ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

休日の電話

2016-05-31 | ほとほと日記
今日は仕事はお休みでした。


職場から、二回電話がありました。
ひとつは、昨日入院された二人の入居者のうち、お一人が亡くなった…ということ。
病状から覚悟はしていましたが、病院に向かう直前には言葉も交わせていただけに、ガックリきました。
もうひとつは、緊急ショートステイの件。
6月もショートステイは多くなりそうです。

このところ、新種のクレーマー家族にも悩まされています。
メールで矢継ぎ早にクレームを入れてくる。
今まではなかったタイプで、人心の変化を感じます。

スタッフが減って厄介な仕事が増えているときに気を付けているのは、職員のリレーションを良くすること。
心理的に孤立すると大きなトラブルを起こしてしまうからです。
その点は、まずまずうまく行ってると思うのですが…。


今日は、ヒル夜兼用食で「昔ながらのお母さんのミートソース」というのを作りました。
もちろん、ネット検索レシピです。
ミートソースというよりナポリタンじゃん…と作ってみて思いましたが、ケチャップたっぷりでなかなか美味しかったです。

休日に簡単料理を作るのが、今、一番の楽しみで息抜きになっています。




最高のプレゼント

2016-05-30 | ほとほと日記
今日も仕事です。

昨日、ホームの誕生会レクでイベントが行われることもあり、職員が何人かの小さいお子さんを連れてきました。

その中の、以前に生活相談員をしていた女性の4歳の男の子が、私に自筆の誕生日カードをくれました。

グリーンの台紙にサインペンで、「おめでとう、○○さん」と書かれています。

「お」も「め」も「さ」 も左右が反転しているようなたどたどしい文字ですが、ママの指導で一生懸命書いたのが伝わって来て、私は涙がでるほど嬉しく感じました。

家に帰って、守護聖人ルカ像の前に、マリア様、アルパカ君といっしょに並べて飾りました。

見ているだけでも心がホコホコし、私は昨晩寝るまでに何度も目を遣ってニヤケていました。



神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が健康で過ごせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します

ちびっ子フラダンス

2016-05-29 | ほとほと日記
今日と明日は仕事です。

今日の午後に、毎月恒例の誕生会レクがあります。

余興でボランティアさんのフラダンスをやるのですが、その中にちびっ子もいるとか。

また、以前事務所にいた職員さんも、小さいお子さんを連れて来るかも知れません。

小さい子がちょっとコスプレして踊ったりするのはとても可愛いので、きっと入居者の方々にも喜んで頂けるでしょう。

私も楽しみです。

アルパカ君を連れて行っていっしょに出迎えようと思っています。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で暮らせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します。

人生の反芻

2016-05-28 | 独居中高年
今日は仕事はお休みでした。

いつもと変わらぬまったりとしたお休みを過ごしました。


この頃一人になると、仕切りに自分の過去のことを想い出しています。
今日は、二十代後半から三十代初めに掛けてのフリーター時代のことが頭に浮かびました。
恐らく人には「思考のクセ」のようなものがあるのだろうと思います。
私にとってのクセは、「過去の自分の行動を悔悟的に反芻する」というものです。
そのクセは二十歳になる前にはすでに始まっていたと思います。



私のホームでただ一人だけ、「自分の意思で死を選んだ」方がいます。
昭和二ケタの初めの頃生まれの彼女は、ずっと独身で過ごしてきました。
入居されたときは70歳をいくつか超えたばかりで、認知症は全くなく、日常生活動作もほぼ問題ありませんでした。
ただ、細身の体と蒼白な表情には、いかにも病弱な印象がありました。

彼女は十代後半に摂食障害を起こし、学校を休みがちになりました。
二十代の頃には就職もしましたが、摂食障害を克服し切れないこともあり、長続きはしませんでした。
「最期まで独り暮らしをしたい」という彼女を説得したのは、お兄さん夫婦でした。
本当に身体が利かなくなったら一人ではいられなくなる…と言うお兄さんたちの判断は、賢明だったと思います。

彼女はレクリエーションなどにはほとんど出ず、部屋に伺うとたいてい本を読んでいました。
いつも物静かで穏やかで、何か尋ねると、笑みを浮かばせて最小限の言葉を返されました。
アンケートを依頼すると美しい文字と端的な表現で記され、高い知性が感じられました。
ただ、一人で廊下を歩くときなどに、恐ろしいほど乾いた無表情を見ることがありました。

あるとき、彼女の部屋に一枚のスナップ写真があるのに気が付きました。
それは若い頃の彼女を撮ったものでした。
『ローマの休日』のデートシーンのヘップバーンのような洋装で笑う彼女は、とてもチャーミングな女性でした。

彼女に変調が起こったのは皮膚疾患からでした。
最初はわずかな足の赤い腫れだったのが、やがてボールのように大きくなりました。
往診医の勧めで大きな病院で検査をすると、自己免疫系疾患であることが分かり、ステロイド剤の服用が始まりました。

そのころから彼女の食事量は減ってきました。
そして、しばしば発熱をするようになりました。誤嚥性肺炎が疑われました。
往診でステロイド剤と抗生剤を調整しながらの治療は困難なことでした。

彼女は入院しましたが、私を含めてスタッフは皆「まだ若いからきっと帰ってくるだろう」と思っていたのです。
しかし、衰弱は思いの外進み、熱が収まっても飲食の経口摂取は難しい状態になっていました。
主治医から、彼女とお兄さん夫婦に経管栄養の説明がありました。
でも、彼女は「もう、そこまでして長らえたくない」と言う意思を曲げませんでした。

自分の意思を伝えた数日後、彼女は亡くなりました。

死の淵で彼女は自分の人生をどう反芻しただろうか…と想うことがあります。



今日は私の57歳の誕生日です。
母によると、「本当の誕生日は5月26日なのに、父が間違えた日にちを役場に届けた」のだそうです。

四十歳を過ぎたころから「誕生日おめでとう」と言われることに戸惑いを感じていました。
そして、定年過ぎても働かなければ生活が立ち行かないことが明白な今は、一定の収入が担保される(であろう)定年の65歳に実年齢が近づいていくのは「貯蓄出来る期間が短くなる」と言う意味で「めでたくない」どころか不安なだけです。
一つ加齢するごとにアチコチが痛んでいくのだから、よけい「めでたく」ありません。

でも、「傍からすればおめでとうと言うよりない」ということも、さすがに分かる年齢になりました。













広島訪問

2016-05-27 | ほとほと日記
今日も仕事です。

朝から、アメリカのオバマ大統領が広島の平和記念館を訪問する件が報じられています。

オバマさんは大統領に着任してすぐに核廃絶を打ち出してノーベル平和賞を受賞した方ですから、来日の機会があれば被災地を訪れるのは自然なことかも知れません。

でも、今が大統領選挙の真っ最中で、アメリカ国民の間では原爆投下に肯定的な意見の方がずっと多いことを考えると、けっこう難しい政治的判断だったろうなあ…と思います。


私はちょうど二十年前に一度だけ広島平和記念館に行ったことがあります。

当時所属していた障害者施設の研修で、通所者と二人で広島に出張をしたのです。

研修が終わり、帰りに平和記念館によることになりました。

記念館の展示内容は衝撃的なものでしたが、私以上に同行の通所者がショックを受けてしまい、気分不快を起こしました。

私は彼の随行者という役割でもあったため、大変に疲労しました。

そんな遠い昔のことを想い出しました。


神様。
今日一日が穏やかなものでありますように。
家族が皆、健康で過ごせますように。
友人たちが無事に一日を終えますように。
お祈り致します。