岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【日本へ】欧米の若者が向かう② 石井十次 その六

2005-02-11 10:06:02 | 石井十次
十次は、その人々とたちまち意気投合してしまう。

これは、新たなテーマではあるが、武士の禁欲的生活と
プロテスタントの禁欲的生活に共通点があり、互いに
人間として尊敬できる基盤があったのではないだろうか。
(ラストサムライにその雰囲気を感じる。オールグレン大尉は
敬虔なキリスト教徒ではなかったかもしれないが)
ちなみに、十次は士族の出身である。

さてさて、あらぬ方向へ話が進んでしまった。

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来日した若者から、多くの欧米の情報がもたらされ、
その中から十次の思想の「ある部分」ができ上がって
いく。
(このようなもったいぶった言い方になったのは、
彼の価値観は、キリスト教徒のそれとは、かなり違う。
日本固有の思想と深く結びついている。このあたりを
うまく説明する力は、今の私にはない)

前に記した、軍平に訳を頼んだウイリアム・ブースの
著作は「最暗黒の英国と出路」である。日本語訳が発刊
される前に、欧米の友人から受け取った書物を、自ら
訳す時間もなく、英学校の学生に頼んだのだろう。
そして、その学生が、十次以上に天命を感じたということ
である。
(軍平は十次に代わって救世軍に会うことになるのだが、
十次自身は、救世軍に天命を感じることはなかったのでは
ないか。「私の道ではない」と思ったと察する)
十次の欧米の仲間についてこれから書いていくことになるが、
彼のすごいところは、彼らの信仰の日本の体現者になるの
ではないということにある。
十次は、逆に彼らを動かして、自らの事業の強力なスポンサー
にさせてしまうのである。
それだけの求心力が彼にはあったのだ。

その求心力についても、おいおい書いていくことになるけれど、
まずは、十次の欧米の仲間の登場である。

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1 コメント

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軍平は筆記係。 (岩清水)
2010-09-15 21:54:33
訳読は山本徳尚、筆記役が山室軍平とのこと。
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