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世界中のファッションブランドが中国産アンゴラ排除の動き 背景に中国のウサギ虐待

2018年12月20日 06時19分22秒 | 日記

世界中のファッションブランドが中国産アンゴラ排除の動き 背景に中国のウサギ虐待

 

中国の通信機器メーカー・ファーウェイ社製品の排除が世界的に進んでいますが、ファッション界でも中国産の原料の排除が進んでいます。

 

12月上旬、フランスの高級ブランド・シャネルがファッションイベントの際に、「今後はエキゾチックスキンやリアルファーを使用しない」と発表しました。

 

エキゾチックスキンとは、トカゲやワニ、ヘビといった爬虫類などの皮革を指します。リアルファーは、動物が原料となる「本物」の毛皮のことです。

 

数年前からこのような動きは起きており、特に今年はコーチやジャン・ポール・ゴルチエ、バーバリーやヴェルサーチといった多くの世界的ブランドが、リアルファーを使わないと宣言しています。

 

これらの宣言の奥には、一部業者による残酷な動物の取り扱いがあると言われており、特に中国製の原料を排除する動きが高まっています。本欄では、ファッション界でも排除が進む中国産のアンゴラについてお伝えします。

 


日本が防衛大綱を閣議決定 事実上の「空母」保有へ 宇宙・サイバー対策も強化

2018年12月20日 06時17分38秒 | 日記

これだけ知っトクNews(12月19日版) 日本が防衛大綱を閣議決定 事実上の「空母」保有へ 宇宙・サイバー対策も強化

 

 

「これさえ知っていれば、世の中の流れをつかめる」というニュースを、編集部がピックアップ。そもそモグラ博士が、ひと言コメントしてお送りします。新聞の代わりとして、ニュースチェックの習慣づくりに、ご活用下さい。

 

  • (1) 防衛大綱を閣議決定 事実上の「空母」保有へ 宇宙・サイバー対策も強化
  • (2) マハティール政権の人種差別「撤廃」に抗議? マレーシアで大規模なデモ

 


映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

2018年12月19日 06時36分13秒 | 日記

映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

 

ロンドンやニューヨークの美術館で開かれる、早朝の美術教室(ギャラリートーク)の参加者は、今まで観光客が多かった。しかし近年、背広を着たビジネスパーソンが、出勤前に顔を出すようになっているという。

 

世界有数の美術系の大学は、グローバル企業の幹部に向けた美術プログラムを提供し始めている。そこには、フォードやビザといった名だたる大企業の幹部が送り込まれている。

 

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズもデザイン哲学を学んでいた。商品開発に芸術性を盛り込むことで、今世紀最大のヒット商品「iPod」「iPhone」を世に送り出した。

 

今、世界においても日本においても、経済における競争の局面が、「商品の機能の差別化」から「情緒の差別化」へと変化している――。社会の潮流を予測し、世界的なベストセラーになったダニエル・ピンク著『ハイ・コンセプト』は2005年、そう指摘した。

 

人々は、自分の美意識に合った商品や芸術性が高いものを所持し、精神的な高揚や満足感を得ることを求め始めている。

 

こうした付加価値を生み出す商品やサービスは、今までMBAで教えていたような、論理や分析のみで創造することが難しい。ビジネスパーソンたちは、より高度な芸術性や創造性が求められる時代となっている。

 

この傾向は、AI(人工知能)の発達で、さらに加速する。ロジカルな分析に基づく仕事は、コンピューターにシフトしていく可能性が高い。

 

本欄では、映画、小説、アニメーションなどにおける「ヒットが生まれた現場」に目を向ける。そしてそこから、ビジネスマンが仕事に「芸術性」「創造性」を加え、感動を創造するヒントを探っていく。

 

◆                 ◆                 ◆

 

(1) 映画「ミッション:インポッシブル」の主役トム・クルーズの真剣勝負に学ぶ

第6回は、映画「ミッション:インポッシブル」のトム・クルーズ(製作兼主演)から「真剣勝負」の大切さについて考えてみたい。

 

映画「ミッション:インポッシブル」は、1作目を1996年に公開して以来、すでに6作のシリーズを世に送り出している。新作ごとに興行収入の記録を大幅に塗りかえ、回を追うごとに観客・評論家の評価も高まる。シリーズ映画のお手本とも言うべき作品だ。

 

このシリーズの製作を一貫して担い、主役も務めるのがトム・クルーズである。彼は主人公イーサン・ハントになり、世界の危機を救う凄腕スパイを演じている。アメリカの情報機関IMFに所属するハントが、仲間と協力しながら、秘密道具を駆使し、体を張って難題を解決する。

 

本作の最大の見どころは、命がけのアクション・シーンにこそある。しかも、トム自らがすべてのアクションに挑む。スタントはなしだ。

 

  • ロッククライミングで巨岩に登頂する。
  • 自らの眼球の数ミリ手前に鋭いナイフを突き立てさせる。
  • 世界一高いビルのハリファ・タワー(160階)の壁面を下に向かって駆け降りる。
  • 航空機の機体に背広でへばりついたまま高度5000フィート(約1500メートル)まで飛行する。
  • 操縦するヘリコプターを切りもみさせながら落下させる。

 

すべて、一歩間違えば大ケガか即死するようなものばかりだ。スタントなしで血も凍るような危険なアクションに、まさに真剣勝負で挑むトムの姿は、狂気すら感じさせる凄みがある。

 

もちろん、撮影にあたっては、周到な訓練と可能な限りの準備をして臨んでいる。しかし万が一ということはある。実際、アクション映画の撮影現場でケガ人や死者が出ることもよく起こる。

 

ではなぜ、スタントマンに任せず、自らアクションを演じるのだろうか?

 

トムは言う。「俳優はアフガニスタンにいる兵士のようなもの」。自らの職業を兵士に例え、文字通りの真剣勝負を前提としたプロ意識を持っているのだ。

 

確かにトムは、映画「トップガン」で空軍兵士を演じたことで人気俳優に駆け上がり、映画「7月4日に生まれて」では、ベトナム帰還兵を演じ、アカデミー主演男優賞に初ノミネートされている。この作品では、実際の従軍兵レベルのトレーニングを不満も言わずにこなし切った。

 

しかし一方で彼は、「しなくてはいけないことを楽しんでやっている。他の人たちにとっては危険に見えるかもしれないけど、ぼくにとっては楽しいことなんだよ」とも語る。なんと「楽しんでやっている」というのだ。

 

このように言える理由について、トムはしばしばインタビューの最後に「映画が好きなんだ」「好きだからできるんだ」と、充実しきった顔で語る。(南波克行著『トム・クルーズ キャリア、人生、学ぶ力』3、193~194頁)

 

ただトムのアクションは、無謀なチャレンジで人の目を引くことだけを狙っているわけではない。そのアクションに、人間のあるべき姿や責任感・使命感の尊さ、自己犠牲の精神を宿らせている。

 

言葉で語るのではなく、トム自らがそうした精神を体現し、全身全霊のアクションによって"語りかける"。それによって、無言の説得力で胸に迫ってくる。真剣勝負の演技だからこそ、崇高なテーマが深く刺さるのである。

 

映画「ミッション:インポッシブル」には、「トム・クルーズが真剣勝負の演技とアクションで魅了してくれる」という観客の大きな期待が常にある。トムはいつも、その期待のハードルを超える挑戦で応えてくれる。

 

だからこそ彼の映画は、いつも世界中の観客を興奮させ目を離させないのだ。

 

 

(2) 映画監督・黒澤明の真剣勝負

日本を代表する映画監督・黒澤明も、トム・クルーズのような真剣勝負で映画製作に取り組んでいた。

 

映画「七人の侍」(1954年公開)には、降りしきる雨のなか、野盗たちに対して武士と農民が戦いを挑む有名なラストシーンがある。

 

このシーンのために膨大な水をセットに撒いたため、現場は泥で足をとられてまともに歩けない状況となった。そのような中で、数頭の馬と数十人の人間が入り乱れる戦闘シーンを撮影するのである。そのうえ、撮影は二月の厳寒の中で行われる。

 

現場には「このまま撮影すれば、馬に踏まれて死人が出るかもしれない」という懸念があった。しかし黒澤監督は、死者が出る覚悟までしたうえで撮影を決行した。その結果、幸い死者は出なかったが、落馬して骨折した者が5名、軽傷者は数えきれないほどであったという。

 

だが、決死の撮影によって、映画史に刻まれる名場面が誕生したのである。(『日本の100人 NO.098 黒澤明』18頁)

 

同じく黒澤監督による映画「蜘蛛巣城」(1957年公開)には、悪王の城主が、城攻めを仕掛けてきた敵から無数の矢で打たれるシーンがある。その場面のリアリティを増すために、黒澤監督は本物の矢を使って撮影した。

 

矢が外れて俳優に当たらないように、弓矢の名人に依頼したようだが、城主を演じた三船敏郎の顔のすぐ近くに、矢が何本もブスブスと刺さっていく。本物の矢と知って見ると、とても正視にたえない恐怖シーンに仕上がっている。これには、さすがの三船敏郎も「後でぶっ殺すぞ」と思っていて怒り心頭だったという。(松田美智子著『サムライ 評伝 三船敏郎』125~126頁)

 

もちろん、可能な限りの安全確保は実施しているのだが、それにしても鬼気迫るものがある。

 

 

ビジネスマンに活かせるヒント

"真剣勝負"は、ビジネスパーソンでも以下のように活用できる。

 

1.「経営マインド」に活かす―責任の自覚が真剣勝負を生む

HONDA(本田技研工業株式会社)の創業者・本田宗一郎の片腕として経営を担当した藤沢武夫は真剣勝負で生きた人だった。

 

今では大企業となったHONDAにも、経営危機が幾度もあった。なかでも1954年は深刻で、銀行からの緊急融資によって何とか危機を脱した。

 

その時期に、社員とその家族による社内運動会が開催された。競技に参加した家族のなかに、ズボンに継ぎを当てている子供がいた。

 

運動会を終えて家に戻ってきた藤沢武夫は、妻の前でボロボロ、ボロボロと涙を流しはじめた。理由をたずねた妻に、藤沢は答えた。

 

「たとえ借金をしてでも子供にいいシャツを着せて、いい運動パンツを穿かせて運動会に連れ%E


映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

2018年12月19日 06時27分26秒 | 日記

映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

 映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

ロンドンやニューヨークの美術館で開かれる、早朝の美術教室(ギャラリートーク)の参加者は、今まで観光客が多かった。しかし近年、背広を着たビジネスパーソンが、出勤前に顔を出すようになっているという。

 

世界有数の美術系の大学は、グローバル企業の幹部に向けた美術プログラムを提供し始めている。そこには、フォードやビザといった名だたる大企業の幹部が送り込まれている。

 

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズもデザイン哲学を学んでいた。商品開発に芸術性を盛り込むことで、今世紀最大のヒット商品「iPod」「iPhone」を世に送り出した。

 

今、世界においても日本においても、経済における競争の局面が、「商品の機能の差別化」から「情緒の差別化」へと変化している――。社会の潮流を予測し、世界的なベストセラーになったダニエル・ピンク著『ハイ・コンセプト』は2005年、そう指摘した。

 

人々は、自分の美意識に合った商品や芸術性が高いものを所持し、精神的な高揚や満足感を得ることを求め始めている。

 

こうした付加価値を生み出す商品やサービスは、今までMBAで教えていたような、論理や分析のみで創造することが難しい。ビジネスパーソンたちは、より高度な芸術性や創造性が求められる時代となっている。

 

この傾向は、AI(人工知能)の発達で、さらに加速する。ロジカルな分析に基づく仕事は、コンピューターにシフトしていく可能性が高い。

 

本欄では、映画、小説、アニメーションなどにおける「ヒットが生まれた現場」に目を向ける。そしてそこから、ビジネスマンが仕事に「芸術性」「創造性」を加え、感動を創造するヒントを探っていく。

 

◆                 ◆                 ◆

 

(1) 映画「ミッション:インポッシブル」の主役トム・クルーズの真剣勝負に学ぶ

第6回は、映画「ミッション:インポッシブル」のトム・クルーズ(製作兼主演)から「真剣勝負」の大切さについて考えてみたい。

 

映画「ミッション:インポッシブル」は、1作目を1996年に公開して以来、すでに6作のシリーズを世に送り出している。新作ごとに興行収入の記録を大幅に塗りかえ、回を追うごとに観客・評論家の評価も高まる。シリーズ映画のお手本とも言うべき作品だ。

 

このシリーズの製作を一貫して担い、主役も務めるのがトム・クルーズである。彼は主人公イーサン・ハントになり、世界の危機を救う凄腕スパイを演じている。アメリカの情報機関IMFに所属するハントが、仲間と協力しながら、秘密道具を駆使し、体を張って難題を解決する。

 

本作の最大の見どころは、命がけのアクション・シーンにこそある。しかも、トム自らがすべてのアクションに挑む。スタントはなしだ。

 

  • ロッククライミングで巨岩に登頂する。
  • 自らの眼球の数ミリ手前に鋭いナイフを突き立てさせる。
  • 世界一高いビルのハリファ・タワー(160階)の壁面を下に向かって駆け降りる。
  • 航空機の機体に背広でへばりついたまま高度5000フィート(約1500メートル)まで飛行する。
  • 操縦するヘリコプターを切りもみさせながら落下させる。

 

すべて、一歩間違えば大ケガか即死するようなものばかりだ。スタントなしで血も凍るような危険なアクションに、まさに真剣勝負で挑むトムの姿は、狂気すら感じさせる凄みがある。

 

もちろん、撮影にあたっては、周到な訓練と可能な限りの準備をして臨んでいる。しかし万が一ということはある。実際、アクション映画の撮影現場でケガ人や死者が出ることもよく起こる。

 

ではなぜ、スタントマンに任せず、自らアクションを演じるのだろうか?

 

トムは言う。「俳優はアフガニスタンにいる兵士のようなもの」。自らの職業を兵士に例え、文字通りの真剣勝負を前提としたプロ意識を持っているのだ。

 

確かにトムは、映画「トップガン」で空軍兵士を演じたことで人気俳優に駆け上がり、映画「7月4日に生まれて」では、ベトナム帰還兵を演じ、アカデミー主演男優賞に初ノミネートされている。この作品では、実際の従軍兵レベルのトレーニングを不満も言わずにこなし切った。

 

しかし一方で彼は、「しなくてはいけないことを楽しんでやっている。他の人たちにとっては危険に見えるかもしれないけど、ぼくにとっては楽しいことなんだよ」とも語る。なんと「楽しんでやっている」というのだ。

 

このように言える理由について、トムはしばしばインタビューの最後に「映画が好きなんだ」「好きだからできるんだ」と、充実しきった顔で語る。(南波克行著『トム・クルーズ キャリア、人生、学ぶ力』3、193~194頁)

 

ただトムのアクションは、無謀なチャレンジで人の目を引くことだけを狙っているわけではない。そのアクションに、人間のあるべき姿や責任感・使命感の尊さ、自己犠牲の精神を宿らせている。

 

言葉で語るのではなく、トム自らがそうした精神を体現し、全身全霊のアクションによって"語りかける"。それによって、無言の説得力で胸に迫ってくる。真剣勝負の演技だからこそ、崇高なテーマが深く刺さるのである。

 

映画「ミッション:インポッシブル」には、「トム・クルーズが真剣勝負の演技とアクションで魅了してくれる」という観客の大きな期待が常にある。トムはいつも、その期待のハードルを超える挑戦で応えてくれる。

 

だからこそ彼の映画は、いつも世界中の観客を興奮させ目を離させないのだ。

 

 

(2) 映画監督・黒澤明の真剣勝負

日本を代表する映画監督・黒澤明も、トム・クルーズのような真剣勝負で映画製作に取り組んでいた。

 

映画「七人の侍」(1954年公開)には、降りしきる雨のなか、野盗たちに対して武士と農民が戦いを挑む有名なラストシーンがある。

 

このシーンのために膨大な水をセットに撒いたため、現場は泥で足をとられてまともに歩けない状況となった。そのような中で、数頭の馬と数十人の人間が入り乱れる戦闘シーンを撮影するのである。そのうえ、撮影は二月の厳寒の中で行われる。

 

現場には「このまま撮影すれば、馬に踏まれて死人が出るかもしれない」という懸念があった。しかし黒澤監督は、死者が出る覚悟までしたうえで撮影を決行した。その結果、幸い死者は出なかったが、落馬して骨折した者が5名、軽傷者は数えきれないほどであったという。

 

だが、決死の撮影によって、映画史に刻まれる名場面が誕生したのである。(『日本の100人 NO.098 黒澤明』18頁)

 

同じく黒澤監督による映画「蜘蛛巣城」(1957年公開)には、悪王の城主が、城攻めを仕掛けてきた敵から無数の矢で打たれるシーンがある。その場面のリアリティを増すために、黒澤監督は本物の矢を使って撮影した。

 

矢が外れて俳優に当たらないように、弓矢の名人に依頼したようだが、城主を演じた三船敏郎の顔のすぐ近くに、矢が何本もブスブスと刺さっていく。本物の矢と知って見ると、とても正視にたえない恐怖シーンに仕上がっている。これには、さすがの三船敏郎も「後でぶっ殺すぞ」と思っていて怒り心頭だったという。(松田美智子著『サムライ 評伝 三船敏郎』125~126頁)

 

もちろん、可能な限りの安全確保は実施しているのだが、それにしても鬼気迫るものがある。

 

 

ビジネスマンに活かせるヒント

"真剣勝負"は、ビジネスパーソンでも以下のように活用できる。

 

1.「経営マインド」に活かす―責任の自覚が真剣勝負を生む

HONDA(本田技研工業株式会社)の創業者・本田宗一郎の片腕として経営を担当した藤沢武夫は真剣勝負で生きた人だった。

 

今では大企業となったHONDAにも、経営危機が幾度もあった。なかでも1954年は深刻で、銀行からの緊急融資によって何とか危機を脱した。

 

その時期に、社員とその家族による社内運動会が開催された。競技に参加した家族のなかに、ズボンに継ぎを当てている子供がいた。

 

運動会を終えて家に戻ってきた藤沢武夫は、妻の前でボロボロ、ボロボロと涙を流しはじめた。理由をたずねた妻に、藤沢は答えた。

 

「たとえ借金をしてでも子供にいいシャツを着せて、いい運動パンツを穿かせて運動会に連れていきたいのが親の心情なのに、そんなズボンしか穿かせられない俺は、なんて経営者なんだ……」「こんなことが絶対にないような会社にしなければ、俺は死んでも死にきれん」(『月刊 致知 2010年2月号』53頁)

 

藤沢武夫は「たいまつは自分で持て」と述べている。「どんなに苦しくても、たいまつは自分の手で持って進まなければいけない」と語り、それが「私の根本の思想」だと言い切る。(『経営に終わりはない』161頁)

 

真剣勝負は、他人任せにせず、向かうべき課題に立ち向かっていく責任感から生じるということを教えてくれる言葉だ。

 

2.「商品開発」に活かす――真剣になれば、商品の声が聞こえてくる!?

現パナソニックの創業者・松下幸之助は、「真剣であれば物が語りかけてくる」という。

 

松下幸之助は次のように説明している。

 

「たとえば、試作品ができるとぼくは、できる限り自分でも実際に手に取り使ってみることにしていました。電気コタツでもラジオでもテレビでも、しばらくのあいだ、じっと眺めたり、手でなでまわしたりしながら、それぞれの機能を試してみる。

 

そうすると、もの言わぬはずのコタツやテレビがぼくに語りかけてくる。『この角をもう少し削って丸みをつけてくれないか』とか、『スイッチをもう少し太くしてほしい』とかいう声が、実際に聞こえてくるような気になるのです。

 

もの言わぬはずの商品が何ごとかを語りかけてくるというのは、いったいどういうことなのか。ぼく自身もよくわからないのですが、結局、そのような声が聞こえるかどうかは、自分の側にどれだけの真剣さがあるかによるのではないかと思います」(『松下幸之助の見方・考え方』45頁)

 

松下幸之助は、「経営は真剣勝負だ」「商売は真剣勝負だ」と語っていた。(『「経営成功学の原点」としての松下幸之助の発想』57頁)

 

真剣勝負をすればこそ、人もついてくるし、アイデアが湧いてくる。そして危機に直面しても克服できる。「真剣勝負」は、日々の心がけとしても大切だが、特に、危機のときには心に刻んで仕事にあたっていきたい。

 

筆者

内田 雄大

(うちだ・ゆうだい)京都造形芸術大学芸術学部卒、放送大学大学院修士課程修了。ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ アソシエイト・プロフェッサーとして、「総合芸術論」「世界宗教史」等を教える。第6回「幸福の科学ユートピア学術賞」優秀賞(「プラトン芸術論の真相と現代的意義」)。筆名・小河白道で美術評論を執筆し、「幸福の科学ユートピア文学賞」において、2013年度から2015年度まで連続入賞を果たす。著作は『ルネサンス・コード』『クリエイティブ幸福論』

 

 

ルネサンス・コード

ルネサンス・コード

内田雄大著

幸福の科学出版

クリエイティブ幸福論

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内田雄大著

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HSU人間幸福学部:TEL:0475-32-7702 (月~木10~17時)

 

【関連サイト:ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ 公式HP】

http://happy-science.university/

 

【関連記事】

2017年1月19日付本欄 「君の名は。」が生まれた“部屋"【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

https://the-liberty.com/article.php?item_id=14024


映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

2018年12月19日 06時27分26秒 | 日記

映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

 映画「ミッション:インポッシブル」から学ぶ真剣勝負【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

ロンドンやニューヨークの美術館で開かれる、早朝の美術教室(ギャラリートーク)の参加者は、今まで観光客が多かった。しかし近年、背広を着たビジネスパーソンが、出勤前に顔を出すようになっているという。

 

世界有数の美術系の大学は、グローバル企業の幹部に向けた美術プログラムを提供し始めている。そこには、フォードやビザといった名だたる大企業の幹部が送り込まれている。

 

アップル社の創業者スティーブ・ジョブズもデザイン哲学を学んでいた。商品開発に芸術性を盛り込むことで、今世紀最大のヒット商品「iPod」「iPhone」を世に送り出した。

 

今、世界においても日本においても、経済における競争の局面が、「商品の機能の差別化」から「情緒の差別化」へと変化している――。社会の潮流を予測し、世界的なベストセラーになったダニエル・ピンク著『ハイ・コンセプト』は2005年、そう指摘した。

 

人々は、自分の美意識に合った商品や芸術性が高いものを所持し、精神的な高揚や満足感を得ることを求め始めている。

 

こうした付加価値を生み出す商品やサービスは、今までMBAで教えていたような、論理や分析のみで創造することが難しい。ビジネスパーソンたちは、より高度な芸術性や創造性が求められる時代となっている。

 

この傾向は、AI(人工知能)の発達で、さらに加速する。ロジカルな分析に基づく仕事は、コンピューターにシフトしていく可能性が高い。

 

本欄では、映画、小説、アニメーションなどにおける「ヒットが生まれた現場」に目を向ける。そしてそこから、ビジネスマンが仕事に「芸術性」「創造性」を加え、感動を創造するヒントを探っていく。

 

◆                 ◆                 ◆

 

(1) 映画「ミッション:インポッシブル」の主役トム・クルーズの真剣勝負に学ぶ

第6回は、映画「ミッション:インポッシブル」のトム・クルーズ(製作兼主演)から「真剣勝負」の大切さについて考えてみたい。

 

映画「ミッション:インポッシブル」は、1作目を1996年に公開して以来、すでに6作のシリーズを世に送り出している。新作ごとに興行収入の記録を大幅に塗りかえ、回を追うごとに観客・評論家の評価も高まる。シリーズ映画のお手本とも言うべき作品だ。

 

このシリーズの製作を一貫して担い、主役も務めるのがトム・クルーズである。彼は主人公イーサン・ハントになり、世界の危機を救う凄腕スパイを演じている。アメリカの情報機関IMFに所属するハントが、仲間と協力しながら、秘密道具を駆使し、体を張って難題を解決する。

 

本作の最大の見どころは、命がけのアクション・シーンにこそある。しかも、トム自らがすべてのアクションに挑む。スタントはなしだ。

 

  • ロッククライミングで巨岩に登頂する。
  • 自らの眼球の数ミリ手前に鋭いナイフを突き立てさせる。
  • 世界一高いビルのハリファ・タワー(160階)の壁面を下に向かって駆け降りる。
  • 航空機の機体に背広でへばりついたまま高度5000フィート(約1500メートル)まで飛行する。
  • 操縦するヘリコプターを切りもみさせながら落下させる。

 

すべて、一歩間違えば大ケガか即死するようなものばかりだ。スタントなしで血も凍るような危険なアクションに、まさに真剣勝負で挑むトムの姿は、狂気すら感じさせる凄みがある。

 

もちろん、撮影にあたっては、周到な訓練と可能な限りの準備をして臨んでいる。しかし万が一ということはある。実際、アクション映画の撮影現場でケガ人や死者が出ることもよく起こる。

 

ではなぜ、スタントマンに任せず、自らアクションを演じるのだろうか?

 

トムは言う。「俳優はアフガニスタンにいる兵士のようなもの」。自らの職業を兵士に例え、文字通りの真剣勝負を前提としたプロ意識を持っているのだ。

 

確かにトムは、映画「トップガン」で空軍兵士を演じたことで人気俳優に駆け上がり、映画「7月4日に生まれて」では、ベトナム帰還兵を演じ、アカデミー主演男優賞に初ノミネートされている。この作品では、実際の従軍兵レベルのトレーニングを不満も言わずにこなし切った。

 

しかし一方で彼は、「しなくてはいけないことを楽しんでやっている。他の人たちにとっては危険に見えるかもしれないけど、ぼくにとっては楽しいことなんだよ」とも語る。なんと「楽しんでやっている」というのだ。

 

このように言える理由について、トムはしばしばインタビューの最後に「映画が好きなんだ」「好きだからできるんだ」と、充実しきった顔で語る。(南波克行著『トム・クルーズ キャリア、人生、学ぶ力』3、193~194頁)

 

ただトムのアクションは、無謀なチャレンジで人の目を引くことだけを狙っているわけではない。そのアクションに、人間のあるべき姿や責任感・使命感の尊さ、自己犠牲の精神を宿らせている。

 

言葉で語るのではなく、トム自らがそうした精神を体現し、全身全霊のアクションによって"語りかける"。それによって、無言の説得力で胸に迫ってくる。真剣勝負の演技だからこそ、崇高なテーマが深く刺さるのである。

 

映画「ミッション:インポッシブル」には、「トム・クルーズが真剣勝負の演技とアクションで魅了してくれる」という観客の大きな期待が常にある。トムはいつも、その期待のハードルを超える挑戦で応えてくれる。

 

だからこそ彼の映画は、いつも世界中の観客を興奮させ目を離させないのだ。

 

 

(2) 映画監督・黒澤明の真剣勝負

日本を代表する映画監督・黒澤明も、トム・クルーズのような真剣勝負で映画製作に取り組んでいた。

 

映画「七人の侍」(1954年公開)には、降りしきる雨のなか、野盗たちに対して武士と農民が戦いを挑む有名なラストシーンがある。

 

このシーンのために膨大な水をセットに撒いたため、現場は泥で足をとられてまともに歩けない状況となった。そのような中で、数頭の馬と数十人の人間が入り乱れる戦闘シーンを撮影するのである。そのうえ、撮影は二月の厳寒の中で行われる。

 

現場には「このまま撮影すれば、馬に踏まれて死人が出るかもしれない」という懸念があった。しかし黒澤監督は、死者が出る覚悟までしたうえで撮影を決行した。その結果、幸い死者は出なかったが、落馬して骨折した者が5名、軽傷者は数えきれないほどであったという。

 

だが、決死の撮影によって、映画史に刻まれる名場面が誕生したのである。(『日本の100人 NO.098 黒澤明』18頁)

 

同じく黒澤監督による映画「蜘蛛巣城」(1957年公開)には、悪王の城主が、城攻めを仕掛けてきた敵から無数の矢で打たれるシーンがある。その場面のリアリティを増すために、黒澤監督は本物の矢を使って撮影した。

 

矢が外れて俳優に当たらないように、弓矢の名人に依頼したようだが、城主を演じた三船敏郎の顔のすぐ近くに、矢が何本もブスブスと刺さっていく。本物の矢と知って見ると、とても正視にたえない恐怖シーンに仕上がっている。これには、さすがの三船敏郎も「後でぶっ殺すぞ」と思っていて怒り心頭だったという。(松田美智子著『サムライ 評伝 三船敏郎』125~126頁)

 

もちろん、可能な限りの安全確保は実施しているのだが、それにしても鬼気迫るものがある。

 

 

ビジネスマンに活かせるヒント

"真剣勝負"は、ビジネスパーソンでも以下のように活用できる。

 

1.「経営マインド」に活かす―責任の自覚が真剣勝負を生む

HONDA(本田技研工業株式会社)の創業者・本田宗一郎の片腕として経営を担当した藤沢武夫は真剣勝負で生きた人だった。

 

今では大企業となったHONDAにも、経営危機が幾度もあった。なかでも1954年は深刻で、銀行からの緊急融資によって何とか危機を脱した。

 

その時期に、社員とその家族による社内運動会が開催された。競技に参加した家族のなかに、ズボンに継ぎを当てている子供がいた。

 

運動会を終えて家に戻ってきた藤沢武夫は、妻の前でボロボロ、ボロボロと涙を流しはじめた。理由をたずねた妻に、藤沢は答えた。

 

「たとえ借金をしてでも子供にいいシャツを着せて、いい運動パンツを穿かせて運動会に連れていきたいのが親の心情なのに、そんなズボンしか穿かせられない俺は、なんて経営者なんだ……」「こんなことが絶対にないような会社にしなければ、俺は死んでも死にきれん」(『月刊 致知 2010年2月号』53頁)

 

藤沢武夫は「たいまつは自分で持て」と述べている。「どんなに苦しくても、たいまつは自分の手で持って進まなければいけない」と語り、それが「私の根本の思想」だと言い切る。(『経営に終わりはない』161頁)

 

真剣勝負は、他人任せにせず、向かうべき課題に立ち向かっていく責任感から生じるということを教えてくれる言葉だ。

 

2.「商品開発」に活かす――真剣になれば、商品の声が聞こえてくる!?

現パナソニックの創業者・松下幸之助は、「真剣であれば物が語りかけてくる」という。

 

松下幸之助は次のように説明している。

 

「たとえば、試作品ができるとぼくは、できる限り自分でも実際に手に取り使ってみることにしていました。電気コタツでもラジオでもテレビでも、しばらくのあいだ、じっと眺めたり、手でなでまわしたりしながら、それぞれの機能を試してみる。

 

そうすると、もの言わぬはずのコタツやテレビがぼくに語りかけてくる。『この角をもう少し削って丸みをつけてくれないか』とか、『スイッチをもう少し太くしてほしい』とかいう声が、実際に聞こえてくるような気になるのです。

 

もの言わぬはずの商品が何ごとかを語りかけてくるというのは、いったいどういうことなのか。ぼく自身もよくわからないのですが、結局、そのような声が聞こえるかどうかは、自分の側にどれだけの真剣さがあるかによるのではないかと思います」(『松下幸之助の見方・考え方』45頁)

 

松下幸之助は、「経営は真剣勝負だ」「商売は真剣勝負だ」と語っていた。(『「経営成功学の原点」としての松下幸之助の発想』57頁)

 

真剣勝負をすればこそ、人もついてくるし、アイデアが湧いてくる。そして危機に直面しても克服できる。「真剣勝負」は、日々の心がけとしても大切だが、特に、危機のときには心に刻んで仕事にあたっていきたい。

 

筆者

内田 雄大

(うちだ・ゆうだい)京都造形芸術大学芸術学部卒、放送大学大学院修士課程修了。ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ アソシエイト・プロフェッサーとして、「総合芸術論」「世界宗教史」等を教える。第6回「幸福の科学ユートピア学術賞」優秀賞(「プラトン芸術論の真相と現代的意義」)。筆名・小河白道で美術評論を執筆し、「幸福の科学ユートピア文学賞」において、2013年度から2015年度まで連続入賞を果たす。著作は『ルネサンス・コード』『クリエイティブ幸福論』

 

 

ルネサンス・コード

ルネサンス・コード

内田雄大著

幸福の科学出版

クリエイティブ幸福論

クリエイティブ幸福論

内田雄大著

幸福の科学出版

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【関連サイト:ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ 公式HP】

http://happy-science.university/

 

【関連記事】

2017年1月19日付本欄 「君の名は。」が生まれた“部屋"【ヒット映画の仕事術に学ぶ。】

https://the-liberty.com/article.php?item_id=14024


中国「改革開放」から40年 トウ小平は「偉大」だったのか?

2018年12月19日 06時24分47秒 | 日記

これだけ知っトクNews(12月18日版) 中国「改革開放」から40年 トウ小平は「偉大」だったのか?

 

 

「これさえ知っていれば、世の中の流れをつかめる」というニュースを、編集部がピックアップ。そもそモグラ博士が、ひと言コメントしてお送りします。新聞の代わりとして、ニュースチェックの習慣づくりに、ご活用下さい。

 

  • (1) 中国「改革開放」から40年 トウ小平は「偉大」だったのか?
  • (2) 消費増税対策費に2兆円 やっぱりおかしい経済政策
  • (3) 辺野古移設反対の署名にローラさんら著名人が賛同

さらばニッポンの変な法律(3)

2018年12月18日 06時32分19秒 | 日記

 

さらばニッポンの変な法律(3)

景気回復には1円も要らない

規制を緩和すれば、これだけいいことが起きる。 時にその効果は、財政出動を超える。

 

 

規制緩和の効果はバツグン

 

規制緩和の余地はまだまだある

  • 介護サービスの価格自由化
  • 株式会社による病院経営の自由化
  • 株式会社による農業への参入要件の緩和
  • 公立・私立学校の区別をなくし、設立を自由化
  • テレビや携帯電話会社の電波オークションの採用
  • 保育所の価格・参入の自由化

 

 

旅館業法を緩和

家に観光客を泊める

「民泊」が増え消費が伸びる

 

予算0円→経済効果10兆円

新経済連盟の試算。

 

 

建築基準法などを緩和

東京都内の特区で

投資・住居需要・商取引が増加

 

予算0円→経済効果10兆円

都内28カ所の特区で、建物の高さや、外国人を含む起業の手続きなどを緩和した場合の政府試算。

 

 

経済対策のコスパは低い場合も

 

低所得者への3万円のバラまきなどは予算を超える効果を見込みにくい

 

予算2.6兆円→GDP押し上げ2.5兆円

2015年に安倍政権が高齢低所得者に給付した定額給付金など(補正予算)。みずほ総合研究所が試算。

 

 

国民1人につき1万2千円をバラまいても、大きな効果は見込めない

 

予算2兆円→経済効果3.3兆円

2008年に麻生政権が給付した定額給付金。
経済効果は消費性向0.4として試算。

 

 

規制緩和の主な例

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 1円も使わずに国内総生産(GDP)を増やす方法。それが「規制緩和」である。

 江戸時代には、鎖国や身分制などによって、貿易や職業選択の自由がなく、産業も農業中心だった。明治維新後は、こうした「規制」がなくなり、産業も多様化した。その結果、明治新政府成立後30年の間に、一人当たりGDPは1・6倍になった。思い切った規制緩和で自由の範囲を拡大すれば、現代ならGDPは数百兆円増える可能性もある。

 法律が少ないほうが、自由な経済活動ができ、日本全体の発展につながる。にもかかわらず、六法全書の厚みは増すばかりだ。

 なぜ法律は増える一方なのか。

 

 

(1)新規参入の規制

 既存の組織や業界と関係の深い政治家たちが、自分たちに都合のよい法律をつくることがある。新しいチャレンジをする株式会社が、病院経営に参入できないことなどはその一例だ。

 

(2)過度な介入

 時の政権が景気回復を焦ったり、国民にアピールしたりするため、「女性管理職の割合を増やせ」など、民間の仕事に口を出す。

 

(3)ゼロリスク至上主義

 失敗を恐れすぎる日本人の悪い癖により、企業の不祥事や商品トラブルなどの問題が起きると、マスコミが一斉にバッシングを始める。世論もそれに流されて「お上」に解決を委ねる。

 

 

法律は自由を守るためにある

 本来、法律とは「禁じられていること以外は自由にしてよい」という形で、自由の範囲を決めるものだ。法律が増えすぎると、自由の領域は狭まっていく。

 既存のルールを絶対視せず、「この法律は環境や時代に合わなくなったり、国民の自由を奪ったりしていないか」という目を持ちたい。法律をなるべく少なくシンプルにすることが、景気を回復しGDPを増やす道だ。


さらばニッポンの変な法律(2)

2018年12月18日 06時22分26秒 | 日記

さらばニッポンの変な法律(2)

(5) 建築技術の進歩に追いつかない法律

 不動産会社を経営する60代の社長は、建築に関する規制に頭を悩ませる。建物の高さやトータルの床面積に制限があり、部屋数を増やすことができない。

 諸外国と比べて規制の厳しさは際立っている。例えば、同じ面積の土地に、東京23区なら平均1・3階建ての建物しか建てられないが、米ニューヨーク・ミッドタウンなら14階建てのビルが建つ(注2)。東京の部屋が狭くて高いのは、この規制が一因だ。

 なお、このルールが制定されたのは、耐震技術などが十分でなかった1970年ごろだ。社長は「技術は進歩したのに、法律はほとんど変わらない。民間の発展を止めています」と語る。

(注2)2002年の森ビルによる調査。建築基準法の改正に伴い、特例容積率適用区域制度が創設され、現在は商業地域の容積率上限の引き上げも進んでいる。

 

 

(6) 本当は誰のため? 細かすぎるラベル表示

 すべての加工食品に、主な原産国表示を義務付ける方針について、政府が検討を始めた。

 これに対し、大手食品メーカーの役員は「同じ原材料でも、販売戦略などによって輸入する国は変わり、すべてを記載することは不可能です。また、ルール変更によってラベルを張り替えるコストはメーカーが負担することになります」と憤る。

 政府は、国産品の消費を促すためだと説明するが、前出の役員は、次のように分析する。

「義務化の本当の意図は、食の安全に力を入れているという政府のアピールでしょう。心ある企業はホームページなどで原産国をすべて公表しています。結局は、メーカーと消費者の信頼関係の問題です。ルールが複雑で細かくなれば、ちょっとした表示ミスであっても『意図的に隠した』などとマスコミに叩かれてしまうんです」

 添加物やアレルギー表示などは別として、一律に細かい義務付けをすべきではないだろう。

 

 

(7) 各省庁の目標を押し付けられる企業

 各省庁には、政治家のトップダウンによって「省エネ」や「環境保護」に関する目標がある。だが、目標を達成するために働くのは企業だ。

 大手半導体メーカーの管理職は、「経済産業省が強制してくる、温室効果ガス削減は本当に厳しいです。日本の2030年度の目標は2013年比26%減です。今までもかなり省エネに貢献してきたのに、電気代アップも加わって、毎年苦労しています。機械のモーターを、省エネ効果の高いものに交換しようとしましたが、機械の改造も必要で4割もコストが増えます。2年かけて回収できるかどうか」と悲鳴を上げる。

 大手電機メーカーの技術者も省庁からのプレッシャーに悩まされている。「商品の部品や原料となる化学材料の規制が厳しくなっています。環境保護のためと言いますが、危険性が明らかになっていないものもあります。もちろん、環境省は代わりの材料を探してはくれません」

 省庁から丸投げされた目標を達成しても、企業には何の報酬もない。

 


 

 

経営者に代わって聞きました

 

規制を増やす省庁にクエスチョン!!

 

 うどんと素麺の表記の違い。金融庁による民間への口出し―。どうにも納得がいかないので、役所に見解を尋ねた。まずは消費者庁から。

 

 

規制が増える理由

山本(以下、山) もしもし、私、山本と申します。うどんと素麺の違いを法律で規定していますが、それはなぜでしょうか?

担当者A(以下、A) やはり、表示がバラバラだと、消費者が困るので。

分かりづらいなら、消費者が買わなくなるだけでは?

A まぁ、そうですが、消費者の声がありまして。

昔の事例ですが、沖縄そばを"そば"と認定してもらうのに、約2年かかっています(注3)。規制により、今までの枠を超えた商品を開発しづらくなる恐れもあるのではないですか?

A ……。それは表記の基準の話ですか?

そうです。中身と表示が異なるのはあってはならないですが、表記の仕方を厳格にする必要性はあるのでしょうか?

A 消費者が選択するためには、一定の基準が必要ですよね。

他にも表記を規定する背景には、消費者の安全を確保する点もありますが、どこまでいったら安全と言えるんですか?

A 個々のケースによって異なるので、それも我々としては、一定の基準を設けるしかありません。

後から新しい商品ができますし、そもそも料理自体の線引きも曖昧じゃないですか。どんどん規制が増えていく気がするんですが?

A 現状に合わないなら、変えた方がいいとは思います。

そうですか。ちなみに、Aさんは、うどんか、素麺のどちらが好きですか?

A どちらかと言うと、うどんが好きですね(笑)。

 

 どうやら、一部消費者の声によって、規制が増える構図がうかがえた。しかし本来は、企業が対応すれば済む問題ではないか。結局、納得はいかなかった。

 

 

"空気の規制"があった

 次は、銀行業を監督する金融庁だ。同庁は最近、融資が増えない現状を問題視し、自ら融資先を見つけ、地方銀行などへの経営指導を強化すると報じられている。これについての見解はいかに。

 

金融庁が経営指導を強化するとの報道がありますが?

担当者B(以下、B) 若干、事実誤認があります。指導ではなく、あくまでも金融機関との対話によって、融資状況を改善するのが趣旨です。ですから金融庁が、どこそこへ融資をしなさいと判断するわけではありません。

金融庁は今、人口減少社会などを見据えて、地銀に対して、独自のビジネスモデルを構築せよと発信していますよね。これをやり過ぎると市場への介入と受け取られるのでは?

B いや、それは……。我々は規制する権限を持ってはいても、事業について言う立場にないので、なかなか難しいですね。あくまでも金融機関が判断すべきことです。

銀行に改革が必要であるとの認識は理解できますが、現場からすると、金融庁が出てくると、従わざるを得ないのでは?だって、銀行界は横並びの社会だと言われてますし。

B そこはまぁー(笑)。

金融庁の後押しを受けて事業を行った結果、万が一、潰れたら誰が責任をとるんですか?

B そこまでは、ちょっとなかなか……行政方針に関わる壮大な問いですよね(笑)。私の個人的なあれを超えて……。奇抜なことをやればいいかというと、それで潰れても問題ですしね。すみません、別の部署の方に尋ねてくだされば……。

 金融庁が行う対話を通じた状況の改善は、銀行から見れば、圧力に他ならない。日本人の"空気"を利用した規制強化が存在するということか。

(注3)「生めん類の表示に関する公正競争規約」によると、「そばは、そば粉が30%以上使われているもの」などと規定されている。だが、沖縄そばは、そば粉を使用しない。

 


さらばニッポンの変な法律(1)

2018年12月18日 06時13分28秒 | 日記

さらばニッポンの変な法律(1)

 

さらばニッポンの変な法律

 

 

私たちの社会は、 さまざまな法律に基づいて動いている。
だが、中には時代に合わなくなったり、
何のためにつくられたのか分からず、
経済活動の足を引っ張っている法律も少なくない。

(2016年12月号記事を再掲)

 

さらばニッポンの

変な法律

 

 

ふざけてるの?真面目なの?

 

ナニコレ珍法律

 

有名な哲学者がこう言った。

「悪法もまた法なり」。

だが法律は、金科玉条のごとく、

変えてはならないものなのか。

 

 

なんて優しい警察官!?

子供が警察官の真似事でする敬礼。交番のお巡りさんに敬礼すると、お巡りさんも敬礼してくれる。なんて優しいんだ……と思いきや、実は「そうせよ」と決められているのである(警察礼式)。答礼はサービスではないというのは、子供に教えない方がいいかもしれない。

 

 

うどんと素麺の違いは〇〇

原材料が同じ、うどんと素麺。その違いは……? 実は、「うどんは直径1・7ミリ以上で、素麺は直径1・3ミリ未満」と定められている(乾めん類品質表示基準)。これに反すれば、回収などの行政処分が下る(食品表示法)。味よりも重要なのは、太さだった。

詳しくは本誌45ページへ

 

 

国会議員はみな法律違反!?

「それでよく総理が務まるなあ」「まず自分が子供を産まないとダメだぞ」。ニュースでは、国会でのヤジの応酬をしばしば目にする。だが、国会で下品なヤジを飛ばしたら、「国会法」に反する可能性があるのはあまり知られていない。日本で最も無秩序な場所は、国会かもしれない。

 

 

ビジネスホテルとラブホの違いは?

ビジネスホテルとラブホテルを区別するのは、煌びやかな外観……と思いきや、条例では、食堂の有無が、区別するポイントになっている(東京都旅館業法施行条例)。食堂があれば、ラブホテルとみなされず、風俗営業の対象外になるためだ。食堂の規定を満たせば、城のようなビジネスホテルや、旅館のようなラブホもあり得る。外見だけで判断してはいけない?

 

 

あ! お隣さんの郵便物が入ってる!

人はみな間違いを犯す。郵便配達員もそうだ。近所の家の配達物が自宅のポストに入っていて、届けてあげた経験は一度や二度はあるだろう。だが、郵便法によると、もし誤配達があった場合、郵便局にその旨を通知し、再配送してもらうのが正しいやり方だ。総務省は、「トラブルを避けるため」と説明する。

 

 

芸能人という職業は自称なのか?

「芸能人」という職業は、誰が決めているのだろう? 自分で名乗れば芸能人! と思いきや、芸能人の定義にも規制があった。所得税法施行令には、「芸能人は、映画若しくは演劇の俳優、音楽指揮者、漫才家」などと規定されている。芸能人の給料は、源泉徴収の対象であるためだ。芸能人かどうかが税法で決められているのは、夢がない気がしないでもない。

 

 

死亡届は人間だけじゃない

家族のように大切な存在である犬。しかし、いつか別れの時はやってくる。自宅の敷地に埋葬する人もいるだろう。だが、ご存じだろうか。犬が亡くなった後、30日以内に死亡届を役所に提出しなければ、罰則が科される(狂犬病予防法)。1957年以降、狂犬病の発生例はなく、猫にも感染するにもかかわらず、なぜか犬だけが対象だ。犬と猫との違いは、死亡届だった。そんな馬鹿な。

 

 

警察官には自衛隊並みの規制が……

海外の警察と比べると、日本の警察は容疑者逮捕に慎重な印象がある。その理由は、自衛隊並みにがんじがらめにされる規制があるためだ。「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる兇悪な罪」の疑いがなければ、武器の使用は、原則認められない(警察官職務執行法)。緊急時に、六法全書を確認している暇はない……。今後、警察官の発砲ニュースに触れたら、よほど危ない目に遭ったのだろうと想像してみよう。

 


 

規制をめぐる涙ものエピソード

 

増え続ける法律でみんな損してる!?

 

普段の生活では意識しないことだが、終戦直後100本ほどだった法律は、

現在では2000本近くまで増えている。

増え続けたルールは、時に「悪しき規制」となって私たちの前に立ちはだかる。

 

 

規制のパターン1

新しいチャレンジを邪魔

民間企業が新しいチャレンジをすると、それを邪魔するルールが生まれる。誰か困る人がいるのだろうか?

 

(1) 自分の土地なのに家が自由に建てられない?

 北陸地方でIT企業を営むNさん夫妻は、夢だったホームオフィスを建てるため、土地を買おうとした。だが、「その土地に、新しい住宅は建てられません」と告げられる(都市計画法に基づいて指定される「市街化調整区域」のため)。とはいえ、すでに何軒かの住宅も建っており、納得がいかない。

 今度は、隣町にある夫の両親の土地に建てようとしたが、「生活に密着した建物以外はダメ」という変なルール(都市計画法)に阻まれた。役所の解釈によれば、コンビニや美容院はOKで、会社のオフィスはNGらしい。

 仕方なく、夫の実家の隣に建てようとしたが、またしても規制が立ちはだかる。その町の条例では、「家の敷地は60坪なければならない」と定められていた。実家の隣は、40坪の土地しか確保できない。結局、夫の実家をリフォームすることに。規制で疲れきった夫妻に追い討ちをかけるように、役所が告げた。

「ここは住宅地ですから、オフィスはダメですよ。会社の看板は出せません」

2人は、「自分の土地なのに、自由に家を建てられないなんて」とため息をつく。

 

 

(2) 今までにない高齢者向け住宅をつくったら……

 地方都市で有料老人ホームなどを経営する女性社長は、介護制度のおかしさに疑問を抱く。

 民間の介護系施設は法人税や固定資産税を払う必要があるが、社会福祉法人(注1)が運営する介護施設は税額が低く、多額の補助金が入る。価格設定の面で不利になるが、魅力的なサービスで利用者の支持を得てきた。

 他にも理不尽なことはある。

「今は元気だが、急に倒れたら不安」という高齢者のため、介護士が見守る集合住宅をつくったところ、似たスタイルの施設が増えてきて、新たなルールがつくられてしまった。バリアフリー構造や、一定の広さの廊下などが求められるようになった。

 一番痛かったのは、集合住宅に診療に来てくれる医師の報酬が、厚生労働省によって、突然4分の1に減らされたことだ。これでは医師は来てくれない。

 税金を納めながら経営努力を重ねている民間企業を邪魔するなら、結局は国民が損をすることになる。

(注1)社会福祉事業を行う特別法人。

 

 

規制のパターン2

国民の仕事に口出し

必死に経営努力する民間企業に、役所が「アドバイス」をくれる。企業が倒産しても責任を取らないなら、自由にさせて!

 

(3) 「貸すな」の次は「貸せ」?

 金融庁に翻弄される銀行

 銀行をいじめる金融庁の様子を描いて話題を呼んだ、ドラマ「半沢直樹」。銀行の仕事に口を挟むのも、一種の規制と言える。

 10年ほど前まで都市銀行に勤務し、3年間で9回の金融庁検査を経験した元銀行マンは、こう話す。

「融資先企業の将来性を説明しても、決算書上の数字だけで貸すべきでないと判断されたこともあります。こうした検査で多くの中小企業が倒産し、『金融庁倒産』などと呼ばれました。批判が出て、今は金融庁も基準を見直しています」

 実際、現在の金融庁は貸し出しを増やすよう金融機関へ呼びかけている。今まで貸し出しを受けなかった中小企業の状況を自ら調べ、発展の可能性がある企業にお金を貸すよう、地方銀行に働きかける方針だという。だが、銀行にとって「余計なお世話」であることに変わりはない。

 メガバンクに勤務する20代の銀行マンは、「方向性は理解できます。でも、貸したお金が戻ってこない場合、リスクを負うのは銀行ですよね……」とつぶやく。

 

 

(4) 政府の口出しで増える仕事

 携帯電話業界にも規制の波は押し寄せている。

 大手キャリアの携帯ショップで働く20代男性は、携帯電話業界の苦境をこう語る。

「政治家の方針を受けた総務省から『0円携帯は禁止』『もっと利用料を下げろ』と言われたりするので、その対応に追われています。減った利益を補うため、最近では、スマホとセットでコメや電気、ウォーターサーバーまで売っています」

 もはや携帯ショップではない。

「おまけに、消費者を守るためということで、契約文書に関する決まりがいろいろ増えました。機種変更の手続きなら、以前は十数分で済んでいたのに、今では30分以上かかります」

 政府は、月末金曜日は15時に帰る「プレミアムフライデー構想」や「残業ゼロ」を後押しするが、余計な仕事を増やす規制をなくすほうが先ではないか。

 

 

規制のパターン3

ゼロリスクが新たなリスクに

「消費者の安全」「環境保護」を名目にした規制は、商品の値上げや経営危機という新たなリスクを生みかねない。


GAFAやファーウェイの規制、日露平和条約……。提言後に“歴史”が動いた

2018年12月17日 06時15分27秒 | 日記

GAFAやファーウェイの規制、日露平和条約……。提言後に“歴史”が動いた

  

街を歩くとクリスマス・ソングが流れ、多くのお店ではクリスマス関連の商品が並び、2018年も終わりが近づいていることを実感させられます。

 

リバティ本誌やリバティWebでは、今年1年、さまざまな発信を行ってきました。

 

今回、本欄では、少々気が早いかもしれませんが、今年1年を振り返り、リバティで発信してきたことが実現した事例について、主なものをいくつか紹介したいと思います。


孤独に寄り添うプロフェッショナル / うつ、非行、虐待、自殺…… Part.1

2018年12月17日 06時14分11秒 | 日記

孤独に寄り添うプロフェッショナル / うつ、非行、虐待、自殺…… Part.1

 

孤独に寄り添うプロフェッショナル / うつ、非行、虐待、自殺…… Part.1

 

 

2019年1月号記事

 

うつ、非行、虐待、自殺……

 

孤独に寄り添うプロフェッショナル

 

いつの時代にも、自分を顧みず、人のために尽くす人がいる。

彼らはなぜ、いばらの道に見える人生を歩むのだろうか。

(編集部 山本慧、山本泉、片岡眞有子)

 


contents


 

 世界では今、「心の病」に苦しむ人が増え、国際問題化している。日本国内の統計をみても、その一端がうかがえる。

 うつなどの「気分障害」で医療機関を受診する総患者数は、111万6千人(2014年度)、15年間で2.5倍になった。全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、12万2578件(16年度)。小・中学校の不登校児童生徒数は、14万4031人で過去最多となった(17年度)。

 いずれも増加傾向にある心の病は、私たちの周りに潜む身近な問題だ。

 

 

孤独を救う「無名の菩薩」

 若者は、SNSの友達がいても、本音で語り合える真の友達が少ないことに悩む。スマホ漬けによってコミュニケーションに苦手意識を持ち、人付き合いがうまくいかず、社会からドロップアウトするケースも後を絶たない。

 職場の人間関係や家族の絆も希薄化し、高齢者世代では孤独死が社会問題化している。

 自分の殻にこもる人が増える中、孤独な人々に手を差し伸べ、救い出そうとしている人たちがいる。

 NHKが昨年ドキュメンタリー番組で取り上げ、視聴者から大反響を呼んだ元保護司の中本忠子さん。SNSで5千人以上の若者の相談に応じる岡田沙織さん。天皇陛下から功労を認められた更生保護施設を運営する工藤良さん。障害者支援から政治家に活躍の場を広げた栃木県下野市議の石川信夫さん。

 彼らは、うつや非行、不登校、自傷、障害などに悩む人々の心に寄り添うプロフェッショナル。まさに、現代に生きる「無名の菩薩」と呼んでいいかもしれない。

 本特集では、そんな4人の生き様に迫り、生きづらくなった世の中で「人が大事にすべき価値観とは何か」を探りたい。

 

Part2に続く  


ストレスから逃げたくて悪癖が直せない──精神科医がおすすめする心を浮かせる名作映画(15)

2018年12月17日 06時08分20秒 | 日記

ストレスから逃げたくて悪癖が直せない──精神科医がおすすめする心を浮かせる名作映画(15)

 

ストレスから逃げたくて悪癖が直せない──精神科医がおすすめする心を浮かせる名作映画(15)

 

 

仕事や人間関係に疲れた時、気分転換になるのが映画です。

 

映画を選ぶ際に、動員数、人気ランキング、コメンテーターが評価する「芸術性」など、様々な基準があります。

 

アメリカでは、精神医学の立場から見て「沈んだ心を浮かせる薬」になる映画を選ぶカルチャーがあります。一方、いくら「名作だ」と評価されていても、精神医学的に「心を沈ませる毒」になる映画も存在します。

 

本連載では、国内外で数多くの治療実績・研究実績を誇る精神科医・千田要一氏に、悩みに応じて、心を浮かせる力を持つ名作映画を処方していただきます。

 

世の中に、人の心を豊かにする映画が増えることを祈って、お贈りします。

 

今回は、悪癖を直せず、退廃的な生活を送ってしまう人に向けたものです。

 

◆                   ◆                   ◆

 

(1)「ガンジー」(★★★★☆)

まずご紹介するのは、「ガンジー」(1982年、イギリス・インド映画、188分)で、インド建国の父、マハトマ・ガンジーの不撓不屈の人生を描く伝記映画です。第55回アカデミー賞の受賞作です。

 

1893年の南アフリカで、ガンジー(ベン・キングズレー)は、人種差別で列車から放り出されたことに、激しい怒りを覚えます。弁護士だったガンジーは、暴力をいっさい用いずに闘うことを信条とし、"生涯禁欲"の誓いを立て、差別反対の闘争を開始。その後1915年、インド・ボンベイに戻ったガンジーはインド国民から英雄として迎えられました。

 

インドを植民地として搾取していたイギリスは、インド人の言論、思想、集会の自由を抑圧したため、ガンジーはインド国民にストライキを呼びかけます。イギリス政府から何度も逮捕され、嫌がらせを受けながらも、正義を貫き通すガンジーは、「マハトマ(偉大なる魂)」と呼ばれ、インドの精神的支柱となったのでした。

 

ガンジーが夢見たのが、インドの独立です。第二次世界大戦終結という時代の流れを受け、ついにインド独立が目前に迫ります。しかし、イスラム教徒とヒンズー教徒の対立が激化。イスラム教徒によるパキスタン建国を受け、両教徒は国境沿いを中心に衝突し、内戦状態になってしまいます。これを悲しんだガンジーは、両教徒に殺し合いをやめるようハンガーストライキに入るのでした。彼は、果たして戦争をおさめることができたのでしょうか。

 

ガンジーは自らに「禁欲」を課しました。宗教的に言えば、これは「執着を離れる」ということでしょう。

 

精神医学では、こうした「執着」の表れとして、「中毒症」「依存症」「嗜癖(しへき)」についても分析しています。ギャンブル依存症、買い物依存症、薬物・アルコール依存症、恋愛依存症、性嗜好障害・性倒錯など、様々な症例があり、刑事事件になることも少なくありません。最近では、スマホ中毒やゲーム依存症も増えています。

 

こうした依存症の大きな原因の2つが、ストレス回避のためと、人生の目標・生きがいがないことです。

 

したがって、依存症から脱出するには、まずストレスから逃げないことが大切です。失恋、離婚、病気、死別、経済不況、リストラ、パワハラ、セクハラ、いじめなどのストレスから逃げずに、それを整理することが必要です。

 

ストレスを整理する際の心構えとしては、以下の3点が挙げられます。

 

(1)人生は不確かなものであり、すべては変化していくという認識を持つこと

受け入れがたいことが起きた時にストレスは生じるが、そもそも人生は思い通りにいかないものであるという認識を持ち、不確かさに耐える力をつける。

 

(2)「今、ここ」に意識を集中させる時間を持つ

いわゆる、マインドフルネス。自らの思考や感情、行動の因果関係を紐解き、自分という存在を俯瞰することで、柔軟に変化していくマインドを身につける。

 

(3)自らが人生の担い手であると認めること

自分の人生に責任を持っているのは、他でもない自分であると認識する。それにより、人生の選択に対する責任感や、その選択がもたらす結果を受け入れるマインドを持つ。

 

さらに、人生の目標・生きがい作りをしていくことで、依存症や悪癖から抜け出し、創造的な人生を歩むことができます。

 

心理学者のアブラハム・マズローは、人間が持つ最高の欲求として「自己実現欲求」を挙げていますが、自己実現をする人には、15の特徴があると言われています。その1つが「正義の実現」です。「非常に倫理的で、はっきりとした道徳基準をもっていて、正しいことを行い、間違ったことはしない」という特徴が挙げられています。

 

人生の目標、生きがいを定める上では、「自分のため」だけではなく、「正義」や「公共善」という観点を盛り込むことで、実現に向けたモチベーションが高まるはずです。

 

 

(2)「X-MEN」(★★★★☆)

次に紹介するのが、「X-MEN」(2000年、アメリカ映画、104分)です。

 

遺伝子突然変異のミュータントたちは、社会からいわれのない迫害を受けていました。

 

そうした中、磁力を操る能力を持つミュータント、エリック・レーンシャー(イアン・マッケラン)は、不寛容な人間社会への怒りから不満分子ミュータントらとともに復讐しようとします。

 

一方、テレパシー能力者でミュータントのチャールズ・エグゼビア教授(パトリック・スチュワート)は、才能に恵まれ正義の心を持った子供たちを育て、「X-MEN」を結成。世界を支配しようとするエリックたちを阻止するために立ち上がります。

 

本作のメインテーマは「遺伝子」ですが、遺伝子だけでは、人間の行動は決まりません。「悪行を控え、善行をなそう」とする後天的な努力によって、幸・不幸が分かれていきます。

 

人間はしばしば、才能や外見、環境、学歴が恵まれていないと生きる気力を失い、退廃的な生活を送ってしまうことがあります。しかし、「努力によって人生を変えることができる!」と信じたほうが、幸福な人生が開けます。本作のエグゼビア教授のように、どのような環境にあっても、努力によって善行を積んでいきたいものです。

 

 

(3)「バッド・アス」(★★★☆☆)

最後にご紹介する映画は、「バッド・アス」(2012年、アメリカ映画、91分)。これは、ある初老男性がチンピラ2人を撃退した様子が、動画サイトにアップされたことで世界的に話題になった実話をもとにした、痛快アクション映画です。

 

アメリカのとある町。フランク・ベガ(ダニー・トレホ)はベトナム戦争から帰還した今でも、心の傷が癒えず、定職にも就けず、屋台でホットドッグを売って、生活のやりくりをしていました。そんなある日、フランクは、バスの中で2人の不良にからまれている老人を助け、その一部始終が動画サイトに流れたことで、一躍有名に。彼の暗い退廃的な人生に、突然光がさしてきたのです。

 

しかし、親友のクロンダイルがチンピラにからまれて命を落としてしまいます。警察の捜査では埒が明かず、フランクが独自に調べたところ、クロンダイルは市長の汚職にからんだあるデータの所在を突き止めたことで殺されたことが判明。親友の死に、組織犯罪の影を見たフランクは、行動に出ます。生まれ変わった正義の味方、フランクに果たして勝算はあるのでしょうか?

 

他には、以下のような映画がオススメです。

 

「カンフーパンダ」(★★★☆☆)

口だけは一人前のぐうたらパンダが、伝説の戦士に選ばれ、悪の武術家との戦いに挑むアニメ映画。本作は、「いかに自分を信じきることができるか?」を問う内容になっています。地道な努力はもちろん大切ですが、最後に勝敗を決するのは、「信じる力」なのだと気付かせてくれます。

 

 

「インサイダー」(★★★★☆)

あるタバコ企業の倫理違反活動を告発するジャーナリストたちの正義の戦いを描く、実話を基にした社会派映画です。本作を観ると、「正義」を体現するには、「勇気」が必要であり、この2つは不可分な関係になっていることが分かります。逆境に遭いながらも、正義と勇気を示す姿に感動します。

 

 

「不撓不屈」(★★★☆☆)

実話「飯塚事件」に基づく"税理士VS国税庁"の法廷物語。国家権力の横暴に屈せず、正義を貫き通した一介の税理士の奮闘記です。最近の研究結果によれば、「意志力(will power)」が人の幸福感を高めることがわかってきています。本作の主人公・飯塚のように、「大義」をかかげることで、意思力は最強のものとなります。悪から離れ、善を追求する意思力を養っていきたいものです。

 

 

幸福感の強い人弱い人

幸福感の強い人弱い人

千田要一著

幸福の科学出版

精神科医

千田 要一

(ちだ・よういち)1972年、岩手県出身。医学博士。精神科医、心療内科医。医療法人千手会・ハッピースマイルクリニック理事長。九州大学大学院修了後、ロンドン大学研究員を経て現職。欧米の研究機関と共同研究を進め、臨床現場で多くの治癒実績を挙げる。アメリカ心身医学会学術賞、日本心身医学会池見賞など学会受賞多数。国内外での学術論文と著書は100編を超える。著書に『幸福感の強い人、弱い人』(幸福の科学出版)、『ポジティブ三世療法』(パレード)など多数。

 

 

 

【関連サイト】

ハッピースマイルクリニック公式サイト

http://hs-cl.com/

 

千田要一メールマガジン(毎週火曜日、メンタルに役立つ映画情報を配信!)

http://hs-cl.com/pc/melmaga/hsc/?width=550&height=500&inlineId=myOnPageContent&keepThis=true&TB_iframe=true

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『幸福感の強い人弱い人 最新ポジティブ心理学の信念の科学』 千田要一著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=780

 

【関連記事】

「精神科医がおすすめする 心を浮かせる名作映画」過去記事一覧

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バチカンが譲り「中国公認の司教」に一本化 中国は地下教会への弾圧を強める

2018年12月16日 06時39分16秒 | 日記

バチカンが譲り「中国公認の司教」に一本化 中国は地下教会への弾圧を強める

キリスト教カトリックの総本山バチカン(ローマ法王庁)が中国で任命した司教2人が引退・降格し、中国政府公認の司教に交代する人事が16日までに決まりました。

 

これは、バチカンが中国に譲歩し、中国政府が認めていない「地下教会」が公認教会に吸収されることを意味します。

 

中国では地下教会に対する弾圧が強化されており、抵抗してきた地下教会の信者たちは落胆しているといいます。

 

本欄では、中国で脅かされている信教の自由の実態について見ていきます。


厚労省が「妊婦加算」を凍結表明 減税による景気回復で子育て支援を

2018年12月16日 06時36分27秒 | 日記

厚労省が「妊婦加算」を凍結表明 減税による景気回復で子育て支援を

 

厚労省が「妊婦加算」を凍結表明 減税による景気回復で子育て支援を

 

 

《本記事のポイント》

  • 「妊婦加算」が開始数カ月で早くも凍結が決定
  •  子育て支援が手厚くなる一方で、当事者負担の「妊婦加算」は大不評
  •  本当の子育て支援は減税による景気回復

 

厚生労働省が14日、4月から始まった「妊婦加算」を早くも凍結すると発表した。

 

「妊婦加算」とは、妊婦が病院で診察を受けると自己負担が上乗せされるもので、自己負担額は初診の場合は230円、再診なら110円(いずれも3割負担の場合)が上乗せされる。

 

妊婦が受診した場合、診察や薬の処方に一定の配慮や専門知識などが必要になることが多いため、診療報酬を上げることで、より丁寧な診察を行うよう医師に義務づけることを趣旨として始まったものだ。

 

風邪や肌のトラブルなど、妊娠とは関係のない症状で病院を受診しても、「薬は出せません」「婦人科へ行ってください」などと言われる事例も多いため、一部では歓迎の声も上がった。

 

しかし、「妊婦の自己負担を増やすなんて、少子化を本当に解消する気があるのか」「加算が必要なら、せめて助成や還付を行うべき」などと、疑問を呈する声のほうが圧倒的に多い。

 

コンタクトレンズの処方など、胎児や母体に配慮する必要がない診療にも一律で加算されることや、診察後に外見を見て「もしかして妊婦さんですか? それならお会計変わります」と病院の受付で言われ、妊娠していない人と同様の診察しかされていないのに加算された事例などもあり、制度の矛盾への批判も高まっている。

 

妊娠や出産の際には、通院の機会も増え、保険が効かない診療も多い。ただでさえ出費がかさむ中で、さらに自己負担を上乗せする「妊婦加算」に、「少子化の時代に逆行している」という声が上がるのもうなずける。

 

さらに、前述のように、妊婦という理由で配慮する必要のない診察にも一律で加算する方針にも疑問が残る。

 

 

手厚さが増す子育て世代への支援

凍結に至った大きな理由として、政府の思慮が足りていなかったことが挙げられる。しかしそもそも、妊婦や子育て世代への支援の「ねじれ」こそ、問題ではないだろうか。

 

少子化対策として、政府や自治体は、さまざまな補助や支援を行っている。女性が妊娠や出産をきっかけに会社を辞めた場合、雇用保険の「失業給付の受給期間の延長」を受けることができ、仕事は辞めず、産休(産前産後休業)や育休(育児休業)を取得する場合は「出産手当金」と「育児休業給付金」が受け取れる。

 

妊娠中の健診には、「妊婦健診費用の補助」(自治体によって異なる)を受けられ、出産後は、加入している国民健康保険や健康保険などから、子ども1人につき42万円の「出産育児一時金」が支払われる。この金額を分娩費用としている産院も多い。

 

その他、自治体によってさまざまな補助や付加給付などを行っている場合もある。さらに「出産育児一時金」や「育児休業給付金」など、20年前と比較して金額が約25~40%アップしているものもある。出産・育児に対する制度は手厚さを増し続けている。

 

さらに、子供を預けたいのに預けられない「待機児童問題」の解消に向けて、国や各都道府県は積極的に保育所増設に向けての補助を行っている。保育料も、保護者が毎月負担する金額の数十倍の運営費が、児童1人ごとにかかっており、不足分は公費で賄われているのが現状だ。

 

 

減税こそが一番の少子化対策

政府がさまざまな少子化対策を打ち出す中で、「妊婦加算」という当事者の負担を増す制度が登場したため、違和感が強まり、強い反発を招いたのではないだろうか。「妊婦加算」や出産・育児への補助や支援は、将来的な医療の充実や少子化対策として有効なものなら、続行すべきだろう。しかし、一番効果的な少子化対策ができていない。

 

現政権は来年10月1日に消費税率を8%から10%へ引き上げるとしているが、これまで消費税が導入・増税されるたびに、子育て世代の給料が減り、将来への不安を高め、少子化を加速させてきた。

 

政府は10%への増税を「全世代型の社会保障」のための財源確保としている。しかし、増税よりも減税こそが、景気を回復させ、子育て世代の所得を増やすことになる。夫の給料が上がれば、子育てにかかる費用の不安も薄まる。妻が子供を預けて無理に働きに出る必要がなくなれば、家で子育てをする家庭も増える。2人目、3人目の出産にも前向きになれ、出生率も上がっていくだろう。

 

「妊婦加算」の凍結をきっかけに、政府は本当に必要な少子化対策が何かを考え直すべきだ。

(駒井春香)

 

【関連記事】

2018年9月26日付本欄 「妊婦加算」に上がる不満の声 国がすべき最大の少子化対策とは

https://the-liberty.com/article.php?item_id=14933

 

2019年1月号 消費税10%で年90万円損する まだ増税は止められる!

https://the-liberty.com/article.php?item_id=15124

 

2014年11月6日付本欄 出生率「1.8」目標を掲げながら消費増税を進めるのは矛盾あり

https://the-liberty.com/article.php?item_id=8692


ボルトン氏がトランプ政権のアフリカ戦略を発表 中国の「略奪的行為」を非難

2018年12月16日 06時34分48秒 | 日記

これだけ知っトクNews(12月15日版) ボルトン氏がトランプ政権のアフリカ戦略を発表 中国の「略奪的行為」を非難

 

 

「これさえ知っていれば、世の中の流れをつかめる」というニュースを、編集部がピックアップ。そもそモグラ博士が、ひと言コメントしてお送りします。新聞の代わりとして、ニュースチェックの習慣づくりに、ご活用下さい。

 

  • (1) ボルトン氏がトランプ政権のアフリカ戦略を発表 中国の「略奪的行為」を非難
  • (2) パワハラ防止が企業の義務に 厚労省が法整備へ 処分規定明記など
  • (3) 米ヴァージン社の有人宇宙船、高度80キロの宇宙飛行成功 届いた「宇宙の扉」