高校公民Blog

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この夏の読書 2 フロイトとラカン

2007-07-28 17:49:57 | ブックレビュー

難解な哲学書

 去年ラカンの『エクリ』を読みました。この本は講演や講義録をもとに書かれています。つまり、話した言語のはずなのです。それが、まったくわからない!!一体、聞いていた聴衆はわかってたのかしらねえ(笑)!!
 

エクリ (1)
ジャック・ラカン,宮本 忠雄
弘文堂

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 難解をもって知られる筆頭のひとりがヘーゲルですが、たしかに難しい。用語が私たちの理解を超えてしまうのです。そこに並んでいる言語は人間の言語なのです。しかし、それが意味を結ばないのです。私は『精神現象学』という本を、二度の夏休みを約半分をつぶして読み、ほとんど理解ができず、ようやく社会人で大学院へいき、まる一ヶ月を要して半分のところまで理解できるところまで来ました。
 読書はあらかじめ結果を予測することはできません。読み終わらなければはたしてこの本が当たりかどうかもわからないのです。それどころか、読み終わって時間を費やして、結局、意味のない本だったということだってかなりあるのです。

 さて、ラカンです。今年、さまざまな研究者の意見を入れて『エクリ』をひとまず読むのを辞めました。比較的平易であり、ラカンの思考をある程度紹介しているという

『フロイトの技法』上 、下に挑むことにしました。

紹介者として

その紹介者として斎藤環と新宮一成、浅田彰を選びました。それぞれ下の文献を読みます。斎藤環の『生き残るためのラカン』はこれ以上平易な紹介本はないと、著者の斎藤が書いていますが、どうでしょうか。ここからいくつもりです。新宮の『ラカンの精神分析』はそれより高度だそうです。
生き延びるためのラカン (木星叢書)
斎藤 環
バジリコ

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ラカンの精神分析 (講談社現代新書)
新宮 一成
講談社

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構造と力―記号論を超えて
浅田 彰
勁草書房

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フロイトを授業にする

 倫理の授業と政治分野のいじめのなかでフロイトを取り入れて授業化する計画を持っています。そのために必要な箇所を点で読み込みます。題して

エロスとタナトス

『精神分析入門』(新潮文庫)のの後半からにかけての第3部の「神経症総論」
 タナトスを扱った文献として

「文化の中の不安」
「快感原則の彼岸」
「自我とエス」
「抑圧」
「無意識について」
(以上については竹田 青嗣,中山 元訳『自我論集』 (ちくま学芸文庫))

自我論集 (ちくま学芸文庫)
ジークムント フロイト,竹田 青嗣,Sigmund Freud,中山 元
筑摩書房

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あと、エロスを扱った「性に関する三つの論文」これに関しては中山 元『エロス論集』(ちくま学芸文庫)
エロス論集 (ちくま学芸文庫)
ジークムント フロイト,Sigmund Freud,中山 元
筑摩書房

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