カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

自分の首の骨をコキッ、ラーマドぼう

2015-10-19 20:08:00 | 本日の患者さん
「今日は首の矯正はやらないで下さい」

ちょっと神妙な表情でそうおっしゃるのはラマードぼう。
普段、頸椎の矯正を楽しみにしていたラマードぼうなので徳さんキョトンとしていると、

「実は今日、自分で首の骨をコキッと云わせようとして首を捻ったら首のスジを傷めてしまったみたいで、今日、頸を矯正されるのはちょっと怖いんです」

このように、自分で関節を操作する人は思いのほか多い。
徳さんは、その事に異議を差し挟む気はさらさらない。

ただ、注意点が二つばかりある。

たぶん、今日のラーマドぼうがそうなはずだけど、いつもやってるやり方で矯正音がしない場合、さらなる音を求めてはいけない、という事。
日頃のように音がしないのには何らかの事情があるはずで、そんな時は音を求めてはいけない。
それはそれで、体からの合図なのだ。
うん、今日は、天からの合図に率直になろう、とだけ感じ入ればいい、、。
音のしない事情を無視して矯正時の音を求めると、そこには過剰で無駄な力が患部を襲う事になる。

二つ目は、バキボキという音には本質的な意味は無い、という事を知っておかなければ。
ただただ、物事を手っ取り早く解決しようとする技術にしか過ぎない。
矯正とは矯正時の音だけを求めているんではないという事。
筋肉のバランス調整こそが矯正なんです。
それには、わんさか方法がある、、、。




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五所純子「毒をふくんで言葉で殺す」 『道の手帖 石牟礼道子』所収 河出書房新社

2015-10-18 17:54:57 | 本日の抜粋
人間国宝なんてものがあるが、徳さんは石牟礼道子が日本の人間国宝になればいい、と本気で思っている。
即座に彼女は拒否するだろうけど、、、。

日本国憲法第9条にノーベル平和賞という動きがある。
これにも徳さん、大賛成!

石牟礼道子への言及は多々ある。
特にこのような特集冊子の企画では、礼賛者、同調者の発言のオンパレードである。
その中で、少し毛色の違った文章に出くわした。

初めてのお面持時で現時点では五所さんの他の情報は一切無し。

 *****
 石牟礼道子は豊かな非情者である。つまり石牟礼道子は天賦の作家である。非情には由来がある。まず水俣病という経験は人の情けの限界を思い知らされるものではなかっただろうか。人の情けを知り抜くと人間は非情に通じる。病者たちはくりかえし逸られ追われ隠されて、そのたびに人間であるものが人の心をもっていないと確かめ、あるいは人間でないものに人心地を得て、そうして人間にくたびれ果てていく。非情の人間とは人の情けから隔たった人のことだ。これは一方で人間存在にたいする虚無的な断念へと傾かせるものでもあれば、他方では、人間存在を切々と愛でられる余裕をあたえるのではないだろうか。両者を分かつのは、人間を人間たる人間性に見切りをつけられるのかそうではないのかの違いだろう。石牟礼道子は人間性の探求を諦めきれない人なのだ。
  *****

一つの問題にできるだけ多くの人が関与出来るのが望ましい。
いろんな角度からの発言の共有化が、今、最も要求されている、、、。




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ご自分の体も労わって下され、カーフぼう

2015-10-17 19:39:42 | 本日の患者さん
8年ぶりに見えたカーフぼうは満身創痍。

子育てが中心となる家事労働と職場での激務、離れて住んでいる年老いた両親の介護。
多くの人が遭遇する生活上の課題なのだが、これらの特徴はやり出したら切りがない無いという事。
真面目に取り組む人ほど自らの身を苛むことになる。

もともとカーフぼうには、シックハウスという厄介なアレルギー体質がある。
新建材を多用した建設中の工事現場を通り過ぎるだけで症状が出てしまうそうだ。
新幹線に乗っても、新建材の影響が最も少ないデッキに立って過ごすのだそうだ。
アレルギー症状は心身の疲れと連動する。

そんなカーフぼうが五十肩を訴えて耐えきれなくなってやって来た。
もう半年以上の前からの話であるとおっしゃる。

実際に施療を始めると、他にも問題が出るわ出るわ、、、。

膝の痛み、腰臀部痛、逆流性食道炎、、、。
ともかく、触るとこ触るとこ殆どに苦痛を訴える。
まさに満身創痍!

普通こんな場合、施療対象に優先順位を付けてやって行くのだが、今回はそうはいかないようだ。
全てが慢性化し、覇をしのぎ合っている。

カーフぼうの全身と地味に付き合っていく事にする。



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上橋菜穂子 『獣の奏者 外伝 刹那』 講談社

2015-10-16 19:50:48 | 本日の抜粋
3年前の2012年9月21日の徳さんのこのブログに、この本についての〝本日の抜粋〟がある。
性懲りもなく、再出演である。

というのは、先日、以前から気になっていた近くの広島風お好み屋さんに行ったのだった。

青少年時期に広島に住んでいた関係で、広島のお好み焼きには特別の思いがある。
一時期は、近くの何でもないおばちゃんが内職稼ぎの位置づけでやっているちいちゃなお店に毎日のように通っていた。
床は土のままで、凸凹していた。
その時の、お好み焼きの味を忘れられない。
腹も減っていたんだろう、、、。

上京してから、懐かしさに駆られ何軒もの広島お好み焼きを行脚下が、ほとんどはブー。

そして今回はかなり満足。

というのは、焼いてくれるオカミさんの振る舞いに答えがある。
忙しさもあるのだろうが、かなりアバウト!
戦後の食糧難の中で生み出された広島お好み焼き!
マニュアルがあるようで微妙にないのが本道なのだ。

さて、その帰り道、いい気分で、その店の近くの古本屋を冷やかした。
で、安い値段で出くわしたのが、かつて読んだことのある『獣の奏者 外伝 刹那』

今回はエリナの出産シーンの描写に圧倒された。

徳さんがあれこれ言っても始まらぬ。
読んで下され、この部分。
P138 ~P143の描写だ。



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南伸坊 『仙人の壺』 新潮文庫

2015-10-14 20:35:13 | 本日の抜粋
南伸坊さんが中国の何百年も前に書かれた怪奇譚に寄せて、軽妙な漫画と文章で紹介してくれてる。

そのほとんどが意味不明。
教訓もなければ、説得もない。
ただ、こんな怪異な出来事がありましたとさ。
という事の羅列。

伸坊さんは、ことの外こういうのがお好きなようで。

でも、教養だけはたっぷりある。
奇妙で独特な人との交遊関係もぶ厚い。
この本は、古代中国と現代日本がどこかでシンクロしてる事を伺わせる。

この怪異譚から伸坊さんが読み取った中国人感は、

  *****
 中国の志怪小説のたぐいを読んでいて、いつも気になるのは、人々が妖怪と呼ばれるようなものに、ひどく乱暴であるところです。
 まるで情容赦がない。妖怪らしきものが出た途端に、考えもなしにいきなり棒でぶつケースが多い。
 何も、そんなにぶたなくても……と思う。これは私が自分の顔をやや妖怪よりに認識しているというだけでなく、むしろ、日本人と中国人の違いという気がします。
  *****

でも、今回、本当に伝えたかったのは、このイラスト。



東京オリンピックの打ち続くエンブレム騒動。
どうだ、参ったろう?




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船戸与一 『砂のクロニクル』 新潮文庫

2015-10-13 17:32:02 | 本日の抜粋
平和というものはありがたい、ナンマンダム。
腑抜けだと罵られようと、日々、生活のことだけを考えるのが人間の本態だ。
人間以外の生き物を見よ!
それで、いいのだ。

戦後70年、徳さんたち日本人の多くは戦争なるものを知らない。
人間の記憶というものが何歳頃から成立するのか知らないし、人によって違うのだろうから、5歳位からとして75歳以上の人しか戦争の記憶がないということになる。
高齢化社会で75歳以上の人はまだまだ多く存命だが、戦争時の話を積極的にしてくれる人は稀だ。
徳さんも父母から戦争時の話を聴いた記憶がない。

で、日本人のほとんどは戦争の実態をほとんど知らないことになる。
数少ない資料と数少ない証言者の言葉を頼りに想像するしかない。
そう、日本人の戦争感は現実性に乏しい。

でも、徳さんたちは身近に平和というものがある、ナンマンダム。
そんな地平から世界にものを言っていいのか?

日本と真逆の位置に置かれている地域が世界には多々ある。
生まれ落ちた時から、彼、彼女の世界は戦争まみれ、という世界が。
生まれ落ちた時から死が身近である世界が。
物心着いた時には、親しい人の何人かが殺されている世界が。
憎しみや、怨念が渦巻くのが当然の世界が。
しかも、時の世俗権力がそれを巧妙に利用する世界が。

今、現時点でこのような風景が宇宙的規模で増殖中である。
勿論、かつて見た光景の亜種ではあるのだが。


解決法なんて見つからない!

でも、消え入りそうな炎はチラチラと揺らめきを絶やさない。
中村哲しかり。
国境なき医師団しかり。
ある種のNPOしかり。
日本の憲法9条しかり。

筋金入りの硬派、船戸与一、に対抗して途轍もない軟派からの提言でした。

  *****
「どうして武器商人になった?」
「少なくとも、おまえがゲリラになったような理由じゃねえ。札束が欲しかったことは確かだが、しかし、ただそれだけでもない。見えない糸に操られるように、おれは武器商人になった」
「恥じているのか、商売を?」
「ばかなことを言わんでくれ。おれは武器を商ってきたせいで、世界の裏っ側に隠されているいろんなものが見えてきたんだ。まっとうな稼業で暮らしてりゃ、ほんとうのことは何も知らずにただ老いていくだけなんだ。後悔したことなんか一度もねえよ」
*****

ああ!この小説の最終場面は圧巻でござった、、、、。



本日のおまけ

船戸与一が作家デビューする前に豊浦志朗というペンネームで書いたルポタージュ『硬派と宿命』について、〝松岡正剛の千夜千冊〟というブログから。

1925年と1930年にクルド人は武装蜂起したが、トルコ軍によって容赦なく鎮圧されて、アララット山麓が血で染まった。その後、1946年にイラン西部のクルド人の聖地マハバードで、かれらの手によってクルディスタン共和国という“幻の共和国”が樹立された。まさに希望の国だった。けれども、これはたった11カ月でイラン軍に倒壊され、指導者は公開処刑された。
 クルド人への弾圧は続く。1988年、ハラブジャブ地方で毒ガスによる住民虐殺がおこった。死者5000人、負傷者10000人にのぼった。これはイタリア軍によるものだった。ごく最近ではサダム・フセインによるクルド地域の弾圧がある。クルド人の難民はこれで引き金をひかれたわけである。


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独特な痛がり方、ユードぼう

2015-10-11 19:47:32 | 本日の患者さん
友人に連れられてやって来たユードぼう。
ニューヨーク在住で、当地でキックボクシングのエクササイズの指導をされている。
40代のおばさまである。
ともかく、たくましい生き方だ。

話を聞いているうちに、旦那がか弱いオノコであることが判明。
重い荷物はユードぼうが持つのだそうだ。
そんな意味でも、実にたくましいユードぼう。

今回、友人の結婚式に参加するため帰国されたとのこと。

腰痛と右膝の痛みを訴えられる。

背骨を拝見すると、腰椎の右側湾と過前湾がある。
側湾に関しては、単純な注意で改善できる。
問題は腰椎の過前湾。

年齢とともに体重が徐々に増加傾向を示しているユードぼう。
バランスを保つため、無意識のうちにお腹を突き出した姿勢になっている。
その方が安定するのだが、腰椎の下方の椎間板はあらぬ圧力を受けて薄くなってしまっている。

徳さんの施療方針は相変わらず単純、簡明。
ただひたすらに、椎間板のへの圧力を解除するよう筋肉を押したり引いたり、ストレッチしたり、、、。
この時、ユートぼうに若干の苦痛を強いることになる。

その時のユートぼうの痛がり方には、一緒に来たウードぼうの友人共々大笑いしてしまった。
アメリカ仕込みの遠慮のない表現。
キックボクシング仕込みの華麗な足のバタツキ。
これをフットワークと呼ぶのだろうか、、、。

ともかく、楽しませていただきました、ユードぼう。
ユードぼうの辛さが改善されていることをお祈りしております。


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坂口安吾 『肝臓先生』 角川文庫

2015-10-10 19:21:40 | 本日の抜粋
あの坂口安吾だ。
徳さんなどに口を挟む余地なし。
ただある部分を紹介するだけだ。
抜粋は「肝臓先生」の中の伊豆伊東の漁師の描写部分。

  *****
 こんなわけで、私は魚市場から登ったところにある烏賊虎さんの2階に五日間泊めてもらった。私は、できるなら、5年間でも泊まりたいと思ったほどである。
 漁師というものは、実にあたたかくて、親切なものだ。オ早ヨウ、だの、コンバンワなどの月並な挨拶は全然やらない。ほかに気の利いた代用品を用いているわけではない。つまりゼンゼン喋らないのである。どんな親しい間柄でも、黙って往来をすれちがう。頭も下げない。彼らは魚に同化して、ムダなことは喋らなくなっているらし
い。魚が挨拶したら、おかしなものだ。
  *****

  *****
 烏賊虎さんは棒受け網の小頭で、漁期は連日朝の二時にでて、夜の十時に帰る。家でねむることはない。黙って家へ戻ってきて、手拭いをとって銭湯へ行き、なんとなく四時間たって、だまって出かけるだけである。彼らが魚に同化する理がわかるであろう。
  *****

  *****
そして彼らは、海水でといだご飯が陸上のそれとくらべものにならないほど美味であることを知り、釣りたての生きた魚には魚の臭気がなくて、かみしめる内に甘さがこもり、人にたべてもろうための心尽くしの数々がこもっていることを知って満足するのである。
  *****


徳さんは、不知火海の漁師たちを思い浮かべてしまった。
水俣の話だ。
「無塩(ぶえん)の魚」といって、地元漁師の至福の饗宴であった。
漁に出るささやかな小舟に七輪などを持ち込んで、、、。

水俣病発生以来、人間の最高の贅沢が卑しめられ続けている、、、、。



本日のおまけ

昨日の毎日新聞の夕刊に載っていた記事から。
(この、夕刊という取扱いに、毎日新聞社の現場と経営陣の確執が伺える)
“本土「常識」の誤解  辺野古移設は仕方ない?”より

 あくまでも民意に耳を傾けないのだろうか。「反対」の世論を押し切って安全保障関連法を成立させた安倍晋三政権である。永田町から目を転じれば、沖縄県民の声を無視して米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を強行している。だが、私たちもどこかで「辺野古移設は仕方がない」と思っていないか。ヤマトンチュー(本土の人)の「常識」を検証する。

 ◇その1 「日本の抑止力維持のために必要だ」

 軍事費を膨らませる中国がコワい。最近は周辺国と領有権を争う南シナ海の岩礁・暗礁を埋め立てて軍事拠点となり得る人工島を造っている。ならば尖閣諸島を守るはずの沖縄の米軍基地を減らせず、辺野古移設はやむを得ない--という「常識」だ。

 「不勉強も甚だしい。普天間飛行場は米海兵隊の航空部隊の拠点だが、そもそも沖縄の海兵隊に日本を守る抑止力(他国に攻撃を思いとどまらせる反撃能力)はないんだ」と諭すのは、元朝日新聞記者で、冷戦期から防衛問題を取材してきたジャーナリストの田岡俊次さんだ。

 「沖縄の海兵隊の大半は補給・医療などの後方支援部隊で、戦闘部隊は2000人規模の『第31海兵遠征隊』だけ。その主力の歩兵1個大隊はわずか800人ほどです。しかも装備は装甲車が21両、大砲6門、戦車はゼロ。普天間飛行場配備の航空部隊(第36航空群)は、新型輸送機オスプレイ24機とヘリコプター10機あまり。この程度の兵力で戦争はできない。海兵隊の駐留は北東アジアの有事・騒乱時の在留米国人救出が主な目的なんです」

 田岡さんによると、日本に関わる抑止力の柱は、横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備された原子力空母など、米海軍第7艦隊だ。「尖閣諸島に限らず、島国を守るには制空権・制海権の確保が重要ですが、上陸作戦専門の海兵隊にその能力はない。海兵隊は抑止力にならず、辺野古はもちろん、沖縄に駐留する必然性もないんです」

 海兵隊を運ぶ揚陸艦4隻は佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備されている。田岡さんは「この周辺に海兵隊の歩兵・航空部隊を移すのが合理的」と説明する。「付け加えれば『1992年にフィリピンから駐留米軍が撤退したから中国が南シナ海に進出した。だから沖縄の基地は減らせない』と言う人がいるが誤り。中国の進出は87年からです」

 ◇その2 「基地があるから国に優遇されている」

 この「常識」、うがった見方をすれば、国は他地域より多くの予算を沖縄に回している、だから沖縄は黙って辺野古移設を受け入れろ、というニュアンスを感じる。

 「誤解の最たるものだね。少し勉強すれば分かるはずだが……」。沖縄4区選出の衆院議員、仲里利信さん(78)はため息交じりに語る。元県議会議長で自民党沖縄県連顧問も務めた沖縄保守政界の重鎮だが、辺野古の基地建設に反対して自民党から除名処分に。昨年末の衆院選で、建設容認派の自民党前職を破り初当選した。

 その仲里さんが解説する。「確かに沖縄県には内閣府所管の『沖縄振興予算』があるが、72年の本土復帰まで国の予算措置や国土開発がなされなかったため始まった制度。でも振興予算の半分は那覇空港整備や不発弾処理など、国が本来やるべき事業や各中央省庁の直轄事業で、これが『振興予算』の名前で入り込んでいる。本当に県が沖縄振興に使えるお金は多くはありません」

 県によると、2013年度決算では、振興予算(3337億円)を含む国庫支出金と地方交付税交付金の合計額は7330億円。これは県民1人当たり換算で全国6位で、これまで1位になったこともない。飛び抜けて沖縄が優遇されているとは言えないのだ。

 さらに「基地がないほうが沖縄は豊かになる、というデータもある」と仲里さん。80〜87年に返還された県内3地区の旧米軍用地の経済効果が、返還前後でどう変わったかを県が推計したものだ。返還前の年間の基地関連収入は3地区で計90億円だったが、返還後は跡地にショッピングモールなどが建てられ、経済効果は2436億円に膨らんだという。

 「辺野古移設を認めた仲井真弘多前知事ですら06年、基地による経済効果1800億円に対し、基地全面返還による経済効果は1兆7000億円と推計した。基地がないほうが沖縄は確実に発展します」(仲里さん)

 ◇その3 「『独立論』は空論。新基地を押し付けても沖縄は政府に逆らわない」

 昨夏、英スコットランドで英国からの独立の賛否を問う住民投票があり、反対派が僅差で勝った。この選挙戦を沖縄のメディアや大学研究者らが現地視察していたのはあまり知られていない。沖縄出身の龍谷大教授、松島泰勝さん(地域経済論)もその一人で、沖縄を琉球と呼ぶ。沖縄では今、日本からの独立を目指す論議が深く、静かに進んでいると語るのだ。

 「これまでの独立論は居酒屋談議でしたが、今は違う。13年には政治・経済や国際法の研究者らで『琉球民族独立総合研究学会』を設立し、技術的・学問的に真剣に研究されています」

 背景にあるのは、復帰から43年たった今なお、在日米軍専用施設の74%を押し付ける本土の犠牲になるのはもうごめんだ、という思いだ。さらに昨年、名護市長選から県知事選、衆院選に至るまで、辺野古移設反対の明確な民意が示されたのに、政府が移設を強行したことが決定打になった。

 「第二次世界大戦後、多くの植民地が独立しましたが、各宗主国憲法も日本の憲法同様、独立を認める条文はありません。ですが、多くの国は国際法に基づき、国連支援下で平和的に独立した。琉球も法的に可能です」

 道筋は3段階。(1)独立を求める沖縄世論を形成し、国際社会に基地問題の深刻さをアピールする(2)県議会が、植民地独立を支援する国連・脱植民地化特別委員会のリストに沖縄を登録するよう求める議決をした上で、同委や国連加盟各国に登録を働きかける(3)登録後に国連監視下で独立を問う住民投票を実施する--という流れだ。

 「琉球は日本と文化も民族も異なるれっきとした独立国でした。ですが1879年、日本政府は琉球に軍隊を送り、武力で脅して併合した。これは当時も今も国際法違反です。現在も日米が基地を置くために利用している。植民地と全く同じです」

 独立後は琉球のトップが国家元首として米大統領と直接交渉し、基地撤去を求める。日本から独立すれば沖縄に基地を置く法的根拠はなくなるからだ。「仮に辺野古移設を強行すれば琉球人の心はいよいよ日本から離れ、独立の動きが加速します」と松島さんは断言した。

 ◇その4 「中国と日米は対立している。日米同盟の堅持に移設は不可欠」

 中国の南シナ海進出に米軍高官らが批判を強めている。日本国内にも、米国が中国を仮想敵とするのは心強い、とばかり「米中対立」を期待する向きが一部の保守層、メディアにある。だが前出の田岡さんは「米中の武力紛争はあり得ない」とあきれるのだ。

 米国にとって中国は世界一の米国債保有国であり、ドイツの国内総生産並みの3兆5000億ドルの準備外貨の大半を金融市場で運用してくれるお得意さんだ。

 「しかも米航空機・自動車業界は中国市場が支えているし、中国にとっても米国は最大の市場かつ投融資先。ガチガチの相互依存関係です。中国を仮想敵にしたいのは存在感を高めて予算確保したい米海軍や、日本の外務省や保守派と仲が良いリチャード・アーミテージ氏ら古い世代の米国防関係者だけ。米政府は中国に『苦情』は言っても、対立は避けたいのです」。だから米国は繰り返し日本に中国との関係改善を求めているのだ。

 「辺野古移設が頓挫しても海兵隊は困らない。横須賀、佐世保両港は米国の制海権を保つのに欠かせず、基地の維持費を出してくれる日本との同盟を米国は手放さない。辺野古移設にこだわる必要は日米ともにないんです」

 これでも、辺野古移設は「仕方ない」と言えるのだろうか。【吉井理記】



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ぎっくり腰を訴えるテート坊であるが、、、

2015-10-07 19:06:28 | 本日の患者さん
テートぼうご自身の判断はぎっくり腰。
でも、違った。

実はぎっくり腰というのは五十肩同様俗称で、整形外科のお医者さんならカルテに急性筋・筋膜炎と書く。
しかしこれも症状に追随した命名であまり感心しない。

徳さんは、ぎっくり腰を正式な病名にするべきだと思っている。
ある動作をして突然腰にギクッとショックを感じて、その後激しい痛みに襲われ、ひどい場合は身動き出来ない。
それだけで、ぎっくり腰と断定していいように思う。
問題はショックの有る無しだ。

何故こんな事が起きるのか?
問題は左右の腰背筋群の能力の差だ。

脳はその事を知らない。
現場の筋肉達の能力差をご存知ない。

左右50、50の配分で行動しなさいと指令を出す。
ところが、現場は左右の筋肉に能力差がある。
脳の設計と少し違った運動が現場では行われる。
その時、背骨周囲の小さな筋肉の膜や靭帯の膜が怪我をする。
怪我だから放っとけば治る。
ただ繰り返すだけだが、、。

徳さんは、ぎっくり腰をこのように勝手解釈している。

さて、テートぼうの場合はどうなのか?

10日前から、腰の辺りに痛みを感じ出した。
その痛みが昨日から急に強まった。
その、急って感じを指してぎっくり腰と判断されたようである、、、。

学生であるテートぼうの話を聞くと、毎日10時間位は椅子に座って勉強しているんだそうだ。
これでは腰もやって行けません。
コップから水が溢れるように腰痛がやって来たのでした。

という事で、テートぼうの腰の痛みは、慢性腰痛。
過酷な使われ方をされた筋肉が炎症を起こしているようだ。

テートぼう!自分の筋肉にやさしい態度を願います!



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東野圭吾 『天空の蜂』 講談社文庫

2015-10-06 18:01:19 | 本日の抜粋
この小説『天空の蜂』が刊行されたのが1995年。
原発がテロリストに狙われる事を想定して書かれたものだ。
東野圭吾の内心はともかく、原発の問題点を核廃棄物の問題を除いては、ほぼ網羅的に客観的にあぶりだしている。
というのは、高速増殖炉を推進する立場の人間に十分に論を展開させたり、テロリス自身が高速増殖炉施設の安全性を信頼した上での犯行となっている。
だから、この小説自体は、原発そのものに真っ向から反対したものとはなっていない。
問題点を材料にしているだけだ。
もちろんストーリーテラーとして、読者に存分のハラハラドキドキをさせながら、、、。

しかしこの時、東野の他の作品に比べてマスコミの対応は実に冷ややかだっという。
東野自身があれほど、冷静な中立的態度を取ったというのに、、、。
「原発タブー」がその時すでにマスコミ界を支配していたようである。

東関東大地震による福島第一原発事故が起きる16年前の話である。

『天空の蜂』刊行後20年、それがやっと映画になったという。
3・11で解禁されたのだろう。
この時のマスコミの動きはさすがに無視じゃない。

「メディアが話題にしたのは江口の妻・森高千里の“美脚”話や、作品のラブシーン、そしてアクション場面ばかりが強調され、肝心の原発やテロといった内容については、きちんと取り上げられることがあまりなかった」(映画評論家)

といった具合で、物事の関心が本質からはぐらからされる。
これも、蘇った原発タブー。

  *****
 三島は、良介の苦痛も智弘の死も、同じところに原因があるのではないかと思えてきたのだった。彼等はどちらも被害者なのだ。ではその害の根源はどこにあるのか。
 そして彼は思い出すのだった。いじめの有無を確認するために、かつてのクラスメートたちに会った時のことだ。彼らのあの仮面のような顔が瞼に蘇った。
 あの顔は子供だけのものではないのだ、と気付いた。大人になってからも、多くの者はあの仮面を手放さない。やがて彼等は「沈黙する群衆」を形成する。
 答えを得たと三島は思った。もはや疑いの余地はない。智弘は彼等に殺されたのだ。
 本当の闘いはそれから始まった。
  *****

 


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