くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

名古屋鰻考: あつた蓬莱軒等

2014年01月09日 | Weblog
先日、名古屋の親族宅に3泊。その間鰻を食すこと、4回。

そう私は無類の鰻好き。昔は鰻は上方風に限ると思っていましたが、加齢とともに江戸風もそれはそれで好きになり、今は東西の優劣、好き嫌いを問わなくなりました。でも、千住の方にある有名店のあのあっさり味は、あれこそが江戸風の「粋」な味なのかもしれませんが、私はちょっと物足りない。うな重は二杯はいただかないと満足できないあっさりさ。

さて、

1.蓬莱軒

まずは初詣を兼ね、ひつまぶしで有名な蓬莱軒。開店の11時半前に往って90分待ち。先に熱田神宮での参拝をすませ、えびすさん、秋葉さんにも詣でて(名古屋の方ならこのルートわかりますよね?)、店についたらちょうど予約時間の5分前。

もちろん、ひつまぶしをいただきました。ここで食べたのはもう何年ぶりでしょうか。おいしいんです。すいもののだしもよし。更にうまきも食べてみたかったんですけど(この料理って料理屋の水準をはかるのに良いんです)、連れがひすまぶしで十分というので、あきらめました。
たれの味は、名古屋の昔からある主だった店(近年雨後の竹の子のように出てきた店の味は存じません)に比べて、薄味です。上品というべきでしょうか。ごはんの炊き方もよし。ごはんの炊き方がなってない鰻屋って時々ありますよね。もっとも、炊き具合ってのは、人ぞれぞれ好みがあるのでしょうが、どんぶりものに柔らか目の炊き方ってのは、個人的にはどうも。ここのはそういう炊き方ではありません。完食して、もう少し食べたいなあという感触。

ひつまぶしを入れたあの独特の木製の器。結構ぼろくなっています。料理は器も大事ですので、使う古して塗りの剥げきったものをいつまでも
使い続けないでほしいなあと思いました。


2.イチビキ

翌日の昼は、柳橋のイチビキ。ここも戦前からの古い店です。実は名古屋では子供のころから数えきれないくらい各店で鰻を食べてきましたが、ここは初めて。並びにある宮鍵に行くつもりが、以前からネット上の口コミがきになっていたので、急遽イチビキに変更。特上うな丼をいただきました。鰻の両も、ごはんの量も、なかなかのもので、鰻は丼の底の方にも入っていました。大ぶりの肉厚のうなぎで、肝吸いのきもも若干大きく感じました。最後の方で若干苦しくなりましたが、完食。

3.宮鍵

で、その夜、昼行かなかった宮鍵へ。ここは本当によく行きましたね、最寄の大友とともに。ここも昔のままの店内。来店は昨年の夏以来。昔は一年に4,5回は行っていたのに。ここは、やはり最寄の鳥久と同じく、鳥料理も有名。みそ味のとりすきも良いのですが、私は水炊き派です。それから忘れてならないのは、ここ鳥わさ、鳥サラダ、鳥の刺身。うまきもいけます。甘いだしまきが好きな人にはバツかもしれませんけど。

さて、宮鍵のひつまぶし。むかーしから上ひつまぶしを注文します。でも、近年ここのひつまぶしには不満があります。昔からここのひつまぶしは薬味、だし汁なし。黒塗りの小さなお櫃の中に千切り鰻はごはんのうえに二段に乗っているのですが、上は、刻みのりもはじめからのっています。それだけ。わさびも、ねぎも、だし汁もなし。ところが、最近は「だし汁いりますか?」と聞かれます。初めてそれを聞かれたときには「はあ?」って聞き返してしまいましたが、最近は「(あえて)普通通りで」とお願いします。「普通通り」すなわち宮鍵では薬味、だし汁なし。あるのは山椒のみ。昔ながらの名古屋らしー濃いーたれが特徴です。当然好き嫌いはあるでしょうが、私にとってはこれが定番の味。
ここの肝吸いはだしの味が蓬莱軒に似ています。良いお味です。

若いときには、ここのひつまぶし、一人前ではたりなかったですね。量が少ないというのではなく、それだけ私の味の好みにあうものであったということです。今でも、腹がおもいっきり減っていれば、二人前いけるかな?と思います。味が濃いーだけにそそります
4.いば昇

さて、3泊しての翌日、名古屋を離れる前に、いば昇へ。名古屋に来る芸能人もよく顔を出す(出した?)店ですね。ここも名古屋の昔からの老舗です。一昨年の冬に来て以来。相変わらずの味ですが、ちょっと近年変わったように思うんです。ごはんの炊き具合が。昔おじーさんが調理場に立っていたときのごはんは、実においしく、私はここでは必ず長焼きをいただいていました。今も、長焼き定食を注文すると、茶碗二杯分はゆうにあります。そのごはんがおいしかったんですけど、今は昔ほどではない。一昨年も「あれ?」って思ったんですが、今回も。まずくはない。でも、昔ほどではない。思うに、調理場の雰囲気がこの「変化」の一因ではないかと・・。あえて具体的には申しませんけど、一昨年も、今回も調理場の声が聞こえてくるところに座ったのですが、「一寸、それでいいの」って感じちゃいました。

ここにもひつまぶしあります。一つの注文で二人前でしたっけ。大きめのお櫃にごはんと千切りの鰻。それをまぜて、茶碗にとりわけ、後の食べ方は他店と同じ。ここの吸い物、うまきもおいしいです。が、知る人ぞ知るのが、刺身。夜には売り切れている場合もあります。


さて、以上の四店。イチビキ以外はよろしいのではないかと。つまり、おすすめ。ではどちらを選ぶかというのは、個人の好みですね。
マスコミによって喧伝されたひつまぶしがお好きな方は、蓬莱軒にどうぞ。正直いって、ひつまぶしって、宮鍵は別として、うなぎを食べた気がしないんですよ。食べたんですが、もの足りない。というわけで、ひつまぶしじゃなきゃだめというのなければ、宮鍵といば昇ですね。

なぜ、イチビキのみ選外? あの鰻は・・・、水準低いです。ネット上の口コミは概ね好評価ですが、個人的にはまったく理解できません。
あんなに肉厚なうなぎを使うのであれば、焼きが甘いし、たれもうなぎの脂っぽさを抑え切れていない。ごはんのなかに並べられた鰻はたれがごはんに吸い取られてしまって、あの肉厚うなぎを薄味で、しかもかなり満腹状態で食べるのはちょっとしんどい。ごはんの炊き方も、個人的にバツ。柔らか過ぎで肉厚鰻とのバランスは悪い。肝吸いも具が多すぎ。最近はラーメンなんかもこってり系がもてはらされる傾向。イチビキが好評価ってのもそのあらわれでしょうか? 私はもう行かないかな。


名古屋にはほかにも老舗があります。無くなった店もありますが、名古屋の中心部から少しはずれますけど山口町の西本も有名ですね。先代仁左衛門のごひいき。そういえば、宮鍵のとりすきは、池波のひいき。正直にいって、私は子供のころから西本の鰻が好きではありません。たれが甘いんです。うまきも甘目。でも親戚いわく、最近は昔ほど甘くなくなったとか。継ぎ足しのたれの味ってそんなに簡単に変わるもんなんでしょうか。

以上は、あくまでも私の独断と偏見による評価です。まったくちがう評価をされる方もいると思います。































































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