ものすごい混みようである。店内が見えず、扉の手前まで人いきれである。 わたしは少し躊躇した。 すると、入口の手前で飲んでいた若い男性がカウンターのコップをずらして、わたしに「どうぞどうぞ」と薦めてくれたのである。 その好意を受けないわけにはいかない。わたしは、店の中に入った。 . . . 本文を読む
だが、怪我の巧妙というべきか。この焼豚のぶっかけがとてつもなくおいしかった。中国のあのまずい米飯をイメージしていた、ボクだったが、香港のそれはやや粘りがある。とびきりおいしいというわけではないが、思っている以上にうまかった。しかし、この焼豚のうまいことといったら。何故、ボクは18年前に、この味を知らなかったのだろう。 . . . 本文を読む
スターフェリーから見る尖沙咀の風景は18年前とあまり変わっていなかった。
だが、船を降りて、北へ向かうと通りは欧州ブランドの店が延々と立ち並ぶ。
俗と聖が混在した街はいつから俗だけの街に変わったのだろう。
重慶マンションを臨む。外観こそ、きれいになっていたが、建物の中は相変わらず、伏魔殿だった。
しかも一階はインド人が占拠し、スパイスと香料の香りが立ち込 . . . 本文を読む
パニーニと生ビールか。悪くはない。反射的に財布に手をやって、お店のお兄さんに注文を告げた。ビールはイタリアの「ナストロアズーロ」(510円)。イタリアビールはかつて飲んだことがなく、それも樽生で飲めるとは、それだけでもう得したような気分になる。 . . . 本文を読む
読者の皆様へ
平素より拙ブログをごひいきいただき、厚く御礼申し上げます。
気が付けば、拙ブログを開設してもう10年という月日が経ちました。
これもひとえに、読者の皆様に支えていただいたからであり、改めて感謝申し上げます。
当時、わたしは33歳で、野球に関する文章を書こうと、いくつかの出版社の門を叩きました。とある出版社の編集長さんの勧めでブログを開設したのが、こ . . . 本文を読む
これはひとつの奇跡である。そこに辿りつく日本の絵本がどのような道筋を辿ってきたのか。それを知りうることも今回の企画展の目的ではあるが、それよりもそのプロセスのマイルストーン的な作家が垣間見せる心象風景がどのように作品に表出されているのか。さらにはその風景を今も見る者の心の中に仕舞われているか、それを確かめるという意味で、意義の深いものといえるのではないだろうか。 . . . 本文を読む
ついこないだまでの名駅とは風景が違う。人は心のありようによって、見せる世界が違うのは何故だろう。キラキラと輝いて見える日もあれば、たそがれていく風景がやけに虚しく感じるときも。こんな日は行き交う人の流れもボクにやたらと厳しいんだよね。 . . . 本文を読む
アキバの昭和通りをカレー麺通りと名付けてみたが、やはりその考えに間違いはなかった。
蕎麦屋の「富士そば」はともかく、「麵屋武蔵 武仁」の限定「アキバカリーつけ麺」はこの通りの象徴ともいえるメニューだったからだ。
残念ながら、限定メニューのため、現在はないが、定期的な復活を期待する。
45.田毎
今回、再びアキバの駅に戻ったのは、総武線下りホームのそばにある「田 . . . 本文を読む