高校公民Blog

高校の公民科(現代社会・政治経済・倫理)教育に関連したBlogです

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2006-07-09 18:03:32 | 高校公民空間

あと1週間半

もっともキツイ時期を迎えています。この時期、私は疲労困憊で、このブログの更新も大変なのですが、それは、単純な、授業の準備が追いつかないということなのです。現在、私は

現代社会 2コマ
倫理    2コマ
課題研究 1コマ
総合学習 1コマ
倫理補習 1コマ

を担当しています。ちょっと、解説をすると、課題研究という科目は学校設定科目で、通常の大学の論文指導にあたります。研究課題を自分で設定し、自分で研究し、論文を書くのです。しかし、現実はみなさんがなかなかその能力がきびしく、いま、大きく二つのグループにわかれ、一つは木村ファンドという名称で、株式を購入する勉強を自発的にするという作業を行っています。一時期、この準備が大変でした。みなさん、簡単に考えてみてください。どうやったら、株を買うという自由研究を生徒にやってもらえると思いますか?生徒さんは5人です。
 私はこれでも5年以上、株式ではありませんが投資信託の経験があります。それから外貨預金、外貨の投資信託の購入をしてきています。この経験から、インターネット、エクセル、ワード、メール機能、とこれらを駆使して、彼らに売買の経験をほぼリアルに行うようプログラムを組みました。じゃあ、評価はどうするか?みなさんおわかりでしょうか?
 これ以外に、本業の方の授業ですが、倫理や現代社会で一つでも去年と違ったことをしようとすると、その構成、それをパワーポイントまでもっていく作業と、膨大な負担が明日の授業、明日の授業と迫ってきます。睡眠時間が削られ、授業や、その後の活動の疲れが一日の終わりにどっとき、電車の中さえ起きていられず、家に帰ると、もう、食事後、起きていられないのです。とくに、汗をかく、この季節の疲労がたまらないのです。
 いま、受験生バリに、夜中に起きるということでやっていますが、それもうまくいきません。いま、受験に倫理を使うという生徒さんがおり、その授業の準備もたいへんなんです。読書がおいつかないんですね。

一コマの授業は一瞬、そして、年一回

ここで、当たり前の事実を確認します。たとえば、倫理で一人の思想家を扱いますね。ニーチェならニーチェを、それって、年に普通一回です。その授業の期間は普通、1週間とか、2週間でしょ?その間に、哲学書を読む、として、あの時間のかかる哲学書をどれだけ読むのです。学校は基本がベルトコンベアーです。誠実に授業を準備するなら、過ぎ去ったものは来年までサヨナラです。だって、次が待っているのだから。こうして、ある瞬間に、あるテーマを扱い、と、次から次へと渡って行くのです。僕は歴史の教員を含めて、いったい、どれほどの蓄積ができるか、きわめて怪しいと思っています。そのうえ、私たちは専門を重視していません。
この周囲の空気を私はどうにもできないできました。何度も書いてますが、これから、カネの問題が中心でしょうが、規制がはずれていきます。そのときに、需要サイドから高品質がはたしてどこまでもとめられるか?たんに受験ニーズだとしたら、専門というニーズはどうなってゆくのか?
すくなくとも、現在高校の現場には専門を重視するトレンドは皆無なのです。労働組合がまったくこの点に鈍感なのです。ニーズ、あるいはマルクス的にいうなら、使用価値こそ、現在重要な要求ポイントなのですが、あいかわらず現場は高度成長右肩あがりを前提にしています。

問題は、信用なのです。それは、教育の内実の問題のなのです。使用価値がないものに基本は貨幣価値を付与しません。その現実が来ようとしているのです。そして、市場原理にあわせて単純労働には単純貨幣価値を付与しようという時代が公務員社会学校にも入ろうとしているのです。


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1 コメント

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註釈 (木村正司)
2006-07-10 14:17:06
■上に私の現在の持ち講座数をあげましたが、そのうち現代社会と倫理はセメスター制をとっていますで、一年で完結するところを半年でワンクールとなっています。したがって、週2じかんのところを4時間行っています。■将棋や囲碁のテレビトーナメントをごらんになったことのある方は持ち時間というのでしょうか、考慮時間とでもいうのでしょうか、一定の時間が与えられるのを見るでしょう。20分間あげます。それを使い切ると一回1分で10回の考慮時間があり、それを使い切ると威って30秒以内の秒読み、という具合に。■この秒を読まれる間隔がセメスター制は倍のスピードなのです。秒を読まれている間に、先の手を読むのです。
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