まろの公園ライフ

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ちひろ美術館

2012年04月09日 | 日記

皆さんは「ちひろ美術館」をご存じだろうか。
東京・下石神井の閑静な住宅街にある小さな個人美術館だ。

「ちひろ」は言うまでもなく、画家・絵本作家として活躍した「いわさきちひろ」のことだ。
彼女の自宅兼アトリエだった建物が35年前に美術館としてオープンした。
四季折々、絵が替わるたびに訪れるのを楽しみにしている。

今回はちひろと私の好きな画家「香月泰男」との
コラボレーション展覧会が開かれていると聞いて散歩がてらやって来た。
なかなか面白い企画だと思う。

入館料は800円。
館内の1階には広い庭に面してガラス張りのカフェがあって
とてもゆったりと落ち着いた空間が拡がる。
簡単な食事もできるし、スウィーツがなかなか充実している。

こんな風にオープンカフェにもなっていて
ひとり静かに瞑想にふけることだって出来る。(したことないけど・・・)

中庭は「ちひろの庭」と呼ばれて、いつも四季の草花が咲いている。
花が大好きだったちひろは、生前から自宅の庭にさまざまな草花を育て
それをスケッチして作品を描いていたと言う。

ここそこに椅子が置いてあって
花を愛でながら瞑想にふけることも出来る。(したことないけど・・・)

でも、私はこの狭い庭がとても好きで
絵を見る前や見た後に、訳もなくここから空を見上げるのが好きだ。
この他にも実際にちひろが絵を描いたアトリエや画材道具も展示してある。
子供と母親が一緒に絵本が読める「絵本図書館」もあって
まさに至れり尽くせりの美術館だと思う。

二階が絵の展示スペースになっている。

今さら「いわさきちひろ」の説明をする必要はないように思う。
誰もが一度は子供の頃に絵本で見た記憶がある筈だ。
あるいは子供に読んであげた経験がある筈だ。
今や日本だけでなく、世界中の子供や親にその絵は愛されている。
ただ、私は男だったせいか、親が情操教育に興味がなかったせいか
子供の頃に「ちひろ」に接した記憶がない。

ほとんどが可愛い少女や少年の絵である。
ほとんどが淡い色彩で描かれた水彩画である。
花や果物をあしらった絵も多い。

私は特に「少女趣味」はないので最初はあまり感心しなかった。
ただ、子供に付き合って美術館を訪れるうちに
そのやわらかな線に、やさしい色彩に、不思議な魅力を覚えるようになった。

ちひろの絵には「少年」「少女」のノスタルジーが色濃く反映されている。
それを自分の子供時代とオーバーラップさせながら
「ああ、いいなあ、懐かしいなあ」「そうそう、こういう場面、あったよなあ」などと
いつしか心ときめかせ、癒されている自分に気づく。
そう言えば、あの黒柳徹子さんもちひろの大ファンだった。
ベストセラーとなった「窓ぎわのトットちゃん」の挿絵を彼女に依頼したことから
ちひろの絵が一躍、有名になったのはご存じの通りだ。

さて、そんなちひろと香月泰男のコラボレーション展。
香月泰男は過酷なシベリア抑留体験を描いた画家として知られる。
暗く、重く、沈鬱なタッチの絵が多い。
その香月と、ちひろの淡い色彩がどうコラボレートするのか・・・
明日をお楽しみに!


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