ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

献身

2012-11-29 | ほとほと日記
今、私のホームの会スタッフたちは献身的に働いている。

感染症が広まらないように身を挺して働き、自分が床に臥せっている。

そうなった彼らに経済的にも精神的にも補償がないというのは、明らかな不正義で、おかしなことだ。

微力だけれど、そういうことを少しは世間に訴えて行きたいと思う。

健康と幸せ

2012-11-28 | ほとほと日記
今月の初めに職場で受けた健康診断の結果を、今日受け取った。

去年に比べて体重が7キロ増えて、腹囲も5.5センチ増加した。
コレステロールの値もあまりよろしくないし、尿酸も上がっている。
そのほかにも「要検査」や「要治療」のところがあり、総合判定は1年前に比べると格段に後退した。

もっともこれは分っていることでもある。

去年の夏からスポーツクラブに通い始めていたこともあり、健康診断のあった中秋頃には肉体的にはかなり良い状態だった。
しかし、その頃から職場の人間関係の圧力は日に日に増していき、去年の暮れ頃には、本当に苦しくなっていた。

それに比べれば、現在は比較にならないくらい精神的に楽である。
精神的に楽になった一番の要因は、もちろん職場の人間関係の良化だ。

しかしそれだけでなく、様々な「気持ちが元気になる治療」の効果もある。
ところが治療には副作用が付き物でもあり、今回の数値の悪化はその反映といえるのだ。

身体的にも精神的にも健康で生きられれば一番良い。
でも、それはなかなか難しいことだ。

今の私は、「体に多少の無理が掛かっても精神的に勢いをつけて仕事をこなす」道を選択している。
ずっとそれで行けるとは考えていないが、今のところ別の道を選ぶ余地はない…と思っている。













U 姫讚

2012-11-27 | ほとほと日記
今日は天気は良かったけれど、風の強い一日だった。
朝、通院してからスポーツクラブで走り、昼食を家で摂った後はのんべんだらりと過ごす、典型的な私の休日だった。

家のバソコンが復活してからは、バソコンでYouTubeを観る時間がぐっと増えた。
スマートフォンより画面がずっと大きいし音も良いのだから当たり前だ。

私は宇多田ヒカルのファンなので、良くYouTubeで観る。
今一番気に入っているのは、グリーンデイの『ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリーム』をカバーしたバージョンだ。
力強くも切ない歌唱で、世界中にファンがいる本当の歌姫宇多田ヒカルの面目躍如の一曲である。

宇多田ヒカルの歌唱には普遍的な魅力があると思う。
普遍とは、何も知らない人が出会いがしらにいきなり「良いね!」と思えることだ…と、司馬遼太郎がどこかで書いていた。

彼は例として、江戸前寿司(いわゆる握り寿司)と初めて出会ったときの個人的体験を語っていた。
大正の末、大阪の一般的な家庭に生まれた彼は、戦後すぐに新聞社に就職して東京に出張に行くまで、握り寿司を食べたことがなかったという。
しかし一口食べたとたん、その普遍的な魅力(伝播する力)がすっかり理解出来た、とか。

つまり、普遍とは、そういうことである…なんて司馬節で締めていた記憶がある。

私が初めて宇多田ヒカルの歌声に出会ったのは、彼女のファーストアルバムが世に出た1999年、京王線府中駅近くのカレーチェーン店でだった。
昼食にカレーを食べながら何気なく店の有線を聴いていると、若い女性歌手の楽曲が始まった。
印象的なイントロから歌唱が始まり数小節で、それまでの日本の女性ポップス歌手では聴いたことのないレベルの質感を感じ、衝撃を受けた。

後から、それが『Automatic 』だったことを知った。
あの歌声体験は、私にとっての握り寿司体験たったのかも知れない。

…と書いてくるとマニアックなファンのようだが、彼女のCD は二枚しか持っていない。
でも、YouTubeではいつも楽しみ、ときには励ましてもらっている。
この秋には久しぶりの新曲を出したが、ゆっくりと末長く活動してほしいと思う。

蛇足だが、宇多田ヒカルがデビューしたころ、何人かの若い女性の自作自演歌手が出てきて、盛んに「歌姫」と称された。
それは構わないが、レベルが全く違うのにライバルかのように扱うジャーナリズムの了見が分からなかった。
それは「ファンとしては面白くない」というのとはちょっと違う話である。

江戸前寿司とジャンクフードを同列のように語るのはいかがなものか…という不思議感ですね。

多くの世代に広く影響を与えるという点で、宇多田ヒカルはユーミン・中島みゆきの系譜を継ぐ唯一の存在だと思う。

そういう意味でもじっくりと静養して、また良い曲を作り続けて欲しい。





キーマカレーと契約更新

2012-11-26 | ほとほと日記
今日と明日は仕事が連休である。

今月から自炊をするようになったが、せっかくの連休なのでカレーを作ってみようと思った。
一人暮らしだから、せいぜい四、五食ぶんが良い。
いつも行っているスーパーでジャガイモと玉ねぎはバラ売りをしていたが、ニンジンが最低三個からだった。

といって、今日は冷たい雨が降っているので、ニンジン一本を売ってくれる店を探すのはシンドイ。
カレーのパッケージを眺めて悩んでいると、キーマカレーなら玉ねぎと挽き肉があれば作れることを発見!
私はそれらを買って、家に帰った。

玉ねぎ、挽き肉と炒め、その後二種類のルーを順次入れて煮込んでいく。
難しいことは何もないが、四食分が出来上がるまで45分くらい掛かった。
これだけ時間を掛けると「料理をした」という実感がある。
これから毎晩一食ずつ食べて行こう…と思った。

話は全然違うが、借家の三回目の契約更新の時期が来た。
二年で更新だから、もう六年も今の住居にいるのだなア。

今回、初めて契約書を全て読んだ。
私の住まいは家主の同意書があれば猛獣を飼うことも出来ることを知った。
また「暴力団若しくは極左・極右暴力集団の事務所かアジトとして使用した場合」は、即時契約解除されるという。
その他、色々なことを初めて知った。

やはり重要な契約書は、隅々とまで目を通すべきだと思った。

この頃、「初めて知る」ことがたくさんあるなア…と改めて感じることが多い。

いくつになっても遅すぎることはないのだから、ひとつずつ改善していこうと思う。







内覧会にて

2012-11-25 | ほとほと日記
今日、私のホームでは内覧会を開催した。

十数万部の新聞オリコミ広告をいれるなど事前広報をして、十組ほどの見学者が確保できた。

職員に色々の役割が振られたが、私は街頭にホームの看板を持って立つことになった。

ホームで待っていて来客応対をするには気が利かないため…と判断されたに違いない。

もっとも私自身そう感じているので、内心ちょっとホッとして、ホームから徒歩五分ほどにある郵便局の前でホームの名前を書いたカンバンを持って立っていた。

二十分以上じっと立っていたが、誰からも声を掛けられない。

そろそろ帰ろうかナ…と思っていると、一台のクルマが停まった。

運転していた中年の男性が私の持っているカンバンを指差し、「そこに行きたいのだけれど、行き方が分らない」という。

そのクルマが曲がって来た道こそホームの方角なので、「今来た道でいいのですよ」と言った。

すると「そっちは一方通行だからダメだと言われて引き返してきたのだ」というようなことを言う。

そうかな?と思った。

私自身何十回となくクルマに乗っけてもらって通った道なのだが、改めて強い調子でそう言われて、たちまち自信がなくなってしまった。

私がホームの者だと知ると「隣に乗って案内して下さい」という。

私はまったくの方向音痴で、ナビゲーターなど出来ないのだが、断るわけにもいかず助手席に乗った。

ところが私はその「一方通行と言われた道」以外の行き方は分らないのだ。

他の通りに入って、たちまち行き詰ってしまった。

私はホームに電話を掛け、助けに来てもらった。

あ~、恥ずかしかった。

でもやっぱり一方通行じゃなかったんだんだよ、あの道は。

昼寝見た夢を子供が綴っているような文体ですが、実際今思い返しても夢みたいなヘンテコな体験でした。