先日東京青山にある刀剣店へ行って感銘を受けました。日本刀を買いに行ったわけではなく(その趣味はありません)、鉈(ナタ)の柄が滑るのでよく日本刀の柄に巻いてある紐を巻いたらどうだろう? と思い置いてあるかどうか聞きに行ったわけです。
その刀剣店は学生時代に大学の目の前にあったので毎日のように前を通っていたのですがもちろん一度も入ったことはありませんでした。今回急に思い出して行ったみたのですが昔と変わらずその場所にありました。なんだかそれだけでうれしいです。
いざ入ってみようとするとなかなか入りづらい雰囲気です。入口の土間から一段上がって座敷になっている、そう、良く時代劇に出てくる呉服屋のような雰囲気です。そして壁には妖しく光る日本刀の数々が・・・。
意を決して扉をあけ「ごめん下さい」と声をかけると奥からただならぬ雰囲気を醸し出す年配の紳士が・・・。
「柄糸はおいてありますか?」
と聞くと
「んっ、なんだそれ? 初めて聴くな~。」
と。
「え~!どーしよう、相当カタブツの爺様か!」
とビビリながらも
「いえ、刀の柄に巻く紐なんですが・・・」
と問い直すと
「あぁ!柄糸ね。うちには無いよ。うちは刀屋だから。柄巻師のとこへ行かなきゃ。
でも売ってる所があるから教えてあげるよ。」
と意外にも親切なのでした。
その後打ち解けて柄巻のことや砥ぎのことなどいろいろ教えてもらってちょっと貴重な時間を過ごしました。この店主さん、数年前までは砥ぎ師として日本刀を砥いでいたそうで、その道では有名な方のようです。いやはや「知らぬは仏」でとんでもないところに飛び込んでしまいました。
でもちょっと違った世界に触れて楽しかったですよ。
それにしても間近に見る日本刀の放つ妖しいオーラは引き込まれるものがありました。