今日、眼科で眼底を開く目薬を差してもらって待機していたら、見たことがある人が…
私は12年前のちょうど今ごろ、今の主治医の下で入院していた。
「計画妊娠のための教育入院」
これが初診で先生がパソコンに入力した入院目的の名目だった。
インスリンの導入が始まって、親しくなった人と桜の下をよく散歩した。
入院したのは確か2月29日(オリンピックイヤーなので)
同室になった人のことは今でもよく憶えている。
私が退院した直後に亡くなった方(DMではなかった)の息子さんは、その年のオリンピックの選手だった。
信楽の列車衝突事故で一番被害の大きかった一両目に乗っていた、という患者さんもいた。
そして、今日あったおばちゃん。
「なんでこんなところに入院してるの?若いのに…」
まだ、最初の流産から立ち直れず、何の知識もなく、心いっぱいの不安を抱えていた入院初日の私に訊ねた。
「赤ちゃんが欲しいので、血糖をコントロールするための入院です」
すると無邪気?にこう言った。
「ああ、糖尿の人って変な赤ちゃんが産まれるのよね」
本当は無神経だと言いたいけど、この人は無邪気にこう言ったのだ。
今から妊娠・出産に臨もうという私に対して。
この人はこのとき50代くらいで、すでに長いインスリン注射歴があった。
糖尿病の患者さん同士の会話でこんなのもある。
「え?おたくも糖尿?え?インスリン打ってる?それは重症やね。A1cは?」
「6%です」
「ふーん。私は8.5%だけど、薬飲んでるだけやから…」
笑えないホントの話。
これを聞いた当時は私の心の中は【治療方法】ではなく【A1c】がコントロールの
指標だった。
そして今はA1cだけで判断してはいけないと思うようになった。
低血糖多発でA1cが低くなる場合や振り幅のことも考えるようになった。
1型と2型の間にも壁がある。
「区別」は必要。
でも「差別」になってはいけない。
これが私の考えだ。
そして糖尿病に限らず。
私たちが他の病気に対して知識を持たないまま、偏見を持つこともある。
多様な視点を持つようになると、こんな無神経な言葉も笑って(いやそれは無理かな)流せるようになる。
じつはこのおばちゃん。
先日も私の内科通院先でみかけた。
実は…
主治医は一緒です^^;(だから眼科はふたりとも元の通院先に通っているということ)
たぶん、先生の主治医歴は前の前の病院からなので、私なんかよりずっとつきあいは長いはず。
でも、笑い話にできる日が来るとは思わなかった…