ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

それぞれの老い

2015-06-30 | ほとほと日記
今日は仕事はお休みでした。


明日から7月ですが、まだしばらく梅雨空は続きそうです。
せめてテンプレートだけでも…と、少し夏らしいものに変えてみました。

今日は、洗濯、買い物、スポーツクラブ、整形外科で五十肩のリハビリ…と典型的な休日を過ごすことができました。
こういった何でもない穏やかな日常が一番幸せだ…と思います。
物心ついた頃から環境の変化に弱く、帰宅部で内向き趣味の私だから特にそう感じるのかもしれませんが。


今朝のNHKニュースで、最近『103歳になってわかったこと』という著作で評判を呼んでいる女性が紹介されていました。
大正二年生まれですから実際には今年で満102歳の方ですが(数え年をタイトルにされているようです)、現役の有名な画家でもあり、驚嘆すべき知力と体の力を維持されていました。
ずっと独身を通し、自分の力で生きてこられたというのも、その世代の女性としてすごいことだと思います
各方面からも驚きと称賛の声が上がり、「その生き方や考え方を見習いたい」というような感想が多いようです。

我々一般の読者がそういった気持ちになるのは自然なことです。
一方で、やっぱり全く稀有な方だよなア…とも思います。
私のホームにも90歳を超えて認知力も身体能力も立派に維持されている方は多いですが、それをあまり「個人の努力や習慣の結果」と考えるのはちょっと違う…と思っています。
生活習慣の結果病気になる場合も、もちろんたくさんあります
でも、90歳過ぎても心身ともしっかりしていると言うのは、おそらく生来の資質の影響の方がずっと大きいと思います。
そして、どんな資質を持って生まれてくるかは、本人にはどうしようもないことです。

昨日、あるご入居者の家族とお話をしました。
その入居者は来年古希を迎える方ですが、三十代半ばで難病を発症し、十数回も手術を繰り返された方でした。
ご家族は「もう十分頑張って生きてきたから、これ以上苦しめたくない」と言われました。
そういった言葉を伺うのは初めてで、胸に迫るものがありました。

要は、人それぞれ…と言うことでしょうか。


来週は、父のデイサービス通所の面談に立ち会う予定です。




ギリシャの教訓

2015-06-29 | ほとほと日記
今日も仕事です。

ギリシャがいよいよ大変な局面を迎えたようです。

無学な私はデフォルトなるものがどういう事態か良くわからないのですが、国家財政が破綻すれば学校教育電気水道などのインフラが立ちいかなくなり、保険医療や年金などの社会保障も崩れさるのだろうなあ…と想像できます。

ギリシャの現政権が選挙で選ばれるときに気になったのは、支持者が「悪いのはあいつらだ!」と言う空気に満ちているように見えたこと。

自分の不遇感を他人のせいだけにしている人が立ち直れたためしはほとんどないように思います。

やはり「基本は自助自立」と言う気持ちが大切だなあ…と思ったことです。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します。

なでしこの力

2015-06-28 | ほとほと日記
今日と明日は仕事です。

朝5時からの女子サッカーワールドカップ準々決勝、日本対オーストラリアを観戦してから出勤しました。

ずっと攻め続けていた日本がなかなか得点できませんでしたが、後半終了直前に決勝点!

ベスト4に進出です。

正直言って今回のなでしこジャパンはあまり期待していませんでしたが、決めるべきときには決めて勝ちきる力はスゴイ。

誰もが先日のシンガポールと引き分けた男子と比べてしまったことでしょう^_^;。

まあ、女性の強さ、胆の据わり方はホームにいて日々実感していますが…。

ここまで来たらぜひ連覇を!という気持ちになってきました。



神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康に過ごせますように。
友人たちが実りある一日でありますように。
お祈り致します。


独り老い準備会

2015-06-27 | 独居中高年
今日は仕事はお休みです。

今夜は友人たちとの月に一度の食事会です。
皆、中年で独身です。
「どうやって独りの老いを生き延び合うか」が今や私の最大の関心事なので、ぜひその当たりを忌憚なく話し合いたい…と思っています。

「独り老いの不安と悲惨」に関して、ようやく社会の目が向いてきた…と感じます。
「自分は長生きしないから」「ぽっくり死んじゃうから」などと現実の厳しさから目を反らしている人もたくさんいます。
数年前までの私もそうでした。
でも、人間はそんなにうまくポックリ死ねるものではありません。

働けなくなり、新しい電気機器が使えなくなる。
役所から届いた書類を読んでも意味が分からなくなる。
物忘れがひどくなる。重いものが持てなくなる。部屋の掃除が出来なくなる。
歩けなくなる。失禁する。入浴できなくなる。
物を食べるとむせる。一人で食事できなくなる…。

そういった数多のつらい喪失の日々が続くのです。
そして、転倒による骨折か持病の悪化か感染症か窒息などにより、苦しみながら孤独死を迎える…。
それが、庶民的独居老人の平均的な死の姿でしょう。

一つだけ救いなのは、そういう「独り老い」の予備軍が何百万人といること。

今のうちに連携し合えば、まだ何とかなるかもしれません。






難しさ

2015-06-26 | ほとほと日記
今日も仕事です。


昨日、職場で月に一度の各部署のリーダー格との話し合いがありました。

どの部署も課題山積と言うことが改めて分かりました。

人員が減らされて業務が増えていますので、個々のスタッフの覚醒と対応力が必要となります。

特に業務も人員も圧倒的に多い介護スタッフにそれが求められるのですが、なかなか難しい現状があります。


介護スタッフは慢性的な求人難で、事実上「誰でも来い」と言う状況にあります。

すると社会人としてのごく常識的なふるまいも身に付けていない…と言う人材が働くこともあり得ます。

そういうスタッフに注意をしてもなかなかうまい結果が出ません。

特に若い男性スタッフの話を聞くと、刹那的な生き方をしている友人たちとの付き合いから悪い影響を受けているなあ…と思うことが良くあります。

そんなとき、日本の階層化の一断面を覗いた気持ちになります。

生まれや育ちは自分では制御出来ないけれど、誰と関わるかは選ぶことができます。

つくづく、どういう友人を持つかで人生は大きく変わるなあ…と思います。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します。