御徒町の居酒屋、「おかってや」御徒町南口店で会社の忘年会が開かれ、2時間の呑み放題、食べ放題が終了すると、会社の若手数人は店の外で「次、どこ行こうか」と思案に耽っているようだった。
会が終わって、僅か数分。既に幹部らの姿はどこにも見えない。いくらもう一本締めで締めたとはいえ、これはひどい。まるで、雲の子を散らすように解散になった惨状から、わたしは、彼らと二次会に参加することにした。
忘年会 . . . 本文を読む
クリスマスが終わると香港の街は急に静かになった。
日本ならばクリスマスが終わると急に年の瀬の雰囲気に装いは一変するが、香港には、そのような空気は微塵も感じられなかった。やはり、年越しは春節が主流なのだろうか。
旅に出てくる前、わたしはおおよその旅の工程をスケッチしていた。
まず、神戸から上海へと渡り、大陸を南下する。香港、そしてマカオを経由し、再び中国へ。そこから雲南省を目差す、という . . . 本文を読む
最近、銀座のY澤さんの事務所に行くときは地下のコンコースを歩いている。
だから、クリスマスまで1ヶ月を切っている今、街の様子は分からない。
だが、少なくとも築地通りは既に賑やかになっているはずだ。
銀座線銀座駅から東銀座駅方面へ。
都営浅草線の改札まで来たとき、何か第六感が閃いた。
「年末ジャンボ宝くじ」。
一瞬買おうかどうかちゅうちょしたが、すぐに思い直して、引き返して10枚購 . . . 本文を読む
クリスマスを目前にした香港の街には、WHAM!が歌う「ラスト クリスマス」が流れ続けていた。
九龍はもちろん、尖沙咀、女人街、そして、油麻地。行くとこには必ずといっていいほど、ジョージ・マイケルの甘い歌声が流れていた。
無理もない。翌年の7月に香港は中国に返還される。
香港っ子の心情はどのような気持ちなのか計り知れなかったが、少なくとも英国領として迎える最後のクリスマスは英国人人気デュオが . . . 本文を読む
会社の同僚、T根川君とA藤君は会社の帰りに連れたって、近所の中華料理店、「鹿鳴園」に通っているらしい。
「ビールが安いっスよ」。というT根川君。
なんとなく、想像はついたが、彼らは食事に行くのではなく、飲みに行っているらしい。中華料理はビールが進むんだよねぇ。
そんな、11月の下旬。
「行きましょうよ」とT根川君に迫られ、「いつも断ってるし」という負い目も手伝って、くだんのお店「鹿鳴園 . . . 本文を読む
10年前の今頃、わたしは中国の福建省あたりをうろうろしていた。
どの辺にいたのか、定かではないが、多分福州あたりにいたと思う。
11月26日、わたしは神戸の港から「鑑真号」という船に乗り、上海に渡った。
それから、10年。
その節目にあたり、しばし、その時間を思い返してみたいと思う。
約1日の航海。
上海には翌27日早朝に着いた。
上海の街は凍えるように寒く、わたしはその日 . . . 本文を読む
帰宅する道中に途中下車して立ち飲み屋を散策する伝説の企画、「立ち飲みラリー」の中断からはや数ヶ月。
銀座線末広町から、東西線の東陽町までの(日本橋経由)7つの駅間をそれぞれ歩き、立ち飲み屋を探し歩いた(居酒屋放浪記のバックナンバーを参照されたし)。
だが、居住地である浦安駅を目前にして、突如の引っ越し。
帰宅までの道すがら全踏破は達成されなかった。
それから、約3ヵ月経ったある日、再び熊 . . . 本文を読む
暗い。すこぶる暗い。
夜の宇都宮は暗い。
昼間、バスガイドさんはちょうどこの辺り、栃木県庁前が「花街だった」と教えてくれた。
喜び勇んで町に繰り出してみると、辺りは真っ暗ではないか。
相棒ヨッスィーも心細そうにしている。
宇都宮東武ホテルグランデから貰ってきた「お店MAP」によると、やはりこのあたりにかけて飲み屋が多いことになっているが、ちっとも見つからない。
少し大通りのほうに戻 . . . 本文を読む
お腹に入った大量のビールが、歩くたびにタプンと波を打つ。
サッポロビール園でたらふくビールをあおって今、更に次の酒場を目指し、札幌駅に向かっている。
午後3時。
日差しは弱く、北の大地には本格的な冬が訪れようとしている。
果たして、この時間に開いている居酒屋はあるのだろうか。
実は、既にアタリをつけていた。
昨日、札幌駅の中にある本屋で情報を収集した。
「Oton」(おとん)。北海 . . . 本文を読む