岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

『ライファーズ』坂上香監督作品を観る。

2014-11-24 20:09:05 | 映画・DVD 
「映画というのは他にはない表現のジャンルだ」。
最後の銀幕のヒーロー高倉健さんの言葉ですね。
確かにそう思う。

今日、岡山市内山下小学校校舎(学舎ではなくなっている)で上映され『ライファーズ』。
確かにこのドキュメントは映画でしか表現できないだろう。
文章でも書くことはできるだろうけれど、知らない風景を文字から忠実に想像することは不可能だ。


タイトルのライファーズとは、米国の終身受刑者のこと。
米国には、300万人の受刑者と13万人を超える終身受刑者がいるという(2002年)。
100人に一人は刑務所に入っている勘定です。

「罪を償う」とはどういうことか。
「更生」ということはどういうことか。
安全な社会を築くとはどういうことか。
解説の文章から

そんなことを悩みぬいたことはない。
というのが私だ。
たぶん、あなたも。

そのことを真剣に考えるべきなのはこの社会にする人間すべてでなくてはならないはずだが、
実際に考えているのは、当事者だ。

アミティという治療共同体がある。
AMITYはラテン語で「友情・友愛』を意味し、米国・アリゾナ州を拠点とする犯罪者やあらゆる依存症者の
社会復帰を支援するNPO


スタッフの多くは以前、受刑者だった体験を持つ人たち。

アミティのプログラムを受けた後、専門的なトレーニングを受け、カウンセラーの資格を取り、インターンを務めた後、
ようやくスタッフとして認められる、というのが典型的なパターンだ
そうだ。

確かに葛藤の少ない人生を過ごした人ではとても対応できない活動だ。

掘り下げて考えるべきテーマだと思う。
この地上に生きているすべての人間は仲間だから。
心が通じ合う仲間だから。

このような映画を作り上げた坂上監督に敬意を表したい。


観る機会がおありならぜひ観てください。


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