【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 6月10日(水)より転載】
【革心36】
雨花台烈士陵園で山本伸一の一行は、殉難の記念碑に献花を行った。赤やピンクのバラの花で飾られた花輪を持った二人の訪中団メンバーを先頭に、伸一たちは、記念碑に向かって石畳の上を歩いていった。
碑には毛沢東による、「死難烈士万歳」の文字が刻まれていた。花輪が供えられた。
一行は、尊い命を散らせた烈士たちをはじめ、日中戦争で犠牲になったすべての人びとの冥福を祈って、唱題した。南京の大地に、晴れ渡った空に、音吐朗々と、題目の声が響いていった。
唱題する一行を、ここを訪れていた人びとが、遠巻きにするように見ていた。
唱題が終わると、伸一は、その人たちに歩み寄って、「〓好!」(こんにちは!)と声をかけ、笑顔を向けた。
すると、ニコニコしながら瞳を輝かせ、口々に「〓好!」と応える。
日本人が南京を訪れ、烈士の碑の前で合掌し、唱題する姿に、深く感銘したようだ。伸一たちが、手を差し出すと、大人も、子どもも、笑みを浮かべて握手を交わす。
亡くなった人を悼み、冥福を祈る心に国境はない。祈りの心は、人間を結ぶ。
一行を案内してくれた江蘇省の関係者が、「創価学会の山本会長を団長とする、訪中団の皆さんですよ。山本先生は、中日友好の橋を架けられた方です」と紹介した。
和やかな懇談の輪が広がった。
伸一は言った。
「私たちは、烈士の方々をはじめ、戦争で犠牲になったすべての方々の冥福を祈らせていただきました。また、南京の皆さんが永遠に幸せであってほしいと祈りました。
皆さんのなかには、戦争で、ご家族、ご親戚を亡くされた方もいらっしゃるでしょう。私も、大好きな長兄を失いました。戦争は悲惨です。残酷です。戦争など、絶対に起こしてはならない。
そのために、私は、日中の平和と友好に、命を懸ける決意でおります」
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