和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

法旗(四十九)小説「新 ・人間革命」

2013年01月31日 10時54分13秒 | 今日の俳句
      小説「新・人間革命」

【「聖教新聞」 2013年 (平成25年)1月31日(木)より転載】


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法旗49(1/31)
 立ち退きの件で困り果てた岩田サワは、関西総支部長の春木征一郎に指導を求めた。


 「そうか。しかし、考えてみれば、今の家に、これまで住まわせてもらっただけでも、感謝すべきではないかね」


 岩田も、それはよくわかっていた。だが、問題は、これからどうするかなのだ。


 春木は、笑みを浮かべた。


 「大丈夫だよ。祈り抜けば、必ず道は開ける。
悩みは、乗り越える直前が、最も苦しいものなんだ。
山登りだって、八合目、九合目がいちばん大変じゃないか。
腹を決めて、祈り、戦い抜くんだ。頂上はすごいぞ!」


 山本伸一が、初めて岩田と会ったのは、その直後のことであった。
関西本部にいた伸一に、春木が岩田を紹介し、病苦や経済苦をかかえながら、女手一つで娘を育て、“広布の母”として活躍していることを告げた。


 伸一は、包み込むように、彼女に語った。


 「あなたには、幸せになる権利があるんです。
宿命に泣いてきた人だからです。
また、あなたには、幸せになる使命があるんです。地涌の菩薩だからです。


 これまでの一切の苦労は、すべて仏法の力を証明していくためにあったんですよ。


 泥沼が深ければ深いほど、蓮の花や実は大きいといわれる。
悩みや苦しみが大きければ大きいほど、幸せも大きい。
信心をしていくならば、苦悩は心の宝石になるんです。
変毒為薬の仏法なんです。それを必ず、心の底から実感する時が来ますよ。


 今は、まだ、“大変だな。苦しいな”と思うことが多いでしょうが、あなたは、既に幸せの大道を歩き始めているんですよ。
人びとの幸福を真剣に願って、学会活動に励んでいること自体がそうなんです。


 以前は、自分の幸せしか考えなかったでしょう。
しかし、今は、人の幸せを考え、広宣流布の使命に生きる喜びと充実を噛み締めている。
そのことが、境涯革命している証拠ではないですか」


 岩田は、心に光が差した思いがした。


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