和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

小説「新・人間革命」

2015年09月30日 21時02分21秒 | 新・人間革命


【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 9月30日(水)より転載】

【勝利島60】

 参加者は皆、真剣な表情で、山本伸一の話に耳をそばだてていた。
 「太陽は一つであっても、ひとたび天空に躍り出れば、すべて明々と照らし出されていきます。同様に、信心強盛な一人の学会員がいれば、島全体が希望に包まれ、歓喜に満たされていきます。どうか皆さんは、一人ひとりが、その太陽の存在になっていただきたいのであります。どこまでも信心は強盛に、強い確信をもってください。そして、決して焦らず、あくまでも堅実に、広宣流布の歩みを運んでいってください。
 島というのは狭い社会であり、昔からの慣習等も息づいている。そのなかで信頼を勝ち得ていくには、賢明な日常の振る舞いが大事になります。誰人に対しても、仲良く協調し、義理を重んじ、大きく包容しながら、人間性豊かに進んでいかれるよう、願ってやみません。
 島のなかで、ささいなことで人びとと争ったり、反目し合ったり、排他的になるようなことがあっては絶対にならないし、孤立してしまうようなことがあってもなりません。仏法即社会です。世間の目から見ても、“立派だ。さすがだ!”と言われるような、聡明な活躍をお願いしたい。
 それが、広宣流布への第一歩であると確信し、身近なところから、着実に信心の根を張っていっていただきたいのであります」
 伸一は、長旅で疲れているであろう離島の同志の体調を思い、話は短時間で切り上げようと思った。最後に、「ただ一つ心肝に染めてほしい御文があります」と強調し、日蓮大聖人が佐渡で認められた「開目抄」の一節を拝読していった。
 「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたな(拙)き者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(御書二三四頁)




   

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