土曜日は児童虐待防止協会の設立20周年の記念フォーラムに参加しました。
シンポジウムのパネラーにスクールソーシャルワークに関わっておられる弁護士の峯本先生が入っておられたので、是非参加したいと思ったのですが、基調講演といい、シンポジウムといい、とても充実した内容で有意義な時間でした。
基調講演を話された小児科医でもある小林美智子先生のお話に何度も涙が流れました。
先生は、法整備が充実してきたのはいいが、関係機関の役割が支援ではなく介入になっていることをとても残念だと言われていました。
被害に遭うのは子ども。
だから虐待をする親を責め、罪を背負わせるのでは何の解決にもなりません。
なぜ虐待をするのか。
なぜこんな悲劇が繰り返されるのか。
そこを考えない限り虐待はなくなりません。
虐待を受けた子どもたちは、虐待を受けたことより、それを知っている周囲の人たちが何もしてくれないことに傷つくと言われていました。
虐待に目を向けるより、子どもたちの孤独な思い、寂しい心を埋め、適切なサポートすることが長期間にわたって必要であるともおっしゃっていました。
そして加害者である親の支援・教育にいかに取り組むか。
世代間連鎖を断つためにも子どもも親も「育ち直し」が必要なのでしょう。
峯本先生は、学校での問題から見える現状と背景について話をされました。
家族や親が抱えた課題として、貧困、精神疾患、ネグレクトの一方で過干渉・過保護・過度の期待、家事スキル・対人スキルの乏しさ、人格障害などがあり、その結果として子どもたちが自尊心を持てず愛着障害を起こしていると言われました。
またこれは私も同意見ですが「発達障害」について、発達障害は先天的なものと言われていますが、家庭環境や子育ての影響で後天的に発達障害様になっている子どもも多いと話されました。
私もこの「二次障害」をとても重要視しています。
発達障害と診断を受けるとどうしても個別の支援になりがちですが、こうした事例では集団スキル、対人スキルを身につけることも重要だと先生は言われました。
行政からのレポートをされたおふたりは、二市の取り組みについて話をされました。
日本は母子保健と義務教育制度はとても充実しています。
100%に近いアクセスとなるわけで、ここでリスク群を発見し、支援をしていくことがとても重要だと思います。
ただ、就学前の支援が小学校に入ると途切れる。
また閉鎖的な学校での福祉的支援が行き届かない。
これらタテとヨコの連携については行政がしっかり腰を据えて考えていかなければならないと思います。
社会資源が足りない今、在宅での支援をどう充実していくか。
その時もっとも重要なのはマンパワーでしょう。
社会資源の専門性についても問われていましたが、質の高い多数の専門家が養成される必要があります。
また評価されるシステムも必要かもしれません。
私たちがやるべきことはまだまだたくさんあります。