7月15日、祇園祭前祭の宵々々山を楽しんだ後、祇園縄手筋にあるHANA吉兆に来ました。







































年に3回だけ実施されるイベントのひとつ【祇園祭「祭釜(まつりがま)を愉しむ】に参加しました。
知りませんでしたが、祇園祭の期間中、八坂神社の氏子さんやお道具屋さん、数寄者たちが開く茶会のことを「祭釜」と言うそうです。



フロントには長刀鉾で使われた赤熊(しゃぐま)が飾られています。
数年前に現社長の徳岡邦夫さんの長男が長刀鉾の禿(かむろ)を務められ、記念に頂いた物だそうです。




会場は2階の広間で入口には、この日の「会記」が披露されています。
祇園祭にちなんだ茶道具や屏風など、京都吉兆ご自慢の品々を特別公開しての、年に一度のお茶会です。






さすがに京都吉兆さんですね!
お祖父様で吉兆創業者の湯木禎一さんから譲られたのでしょうか?立派な祇園祭の金屏風も飾られています。


いつもは、女将さんがお手前をされますが、今回は次男さんが買って出てお手間をされました。
立礼席ですが、若々しくてなかなか立派なお手前の所作でした。
この日の女将さんの帯も長刀鉾にちなんだもので日本画家の森田りえ子さんが図案を描かれた帯だそうです。



菓子は黒わらび餅で、中には胡桃が入っていて、きな粉を付けて頂くと本わらび餅粉ならではの食感と美味しさを楽しめます。
黒文字が笹の葉と一体になっているのも粋な演出です。






水指はバカラ製で特注品です。
ガラスが鋭くカットされ、触ると剣山の様です。
底には吉兆の印の瓢箪とバカラ社のマークが入っています。
蓋置は樂直入さんの作品です。




次に場所を個室へと移動し点心席です。






点心とは言え、そこは京都吉兆です。
松花堂弁当ですが懐石料理に近い内容が詰め込まれています。


椀物の具材は鱧です。
全く骨を感じる事の無い見事な骨切りです。
お出汁も昆布と鰹節の旨みがよく出ていて、使われている食材のレベルの高さを感じます。
御飯は釜炊きの白御飯ですが、久しぶりに光っている白御飯を頂きました。
"これこそ日本のお米だ"と思う美味しさです。
前回の「新茶の会」で徳岡邦夫社長の隣りになり、その時のお話では1kgあたり5千円で仕入れているそうです。
金額が高い低いの問題ではなく、本当に美味しい最高の食材を求め仕入れられている事を思いました。

来年も是非、参加したいと思う「祭釜」のお茶会でした。