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お風呂さすらい 46 「アパホテルヴィラ 仙台駅五橋」(仙台市若林区五橋)

2014-08-31 14:22:38 | お風呂さすらい

仙台に着いたのはもう23時を過ぎた頃合でした。

2年前の、つまり震災直後のころとは見違えるほどの変わりようです。もう何事もなかったかのように。

それは、福島の南相馬から来た者にとっては、なにか違和感を感じるものでした。

そして、改めてこう思うのです。

とりかえしのつかないことが福島に起きたのだと。

 

わたしは、宿泊する予定のホテルを目指しました。

「アパホテルヴィラ 仙台駅五橋」。

楽天トラベルで検索し、最も宿泊料金が安価だったので、予約したホテルです。

恐らく、ドタキャンで急遽部屋が空いたのでしょう。格安の料金でした。

しかも、このホテルには温泉がついていました。

南相馬で雨に打たれたわたしにとって、大浴場のついている風呂付きのホテルは渡りに船です。

 

チェックインして、荷物を置き、わたしは外に出ました。

ホテル近くの居酒屋に入ると、「看板です」と言われました。

そして、しばらく居酒屋を求めて歩いたのですが、0時近い街はもう眠ろうとしていました。

仕方なく、部屋へと戻り、わたしは浴場に行くことにしました。

 

日付をまたぎそうな時間であるにも関わらず、大浴場は混んでいました。

わたしはちょっとうんざりしました。

ゆっくりと風呂に浸かりたいと考えていたからです。

 

お風呂は思っていたよりも広く、豪華でもありました。

「アパホテル」のイメージからは想像できないものでした。

しかも、ホテル側の説明文によると、天然温泉とのことです。

 

曰く

<泉温>42.4度
<泉質>ナトリウム―塩化物泉(高張性・高温泉)
<湧出量> 60リットル/分

【浴用適応症】
神経痛・筋肉痛・五十肩・運動麻痺・うちみ・くじき・慢性消化器 病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進・慢性皮膚炎など

 

このお湯は、近隣の温泉地から持ってきているのでしょう。

泉温42℃がそれを物語ります。

 

ともあれ、お風呂としては申し分のないものですが、いかんせん入るタイミングが悪すぎました。

大勢のお風呂客は中国からの団体さんでした。

 

大声で交わされる中国語の会話が機関銃のように飛び交います。

それも露天風呂で。

なんなんだ。このアウェイ感。

全然、リラックスできません。

 

それにつけても、世間は変わりました。

中国からの観光客が、日本の温泉に浸かる。

こんな時代になったのだと改めて思います。

この中国からの客人は、この仙台が被災地であることを知っているのでしょうか。それとも、被災地だからこそ、旅行代金が安価だったということがあるのでしょうか。

しかしながら、お風呂は一日の疲れを癒してくれます。

緊張していた筋肉がじんわりとほぐれていくのが分かります。

 

それにしても、長い1日でした。

朝の6時に家を出て、福島から南相馬へクルマを走らせ、2件の取材した後、再び福島へ。そして新幹線で仙台へ。

明日から、また被災地を巡る取材が続きます。

体を温める温かい温泉はとても助かります。

今日の疲れをとって、明日も頑張ろうという気持ちになります。

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