和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

小説「新・人間革命」

2015年09月24日 11時41分12秒 | 新・人間革命


【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 9月24日(木)より転載】

【勝利島55】

 カセットデッキから、「龍郷支部歌」が流れた。勇壮で力強い調べであった。臥龍が時を待って、天空高く昇りゆく姿に、同志の心意気を託した歌となっていた。

 山本伸一は、調べに合わせて、拳を振りながら、歌を聴いていた。

 聴き終わると、彼は言った。

 「いい曲だね。龍郷の新しい出発だね。

 支部の皆さんは、元気かな」

 すぐに、奄美の婦人の幹部が答えた。

 「はい。今は、地域の人たちも、心から学会を理解してくれています。また、多くの同志が、各集落の信頼の柱になっています」

 「それは、よかった。何よりも嬉しいね。日蓮大聖人の仏法というのは、最も苦しんできた人が、最も幸せになれるという教えなんです。また、最も激しい迫害が起こったところこそ、学会員が信頼の根を張り、広宣流布の模範の地域にしていく使命があるんです。

 大聖人は、一生のうちに自身の一切の謗法を消滅できるのは、法華経のゆえに数々の大難に遭ったからであると言われている。

 そして、『願くは我を損ずる国主等をば最初に之を導かん』(御書五〇九ページ)と仰せです。その原理のうえから、弾圧の嵐が吹き荒れた地で戦ってこられた奄美の皆さんは、地域広布の先駆となって、人びとを幸せにしていってほしいんです。

 龍郷をはじめ、奄美の皆さんは勝った! 仏法は勝負です。十年、二十年、三十年、いや五十年とたった時に、すべては、ますます明らかになる。勝負は一生です。より根本的には、三世という尺度で見なければならない場合もありますが、最後の大勝利を確信し、不退の勇者として生き抜いてください。

 それには、心が強くなければならない。臆病では信心を全うすることはできません。大試練に耐えるとともに、自分の慢心や名聞名利への執着などに打ち勝つ強さが必要です。

 学会を離れれば、最後は後悔します。孤独です。広宣流布の陣列から離れることなく、はつらつと歓喜の大行進を続けてください」





   

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