カイロじじいのまゃみゅむゅめも

カイロプラクティック施療で出くわす患者さんとのやり取りのあれこれ。

太宰治傑作選 『奇想と微笑』 森見登美彦編 光文社文庫

2015-10-23 16:30:19 | 本日の患者さん
自分が太宰治なんかを語っちゃいけない、というブレーキが何処かで踏まれているのを感じる。

たとえば「服装について」から

  *****
われながら甚だ唐突で、ひどくてれくさかったけれど、私は自分に零落を感じ、敗者を意識する時、必ずヴェルレエヌの泣きべその顔を思い出し、救われるのが常である。生きていこうと思うのである。あの人の弱さがかえって私に生きて行こうという希望を与える。気弱い内省の究極からでなければ、真に崇厳な光明は発し得ないと私は頑固に信じている。とにかく私は、もっと生きてみたい。謂わば、最高の誇りと最低の生活で、とにかく生きてみたい。
「ヴェルレエヌは、大袈裟だったかな?どうも、この着物では何を言ったって救われないよ。」やり切れない気持ちであった。
  *****

(もちろん徳さんはヴェルレエヌの泣きべその顔を知らない)
こんなところを読まされると、何となく元気が出てくる気もするが、それを人に言うことには少し躊躇していまう。
だって、気障だし、気恥ずかしいじゃないか。

こんなふうに、人の心の弱い部分を太宰自身を餌に剥き出しにしてしまう。
自分の心を改めて覗く思いに晒されるからついつい次のページをめくってしまう。

一番気に入ったのは「貨幣」
一番感心したのは「女の決闘」




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