私の通院先では毎月、外来患者を対象として、糖尿病教室が行われている。
毎月金曜日なので参加は不可能だったのだけれど、たまたま眼科の予約が午前に入っていて休みを取ったので、参加することにした。
でも私は、このタイトルがとても気に入らなかった。
些細なことかもしれないが、医療側がどういう視線・姿勢なのかを、こうした表現の中に感じてしまうからだ。
医療サイドはそこまで深く考えていないかもしれない。
でも、本当に患者の心に寄り添おうと思うなら、表現や目線などにも配慮し、「深く考える」ことが必要なのだと私は思う。
患者さんの参加者は数名。
そのほとんどが決して肥満ではない高齢者であったと思う。
内容は無難なもので、表現はかなり緩和されていた。
しかし、端々に依然変わりない栄養指導が垣間見える。
たとえば、
【主菜がふたつ出たら、お魚かお肉のどちらかを残すとか…】
【トンカツを食べる時は衣をはいで…】
こんなバカバカしい話が未だに出るなんて。
ビデオに出てきた男性は働き盛りで決して肥満ではなかったと思う。
ビデオの内容は決して悪くはなかった。
しかし彼が外食のシーンで、
【僕が指示されているのは1600kcalだから…」
とつぶやく場面があった。
そもそも彼が1600を指示される根拠って何なのだろう。
仮に【身長(173)×身長(173)×BMI標準値(22)×運動指数?(25)】で計算すると1646になるので、おそらくそんなことだろう。
じゃあこの人は毎日1800とか2000食べたら肥るんだろうか?
私はそんなことはありえないと思う。
肥るということは1600を守れないということではなく、均衡が保てなくなる個々の基礎代謝のラインを見極めることが大事なのだと思う。
1日の中でつじつまを合わせろと言うけれど、それはカロリー管理、すなわち体重管理の話じゃないだろうか。
患者さんが聞きたいのは、まずは血糖を上げない方法ではないのかな?と思う。
自分ができないことを強いてはいけないと思うし、最後に先生が言った言葉に(これは理由があって書かないけれど)患者さんの多くが深く深くうなずいていたように、体重管理と血糖管理、それぞれの目的と方法について、医療側が明確に区別して指導や説明ができないことが今の日本のDM医療の課題ではないかと私は思う。
(だから、1型の患者さんに好きなだけ食べていいとしか言わないのも、本当は問題があると思うのです)
結局は糖尿病患者を苦しめるのは、糖尿病そのものだけではないだろうし、先生が最後に話してくれたことは、患者ではなく、私たちの後ろに座っていた医療従事者に響かないといけないと思う。
ただし、私は全部を否定するつもりはなくて、こういった教室や講演を聴きに行くと、初心に還れるし、ヒントもたくさんあるということは補足しておきたい。
最後に先生がみんなに外食の工夫について聞いていった。
私は発言する気は全くなかったのでずっと下を向いていたら…
名指しするかな…orz
「基本は炭水化物管理です」
と言ったら、
この前私がここに書いた内容の半分くらいを説明してくれた。
患者さんはここでも深く深くうなずいていた。
経験で気づいていることを否定されるのと、きちんと根拠を説明してもらえるのとでは、私たちの受け入れは全然違うのだもの。
でも先生。
カーボカウントはインスリンを打っている人のための考え方だけれど、「炭水化物管理」は誰もが実践できる摂取の工夫も含む話で、GIじゃなくても、工夫次第で急激な血糖上昇は抑えられるんじゃないか…私は本当はそこまで言いたかったのです。
先生、カーボカウント教えてあげてって栄養士さんに振ってたけど、たぶん無理でしょう?
私はまだ栄養士さんには期待できないなあ~
あそこでそんな意見を出した私とそれに反応していっぱい説明した先生は、もしかしたら浮いていたかも…(笑)
眼科は特に異常がなく、安心した。
病院は、はしごしたけど、2人の先生と2つの分科会の話ができたので、効率のいい1日でした。
でも準備はこれからなのだ。
気ばっかり焦って間に合いませぬ。