まろの公園ライフ

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涼しい絵を観たい!

2016年08月20日 | 日記

暑い日は涼しい絵が観たいものです。
ただでさえ暑苦しいのに
ゴチャゴチャした難しい絵は観たくありません。

では、どんな絵が涼しいのか?
日本を代表する女流画家・上村松園の「母子」です。
東京国立近代美術館の常設展の絵です。
幼子が何か見つけたのか
母の襟元をつかんで身を乗り出すようにしています。
母はやさしくわが子を抱きながら
その視線を追って穏やかな笑みを浮かべています。
身につけている着物や背後の簾から季節は夏だとわかります。
見るからに涼しげでほのぼのとした情愛を感じる
いい絵ですねえ。

上村松園は京都に生まれ育った画家です。
これも京都の夏の情景でしょうか。
幼い頃から母の手ひとつで育てられた松園にとって
母と子の情愛は生涯を通して追求し続けた大きなテーマでした。

 「私を生んだ母は私の芸術までも生んでくれた」

とまで述懐しているように
その作品の多くも母の面影を追い求めたものでした。
これは松園59歳の年の作品です。
孫を授かり、最愛の母を亡くした年に描かれました。

もう一つは小倉遊亀の「浴女」です。
彼女も松園とともに日本を代表する女流画家ですね。
年代を感じさせる白いタイル張りの浴室に
淡い桃色の肌の女性が二人。
透明感あふれるエメラルドグリーンのお湯につかっています。
なんと言っても素晴らしいのは
丸みを帯びた描線で描かれるタイル目地の歪みで
ゆらゆらとしたお湯の「揺らぎ」を見事に表現しています。
そのお湯の質感と深い味わい。
暑い夏はひと風呂浴びてサッパリしたいもので
見ているだけで涼しい気分になります。
100歳を超えてなお絵筆を握り続けた気骨の女流画家の
まさに革新的な一枚と言えます。



真夏の美術館はいいですねえ。
あまり混んでいませんし
ほどよくエアコンが効いた館内で涼みながら
名画をゆっくり鑑賞できるなんて贅沢の極みでしょうか。
美術館へ涼みに行きましょう!(笑)


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