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まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

心に寄り添う

2011年12月24日 | 日記

昨日は天皇誕生日だった。
だからという訳でもないが、仕事帰りに東京駅まで歩いたついでに
皇居まで足を延ばしてみた。

お濠にはカモや白鳥にまじってカモメが飛んでいた。
祝日のせいか皇居ランナーも少なくてどこか閑散としている。

すでに夕方とあって天皇誕生日の「一般参賀」は終了。
広い皇居には人影もまばらで目立つのは警備の警察官ばかり。

この日だけで2万数千人もの人が参賀や記帳に訪れたと言う。

天皇陛下は78歳になられたと言う。
ここ数カ月、ずっと体調不良が伝えられていただけに
そのお元気な姿にホッと胸をなでおろした国民も多かったのではないだろうか。
普段から、公務の多忙による疲労の蓄積に加えて
東日本大震災以来、被災者の苦難にずっと心を痛めて来られたと言う。
その心労が体調不良につながったことは容易に想像できる。

まさに「国難」としか言いようのない東日本大震災。
天皇皇后両陛下にとっても、今年は「悲嘆」の一年だったに違いない。
実はこの日の朝、出がけに「天皇一家と大震災」というテレビ番組を見た。
タイトルは定かではないが、天皇や天皇ご一家が
どのように東日本大震災と向き合って来られたかという記録番組だった。

両陛下は震災当初は混乱や警備に配慮して被災地訪問を控えおられたが
その後、足繁く被災地や避難所を訪ねられた。
痛ましい地震と津波の爪痕を前に、何もない瓦礫だらけの海べりの町で
粛然と黙とうを捧げられるお二人の姿には、私ですら思わず涙した。
失意に打ちひしがれた被災者にとって
両陛下の訪問はどれほど「励み」と「勇気」になったことだろうと思う。

その被災地訪問の様子を記録したテレビ番組の中で
天皇陛下が会見で述べられたこんな言葉を紹介していた。

 「これからは被災地の人々の心に寄り添って生きて行きたいと思います」

被災地の人々の心に寄り添う・・・
なんと「やさしさ」と「ぬくもり」にあふれた言葉ではないだろうか。
声高な支援の押しつけではなく、ましてや「元気を与える」などという傲慢でもなく
被災者の「痛み」を決して忘れることなく、自分のものものとして共有し
静かに、しかし、息長くその心に「寄り添っていく」こと。
私たちにできることは、せいぜいそのくらいではないのかと思う。

しかし、「人の心に寄り添う」というのは言うほど簡単なことではない。
死んだ人間を忘れないというのは、私はその人の能力の問題だと思っているのだが
偉そうに言いながら、私も死んだ父親や親友のことを、時々、忘れてしまっている。
「人の心に寄り添う」というのも相当な力量が要ることだと思う。
自分に果たしてそれが出来るだろうか・・・
皇居・二重橋の前にたたずみながら、そんなことを考えていた。

 


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