですので、今年の性質を今回の酒母麹でつかみ、旨い「純米吟醸 愛山」を造ります。


地下貯蔵庫

2007-01-14 14:07:52 | もとやん
わしの蔵には昭和の初め頃造られた地下貯蔵庫があるのじゃ。
冷房装置が無かった時代、原酒を夏の暑さから守り、品質向上のために造られたのじゃ。
光と温度は品質の劣化を招くのだ。
鉄筋コンクリートの屋根には2メートル前後の厚さ土が盛られ、直射日光をさえぎり、涼しさを保っており、真夏でも涼しい温度帯なのじゃ。
春に搾られた原酒は春、夏、秋と時間の経過と共に美味しさを増していくのじゃ。
これを”熟成”というのじゃ。出来上がったばかりの新酒も良いが、時を経て熟成した日本酒は味に深みと複雑さがあり、あらためて日本酒と日本人、そしてお米との関係を感じるのじゃ。
PS:うちのこうじやんは、古酒マニアなのじゃ。