涙と笑いの隅田川花火

昨日は隅田川の花火大会でした。
言わずと知れた日本三大花火大会、東京の「夏の風物詩」です。
ところが夜の７時前から・・・

私はいい調子で晩酌のビールを飲んでいたのですが・・・
東の空ににわかに黒雲が湧き上がり、不気味な雰囲気になって来ました。

やがて雷鳴がして閃光が走ると雨も降り始め
巨大な黒雲はゆっくりと新宿方面へと移動して行きます。
これはえらいことになるぞ、花火大会はどうなるのか・・・変な期待がありました。（笑）

テレビをつけると何事もなく花火大会の中継は始まってしました。
あれ、隅田川は降ってないのか・・・ちょっとガッカリしながらも花火にビール。

今年のウリはやっぱり東京スカイツリーですね。
やたらにこの映像が多かったのですが、空は不穏な雰囲気になって来ました。

テレビ中継の司会役は俳優の高橋英樹さんです。
近づく「不安」をあえて無視するように何事もなく司会をつとめておられました。

これなんかいいカットですねよえ。
浴衣姿の女性リポーターが周辺各所に配置されていて
祭り情緒を盛りたてる演出です。

ところが間もなく・・・無情にも容赦なく雨が降り出した来ました！

見物客も一斉に傘を差し始めています。
通り雨程度ならいいのですが雨はドンドン激しくなり
やがて稲光が走り雷鳴がとどろきます。

そして、ついに花火大会の中止が発表されました。
雨もさることながら雷の「危険」を考慮してのことと思われます。

降りしきる雨の中「失望」と「落胆」の列が引き上げます。
まあ、観客の皆さんは、この後、飲み屋にでも繰りこめばいいのでしょうが
露天商関係の方々は相当な損害だったと思われます。

加えてテレビ中継スタッフにも同情します。
この日のために様々な準備をし、山ほど打ち合せをして来たのに・・・
私も長年「祭り中継」を経験して来ただけに
その無念の胸中を思うと涙を禁じ得ませんでした。



せっかくの屋外スタジオセットも水浸しです。
高橋英樹さんの浴衣もビショビショで見るも無残な有様です。
動揺を隠せない女性アシスタントの表情に思わず笑ってしまいました。

この時点で番組はまだ一時間以上もあって
営業上も編成上も、今さら他の番組に切り替えることは不可能です。
いったいどうするのか・・・ワクワクしながら見ていました。

番組前半の（と言っても３０分ほどですが）ハイライトを流したり
過去の隅田川花火の映像を引っ張り出したり
スタッフの涙ぐましい努力を思うとテレビに合掌したいほどでした。

苦し紛れとは言え・・・
花火の「俳句」を長々と紹介していたのには笑ってしまいました。
花火師のオヤジが憤懣やるかたないといった口調で
「この後片付けが大変なんですよ」とボヤいていた顔も印象的でした。（笑）

とうとう最後はこんな惨状になって・・・
祭り中継でこんな映像を見たのは初めてかも知れません。
気の毒とは思いつつ、不謹慎とは思いつつ、大笑いしてしまいました。

ゲストの中村獅童は沈鬱な表情で苦笑いするばかり。
どうしても沈黙がちになるスタジオで
唯一、樹木希林さんだけがハイテンションで笑い転げていました。
予定調和を嫌い、こういうハプニングやトラブルを何より嬉しがる人ですから
この人に明るさにずいぶん救われた感がありました。
さすが樹木希林です！

という訳で「涙と笑い」の花火中継は終了。
久しぶりにスペクタクル満点の番組を見せてもらいました。
テレビ画面を写真に撮ったのも初めてでした。
視聴率は意外によかったりして・・・（笑）