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北京オリンピック考 1 マクロ的データ

2008-08-31 14:13:51 | 経済分野の授業

メダルの個数

アメリカ   110
中国     100
ロシア    72 
英国     47 
ドイツ     41 
オランダ   16
豪州     46
フランス   40 
ノルウェー  10
韓国          31 
日本          25 
 
上の表は、今回の北京オリンピックのメダル総獲得数を示しています。なお、相関データとして、GDP比人口比を加えてみました。
今回は私のけっこう恣意的なというか、思いつきの選択でデータを作りました。夏休みの宿題として、もし、よかったら使ってあなたの固有の分析をしてみてください(笑)。

一人あたりのGDPをキイの列として選択する

次にGDPの1人あたりの額の高い順に並べてみましょう。(左 メダル個数、右、単位 万ドル)

ノルウェー 10  8.4  
アメリカ    110  4.6 
英国         47  4.6
オランダ    16  4.6  
豪州        46   4.3   
フランス    40  4.1  
ドイツ       41  4.0 
日本       25  3.4  
韓国       31  1.9  
ロシア     72  0.9  
中国      100  0.2 

 没落しつつあるヨーロッパとはいいますが、個人ベースで考えればGDPは高いのです。日本と比較すれば、ひとりあたり、6000ドルから10000ドル以上高く、何とノルウェーにいたっては、倍以上の額になっているということに注目しましょう。日本は確かにGDPの総額は世界第2位かもしれません。しかし、個人ベースでは、22位です。つまり、こういえましょう。

中国やロシア(ま、韓国もいれますか)は、すべてのメダルの個数が、GDPの割合としてみれば、破格に多い

そして、

日本は欧米先進国にくらべて個人のGDPが低く、相関するようにメダルの個数がヨーロッパに比べて少ない

つまり、

基本的には個人のGDP比がその国のメダル数を規定する要因と考えられる。

  日本社会は総GDP、つまり最終生産額は多いが、個人レベルではそれほどではない。つまり、生産性が悪いということです。能率が悪い、ということです。そういう国は、基本的には、運動面でも劣る、ということです。これ、私の直観的な結論です。個人の能率が良く、したがって、個人の平均の所得が多ければ、スポーツにおいても、その能率に応じた、あるいは、所得に応じた、訓練も可能でしょう。

各国の人口を1億としたら

この仮定のもとにエクセル操作した結果が下のものです。(左、実数 右 1億人と仮定したら)

ノルウェー   10   250.0
豪州           46   230.0
オランダ      16   80.0
英国           47   78.3
フランス       40   66.7
韓国           31   62.0
ロシア         72   51.4
ドイツ          41   51.3
アメリカ       110  36.7
日本           25   19.2
中国          100  7.6

  ノルウェーをはじめとした北欧諸国は、人口が1000万人に程遠い数なのです。何と、ノルウェーは、1億人いたら250個にもなるんですねえ。中国は、7.6個です。アメリカもそれほど多いわけではありません。それに比べて、欧米とくにヨーロッパ諸国の数の多さに驚きませんか。

アダムスミス的にみると

 こういう分析をもっときちんとやっている人はいるはずですね。もしみなさんのなかでご存じだったら教えてください。二宮清純あたりはきっと私の後押しをしてくれそうだ、と思いますが、しかし、よく考えましょう。
 中国はなぜ、110個だったのか?GDPも個人あたりは、低い。じゃあ、人口の総数が多いからか?私にはにわかには結論がでませんが、欧米の個数の多さを考えてみましょう。アダム・スミスはこう考えました。国富は分業の網の目の細かさによる。その基本に人口の増加を置きましたが、かれは、分業の網の目の細かさ、つまり、独立して、自分の力で経済に参加をしていく人間の強さに求めたのです。
 この対比で中国を考えるとこうなりますね。
 今回の中国のメダルの多さは、中央国家が、小さい頃から、或る特定の個人をピックアップして、英才教育を施していった成果である、と。旧ソ連を引きずっている、ロシアにも何か、そんな匂いがします。それに比べると、欧米はどうか、ということです。二宮清純が強調する、地方の小さなクラブが地方の個々人が身銭を切って参加する、という、形式をベースにしている。

中央集権から地方分権へ!

 ここに、日本という国の考えなければいけない、問題点が表れていないか?
 私は甲子園の不条理を何回か書いてきました。そこには、日本の国民が、自分たちで身銭切って、地域が全体として育てていくというスキームではなく、お上頼みや、企業頼みという現実が浮かび上がってくるようにも思えるのです。
 いかがでしょうか?



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