三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
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生きとし生けるもの、夏の腐敗と

2012-01-30 10:35:00 | 食雑記
〈1月17日の食事〉
朝:ピザトースト ココア
昼:お弁当(ごはん、鶏とレンコンの酢醤油炒め、ニラの卵焼き、キャベツとしめじのおひたし)
夜:豚キムチチゲ ワカメのナムル ごはん @李さんの台所/飯田橋

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相変わらず「安住紳一郎の日曜天国」のポッドキャスト版のアーカイブを聞く日々である。
アーカイブとあらば、どうしても生じてしまうのは、オンエアした時期と聴く時期の季節のずれ。
特に大元は生放送の番組であるから天気に関する話題を冒頭で伝えることが多く、この極寒に「スタジオのある東京・赤坂は、30℃を超えだいぶ蒸し暑くなって参りました」なんて声を聞くこともしばしだ。

これは、そんな風に夏の放送を今の季節に聞いていたときのこと。
夏場の生ゴミの処分についての話題になった。

安住さんは一人暮らしということもあり、家を空けている日中は、エアコンなしの温度がそのまま室温となるらしい。
また仕事の関係上家に帰れないことも多々あり、ゴミの日のタイミングを逃すことも多々。
夏場にそんな日を送るとどうなるか、といえば、ものは容易く腐るんである。
その対処法として、燃えるゴミの日をきちんと迎えられる時まで、生ゴミは冷凍庫に保管しておくのだそうだ。

なるほどなあと、あのうだるように暑かった夏の日々を思い出して納得する。
あれは、確かにものを腐らせる。

いつも私は生ゴミを小さな袋に入れてからゴミ箱に入れるのだが、でかいキャベツの外葉を、これくらい大丈夫だろうと高をくくってあの日そのまま捨てたのだ。
一昼夜でたちまち腐り、匂いを放ち、大変なことになったのだった。
動物性たんぱく質と脂肪の方が腐った時に強烈な匂いを放つ、植物はそうでも…という勝手な思い込みがあったもんだから、その匂いは鮮烈ですらあった。
ったく、植物がそんなに臭くならないなら、納豆の匂いはどう納得したらいいんだっていう話だ。

そんな夏場の生ゴミ処理について、聴取者から寄せられた情報が、興味深く参考になった。
なんでも、ものが腐るには水分が欠かせないものらしい。
あるいは、水分がふんだんにあると傷みやすいと言いますか。
だから水気をよく切り、新聞紙などにくるんで水分をよく吸わせると、夏場の日中の気温でも腐りにくくできるのだそうだ。
なるほど、人は色んな工夫を凝らして夏の腐敗と戦っているのだなあ、と思う。

一方で、ものは腐るのだなあと、当たり前の事実に感服もするのだ。
冷凍・冷蔵技術が発達し、かなりの長持ちがかなう昨今。
それらを駆使すれば、命がもう宿っていないものも、「入れ物」に関してはそのままの状態を保持できるのでは、という錯覚を生みかねないと思うのだ。
少なくとも、賞味期限や消費期限が多少過ぎたところで、冷蔵なり冷凍してあるなら、パッと見も匂いもさほど変化はないのである。
もしかしたら夏場の腐敗は、生命だったものの「生きていたんだ!」という最後の主張だったとすら思えてくる。

そうは言っても、夏場の腐敗は困りものな訳で。
新聞紙をアイディアをいただき!と思いつつ、新聞紙の工面をどうしたものか、と悩む新聞をとっていない私なのであった。