女性モノ扱い 許せない
シャノアール雇い止め撤回裁判
東京地裁 第1回口頭弁論 29歳原告の意見陳述
シャノアールの運営する「カフェ・ベローチェ」が4年以上働くアルバイト店員を使い捨てようとしていることに対し、29歳の女性=首都圏青年ユニオン加入=が雇い止め撤回を求めて東京地裁に訴えています。第1回口頭弁論が20日に行われ、女性が意見陳述しました。その要旨を紹介します。
私は2003年にカフェ・ベローチェ千葉店のオープニングスタッフとして働き始めました。賃金は時給840円と安かったですが、翌2004年から時間帯責任者として、店長とほとんど同じ仕事を任されるようになりました。
店長並み業務内容
それ以来、営業中の売り上げ管理やシフトの管理、後輩従業員の教育、在庫と発注数のチェック、クレーム対応、鍵管理など責任の重い仕事をこなしてきました。
店長は1~2年で次々と異動してゆくため、新たに異動してきた店長はお店の状況を詳しくは知りません。そんな店長に、お店の経緯やスタッフの状況を教えるのは、私を含めたベテランのスタッフです。
私は、グランドオープン(新規開店)から支えてきたこのお店をより良いものにしていきたい、たくさんあるカフェのなかで一番居心地がいいとお客さんに思ってもらいたいと、常に緊張感を持って一生懸命働いてきました。
常連のお客さんが増えたときの喜びは言葉では言い表せません。この思いは他のベテランスタッフも同じだと思います。
12年3月、事務所で店長から突然、「来年の3月で更新できなくなるみたいです」と告げられ、私が「それってクビにするという意味ですか?」と聞き返したところ、「そういうことになるみたいです」といわれました。
私は、3カ月更新の契約を30回以上重ね、9年近くもお店を支えてきました。そんなスタッフを、ひとごとのように、何の説明もなく辞めさせる会社だったのかと思い、悔しさがこみ上げてきました。
私は労働組合に加入し、「なぜ辞めなければならないのでしょうか」「ここで働き続けたい」と、会社に対し訴えてきました。
納得できぬ“鮮度”
ところが、団体交渉で会社側の述べる理由は二転三転し、ある時は、「大学生は4年で就職するから」と言われ、ある時は、「アルバイトが契約社員より長く働けるのはおかしいから」と言われました。また、「店長より年上のアルバイトは使いにくいから」と説明されたときもありました。
私が納得できる理由は、一度としてありませんでした。
私に裁判を決意させた大きな出来事が二つありました。
ひとつは、会社の裏切りです。13年2月末までの交渉で、会社は一度、私を含め一緒に交渉を行ってきた3人のスタッフに対し、これまでどおり、更新回数に上限を定めない契約を行うと、約束しました。
私はこの回答が出た日、泣いて喜びました。ところが、その回答から10日後、交渉の窓口であった総務部長は、急に、「和解協定書は結べない。社長にダメだと言われたから」と、この約束を一方的に破棄したのです。
いまひとつは、雇い止めの理由のひとつとして会社が言い放った“鮮度”という言葉です。鮮度という言葉はモノに対して使う言葉ですが、若い女性のことを、“鮮度が高い”と言い、「そういう子をそろえた方が男性客の集客につながる」と、平然と言ったのです。
愛着を持ち、8年以上働いてきた大切なお店に、魚や野菜のように、鮮度が落ちたから、賞味期限切れだから、もういらないと言われたことに、打ちのめされ、深く傷つきました。
4年で人を使い捨てにするだけではなく、女性をモノ扱いし、年齢を重ねた女は、必要ないと言われたことが、私に裁判を決意させる決め手となりました。
女性として、人間としての価値も否定されたことは、どうしても許すことができません。
日本共産党・大阪3区(住吉区・住之江区・大正区・西成区)国政対策委員長
わたなべ結
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