金色銀色茜色

生煮えの文章でゴメンナサイ。

(注)文字サイズ変更が左下にあります。

金色の涙(鬼)42

2008-07-27 09:20:42 | Weblog
 阿国は銀鬼との間合いを、素早い足運びで詰めた。
恐れる様子はまったく無い。無表情で斬りかかる。
 銀鬼は勢いに乗った阿国の攻めを、両腕で受け止めた。
斬れはしないが、打撃による痛みが走る。
的確に骨を折ろうと狙っているようだ。
 まるで舞台で舞っているかのような阿国の刀捌きには、無駄な動きが無い。
一定の拍子で攻めながら、油断すると唐突に、無拍子で喉や目を突いて来る。
殺気を知らぬのか、隠しているのか・・・全ての動作が颯爽としている。
銀鬼は楽しんでいた。
こういう戦いこそが彼の好む戦いなのだ。
あの黒猫との戦いに比べ、別の意味で楽しい。
 配下の鬼が金棒で、阿国を背後より襲う。
それと察知した阿国は、反転しながら小太刀で一閃、金棒を真っ二つ。
返す刀で鬼の首を狙う。
斬れはしない・・・はずが、刀身が喰い込み、すっと首を斬り捨てる。
 斬った阿国が驚いてしまう。
確かめる為に、近くの鬼の金棒を斬り捨て、その懐に跳び込み、鳩尾を刺す。
これも深々と突き刺さる。鬼の膝が落ちる。
手早く抜いて、首を斬り捨てる。
 自信を得た阿国は、立て続けに3匹の鬼を斬り捨てた。
 銀鬼は阿国の一挙手一投足に、神々しいものすら感じた。
こうまで美しい剣舞は始めてだ。
目の前の女は人では無い。人の顔をした鬼神だ。
 衝き動かされたのか、銀鬼が、真っ二つにされた金棒を左右に持ち、
森に入って大樹を太鼓のように打つ。
阿国の小太刀を振るう拍子に合わせる。
その音が紅葉ヶ原に響き渡る。

 鬼達は人間との戦いは重視していない。
腕自慢の鬼は正面から僧兵を蹴散らし、森に分け入る。
弱い鬼は包囲の目を掻い潜って、次々と森に逃げ込む。
四方八方へ散り、鬼社会を再建することが全てに優先するのだ。
 森の中には狐と狸が、連合して包囲網を敷いていた。
鬼を発見すると狐火で鬼の首を吹き飛ばす。
修行の至らぬ狐は狐拳で挑む。
狸も千畳敷きで鬼を押し包む。あるいは狐拳に対抗して狸拳を誇示する。
 戦いの最中であるが、踊り好きの狸が銀鬼の紡ぎ出す音に敏感に反応した。
自らも傍の樹を叩き始めた。
「ポンポコリン」
 1匹が始めると、もう止まらない。
他の狸達も負けじと続いた。
「ポンポコリン」
 森のあちこちから「ポンポコリン」と響く。
 これに銀鬼が対抗するかのように、拍子を変えた。
「鬼さんこちら、手の鳴るほうへ、チャチャッチャ」
 森から抜け出せないと察した鬼達が、銀鬼の方へ集まる。
そして手拍子、唄い始めた。

 慶次郎が鬼達を斬り捨てながら、銀鬼に迫る。
それを阻止するかのように、槍を構えた鬼5匹が前に立ち塞がった。
巧みな槍捌きと連携で慶次郎を囲もうとする。
 しかし慶次郎は動じない。
力技で1匹目を、金棒ごと斬り捨てる。
さらに2匹目、3匹目・・・

 佐助と若菜が宙を跳んできて、銀鬼に斬りつけた。
銀鬼は周りを配下に囲まれ、一心不乱に樹を叩いていた。
そこを気配を消して接近し、狙ったのだが、銀鬼は相手にならない。
樹の反対側に廻り、叩き続ける。
「鬼さんこちら、手の鳴るほうへ」
 代わりに周辺にいた鬼達が2人に反撃した。
佐助と若菜は交互に援護しながら、その場から退いて行く。
それでも執拗に10数匹が追ってくる。
 見かねた白狐・コスモと配下のぴょん吉が助けに入る。
コスモが神速の技で、一番大きな鬼とすれ違いながら、狐拳で鳩尾を突き破る。
さらに手刀で首を斬り捨てる。
ぴょん吉も同様の速さで動く。
飛び膝蹴りで、顎を割り、勢いで首に絡みついて骨を一瞬で折る。
 佐助と若菜も踵を返し、逆襲した。
2人と2匹で体術を駆使し、鬼達を追い払う。
 コスモが2人の前に立つ。
「佐助、鬼達を一ヶ所に集めよう」
「どうする」
「私とぴょん吉の狐火で一挙に葬る」
「できるのかい」
「たぶん」
「たぶん・・・」
「そう突っ込むな」
 ぴょん吉がコスモの代弁をする。
「狐火には限りがあるから、できるだけ手間を省きたいんだよ」

 バロンは岩場で蘇らせた鬼12匹を率い、島へ向かう。
鬼達が軽々と海面の上を駆ける。
重い身体ながら、沈まないのだ。沈む気配すらない。
蘇る前であれば、完全に沈んでいる筈だ。
 宙からバロンは12匹に指示を飛ばす。
行き先は洞窟の他なし。
 途中で白犬の群れの気配を捉えた。
姿を隠し、追って来ているようだ。
 バロンは死鬼達の力量を測るべく。手頃な空き地に着地した。
周囲に死鬼達を配置し、待ち構える。
 予想通りに、白犬の群れが襲って来た。
防御している死鬼達に噛み付くが、効果は無い。
逆に捕まり、首を捻り潰される。




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これじゃ遠出できないよ。
そんなこんなで、油田開発したいと思います。
まずは季節柄、油蝉から。
油と蝉の分離作業です。
集めて油だけを搾りましょう。
(なんだか・・・なあ)


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