くまわん雑記

時々問い合わせがありますが、「くまわん」というのは、ある地方の方言です。意味はヒミツです。知る人ぞ知るということで。

沈斯淳は台湾駐日代表は・・・: 歴史の因縁はどう作用する?

2012年05月22日 | Weblog
沈斯淳氏は、台湾では知る人ぞ知る某清末エリート官僚の子孫である。

といえば、近代中国史に詳しい人なら、すぐ「あの人物の?」と気づくはずである。

そう、曽国藩の娘婿にして李鴻章とも親交のあった洋務官僚に一人、沈葆禎である。そんな人知らない?まあ、高校の世界史レベルでは出てこない名前だが、大学レベル以上の近代中国史ともなれば出てくる名前だ。

そして日本とも因縁深い人物なのだ。明治7年の所謂台湾出兵(昔なら征台の変か?)に際して、李鴻章の推挙あって「現場担当」の任についた人物である。西郷弟等と台湾現地での交渉を試みる一方で、最悪の事態に備え李鴻章と連絡をとりつつ軍備に務めた人物である。しかしながら、明治政府はあくまでも北京での談判を目していたから、外交交渉において沈が果たした役割は小さかった。ということは、ひるがえって、最終的に清朝にとっては屈辱的な議定書を結んだことに対して彼の責任も小さいどころか、事実上ゼロである。

事件後に沈がすすめた台湾防備のあとは、今も映画「海角七号」の舞台にもなった恒春の城壁などに認めることができる。そうそう、恒春、いい街ですよ。日本人観光客は多くないので、是非行ってみてください。高雄からのアクセスが長距離バスしなないってのが難点ですけど。

つまり、沈氏は外省人。日本語もわずかだとか。でも、外務部の次官まで務めた人が代表って、馬政権の対日姿勢を読み取るうえにおいて、重要なのでは? まあ、馬政権の二期目は試行錯誤で大した動きがなく、グズグズで終わってしまうように思うんですけど。あの人、もともと見た目で得している反面、政治手腕は大したことないから。現に今も支持率が、20%台前半。そう改善することはないでしょう? 大陸もタイミング的にこれからはそう甘い顔ができないですし。

それはさておき、沈氏について、民主党政権のみなさん、ちゃんとお勉強しておきましょうね。




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