岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画『マリウポリの20日間』を観て。その2

2024-06-04 07:15:09 | 映画・DVD 

マリウポリ包囲作戦はロシア軍の計画通りに成功しました。

しかし製鉄所に立てこもる部隊の奮闘もあり鎮圧に5月までかかりました。9割の建築物が破壊されました。

その後、住民の人々はロシアに送られていったと思われます。切れ切れの情報が伝えられるのみです。

マリウポリの人口は30数万人と言われていますが、もう住める街ではありません。

約10%の人は亡くなったと言われています。

ロシアに連れていかれてそこで生活を始めている人も10万人以上いるのでしょう。

根こそぎ破壊された住民がいなくなった街は放置されるかまったく新しいをつくるしかありません。

ロシアが占領する限りです。いままでもロシアには強制的に人口を移動をしてきた歴史があります。

ウクライナが奪還すれば元の街に近い形で再建することも考えられますが。

 

この映画を制作したチェルノフ氏は、AP通信社のビデオジャーナリストでウクライナ東部の出身です。

世界の紛争、社会問題を取材してきています。

ウクライナ戦争の一方の当事者であり目撃者そして報告者です。

この映画(アカデミー長編ドキュメンタリー賞を獲得)をつくるために現場にいたわけではありません。

映像レポーターとしてマリンポリに滞在していたのです。

ロシア侵入第一日目は、遠くの爆発から始まります。そして飛来する戦闘機やミサイル。逃げ惑う人々。

なぜこんな目に遭わなければならないのかと破壊した自宅を後にする人々にもインタビューしています。

記者に怒りをぶつける人もいます。

電波状況も最悪です。通信施設が破壊されているのでしょう。ピンポイントで発信できる場所があります。

細切れに映像が送られていきました。

その映像が世界に配信されていったのです。

街中に戦車が侵入し集合住宅を破壊する様子もここで撮られた映像です。

テレビ画面では観ていたのですが、映画館の大画面と大音響に中で疑似体感するのは大違いです。

シェルターの中、また街角のスーパーや商店で略奪する住民の姿も撮影しています。

記録できるのものすべてを残そうというジャーナリストの使命感の持ち主です。

さらに被害の最先端ともいえる病院の中へとカメラが入っていきます。

瀕死の状態で運び込まれる人々。

医師や看護師が懸命の治療するも息絶える人々。

医薬品も足りない。絶望的な状況にへたり込み涙する医師。

映像は細切れにマリンポリから発信され続けます。

 

ところがその映像はフェイクだと主張する人々(国)が現れます。

 

続きます。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

ウクライナに平和を!

 

見出し画像は「五香宮の猫」想田和弘監督のポスターです。

 



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